LND7317 GM管レポート | 放射能の測り方

LND7317 GM管レポート

 新しいGM管が届いたのでレポートです。


届いたのは「LND7317」というGM管です。



放射能の測り方
左がLND7317、右がLND712


放射能の測り方


LND7317は、Inspector+やInspectorAlertといったガイガーカウンターに使われていて、


全体の大きさは54mm、マイカ窓の有感部の直径が45mm、面積16cm^2とやや大きなものです。


重さも125gとずっしりしていて、ぱっと見た感じはテフロンフライパン!?



 今回はLND7317を使って塩化カリウムの放射線を検知してみます。


LND7317のマイカ端窓は、ベータ線の検知が得意なので、検知する放射線はベータ線を中心にしていきます。


塩化カリウムにはカリウムが50%ほど含まれています。


塩化カリウムは肥料として配合されたり、塩の代わりに調味料に混ぜられたり、


放射能測定において比較試料として使われることもあります。


比較的入手しやすい放射線源でもあります。


塩化カリウム、そのままでは粒粒が荒いので、乳鉢ですりつぶして粉にします。


その後、タッパーの中に味付け海苔の乾燥剤を入れて作った簡易デシケーターの中で湿気を取った後、


500mgを計りとって試料皿に入れ固めます。



放射能の測り方
適当デシケーター


適当な試料皿が手元になかったので、ペットボトルのふたを加工して代用することにします。


ペットボトルのふたの底の内計を測ってみたら25mmでした。


試料皿として程よい大きさですね。


試料を固めるためにはアセトンを使うらしいのですが、


これも家になかったので、無水エタノールを代わりに垂らし、乾燥させて固めることにします。



放射能の測り方

なるべく平らになるようにしました。


ペットボトルのふたはポリプロピレン樹脂(PP)なので、


エタノールでもたぶん溶けないので大丈夫でしょう。


台座は1cm厚のアクリル板にしました。


その上に塩化カリウムの入った試料皿をそっと乗せ、


アクリル板から5mmの高さになるようにゲタをはさんで、


ビニールを被せたGM管をその上に乗せます。


GM管の固定には、金属の枠にピアノ線を張って作ったゲタを使って、


毎回の計測が同じ高さになるようにしました。


なんだか学校の理科の実験みたいになってきました。

放射能の測り方
大雑把な装置の図


試料皿は、カリウム成分が50%、30%、20%、10%、5%になるように


5種類の濃度を用意して比較してみることにします。


濃度調整には放射線が検知しなかった生石灰(乾燥剤の中身)の粉を使います。


測定時間は60分、それぞれBG(自然の放射線)を含むcpm(1分当たりのカウント数)平均値を並べたグラフがこちらです。


放射能の測り方


このときのBGは平均37でした。


塩化カリウムの割合が増えるに従い、直線的に放射線の計数率(cpm)の増加が見られます。


これをみると、塩化カリウムの濃度と計数率の関係が見えてきた感じです。


ひょっとしたらもっと計数効率の良くなる測定方法があるかもしれませんね。


この辺りは、色々試してみるのもよさそうです。



 次は、この装置で灰化した昆布とバナナを使って、ベクレルの計算をしてみる予定です。


直接GM管を当てただけではわからない放射線が見えてくるかもしれませんね。


今日の2時ごろニコニコ生放送にて


「身近な放射線量を知ろう!ガイガーカウンターミーティング 」


という放送がありました。


ガイガーカウンターの使い方など興味深い内容でしたので、


興味ある方は一度ご覧になってはいかがでしょうか。



今回使った道具たち

塩化カリウム

無水エタノール

乳鉢

精密はかり


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