★慶應2年5月4日、「英国特派全権公使パークス、幕府に牒し、改税約書調印準備の為、該約書の邦文寫の送付及保税倉庫事務取扱の為、速に外国人を雇用せんことを要求す。幕府、諾す」。
★慶應2年5月15日、「鹿児島藩士大久保一蔵「利通」京都より書を藩地の同西郷吉之助「隆盛」・同吉井幸輔「友実」に寄せ、元権中納言三条実美等上坂の幕命に対する意見を陳ぶ。和歌山藩士津田又太郎「出」、書を藩庁に上りて、藩政改革の意見を条陳す」。
★慶應2年5月7日、「鹿児島藩士黒田嘉右衛門「清綱」幕府の萩藩処置を報ぜんが為、帰藩せんとし、元権中納言三条実美等に謁す。実美、萩藩救援に関する意見書を之に付す。明日、嘉右衛門、太宰府を発す」。
★慶應2年5月17日、「英国特派全権公使パークス、幕府に牒し、明日長崎に赴くを告げ、新訂改税約書を同地奉行に送達せんことを求め、且海軍伝習及横須賀製鉄所建設に関する回答を促し、又幕府の生糸専売に関する浮説を陳べて、其危険なるを警告す」。
★慶應2年5月28日、「鹿児島藩士黒田了介・同篠原冬一郎「国幹」新湊に至りて、萩藩支族吉川経幹の用人目加田喜助・同横道外記に会す。喜助等、審に藩情を談じ、曩日広島藩に致せし文書の写を手交す」。
★慶應2年5月29日、「浪士坂本龍馬「直柔・元高知藩士」鹿児島藩士西郷吉之助を訪ふ。高田藩、征長軍進撃の期近づけるを以て、藩兵の陣所・大将軍進発の日限等に就て候す。幕府、批して陣所は陸軍奉行の指示に依らしめ、進発日限は更に達すべきを令す」。