この日は体と両足を結合させる日だった。
リアルに作成している分、組みやすさなどの作業性は考慮されていないため、それぞれのパーツの隙を縫って溶着した。
難しいところは熟練のスタッフが手慣れた手つきで実施した。
水泳部のメンバーは周りから見ていた。徐々に完成されていく赤月の実寸の胴体から下半身までが完成した。
本日の工程が終わって自然と拍手が巻き起こった。
白原がスタッフと何か話しているのを桃山が見た。ゴミのケースを指さして、中の骨や筋肉のサンプルを取り出した。
「え、その失敗したやつ持って帰るの?」
白原は、膝から下の頸骨、腓骨、アキレス腱、ヒラメ筋などの一式を手にしていた。
「あぁ、もういらないらしいから、ちょっと参考にしたくて」
「そう言って、実は元自分の体に愛着でもわいてきたーとか、言うんじゃないでしょうね」
「ど、どういうことだよ」