【新元号発表】 | 大和民族連合

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政府は1日午前の臨時閣議で「平成」に代わる新しい元号を「令和」(れいわ)に決めた。菅義偉官房長官が記者会見で公表した。安倍晋三首相は正午ごろから記者会見を開き、首相談話を読み上げて新元号に込めた意義などを話す。天皇陛下の譲位に伴い5月1日午前0時から新元号に切り替わる。平成は1989年1月8日からの30年4カ月で幕を閉じる。

これまで天皇の即位前に新元号を公表したことはない。憲政史上初の天皇退位に伴う対応だ。

政府は3月14日に複数の学者らに新元号の考案を正式に委嘱し、それぞれ2~5つの案の提出を求めた。官房長官の下で絞り込み、5つ以上の原案から新元号を選ぶ。

首相は1日午前、首相官邸に到着した際に記者団に「希望に満ちあふれた新しい時代につながるような新元号を決定したい」と述べた。

政府は1日午前9時30分から首相官邸で有識者による「元号に関する懇談会」を開いた。山中伸弥京大教授や榊原定征前経団連会長、作家の林真理子氏ら9人が出席した。同10時20分ごろから衆院議長公邸で衆参両院の正副議長らから意見を聴取した。首相官邸で開く全閣僚会議を経て、臨時閣議で新元号を定めた政令を決定する。

午前11時半ごろから官房長官、正午ごろから首相がそれぞれ記者会見を開く。新元号は公表に先立ち、天皇陛下や皇太子さまに伝えられる見通しだ。

新元号に関する政令は天皇陛下が署名し、1日中に公布する。同日付の官報号外に政令とともに新元号の読み方を定めた内閣告示を掲載する。

元号に用いる漢字はこれまで中国古典(漢籍)を出典としてきた。政府は今回、漢文学や東洋史学だけでなく、国文学や日本史学を専門とする学者にも考案を委嘱したことを明らかにしている。

関係者によると、平成への改元時に委嘱した考案者にも国文学者が含まれていたが、日本古典を出典とする案は「平成」を含む3つの最終案には残らなかった。

元号は1979年施行の元号法に基づき、内閣の責任で定める。新元号は日本最初の元号「大化」から数えて248番目にあたる。「平成」までに使われた漢字は72種類で最多は29回の「永」。2番目に多いのは「天」と「元」の27回。

 

新元号の出典は、現存する日本最古の歌集、万葉集の「梅の花の歌」だということも明らかにされた。「令和」は、日本で最初の「大化(645〜650年)」から数えて248番目の元号になり、「令」は史上初めて使われた文字だという。

万葉集 - 梅花(うめのはな)の歌三十二首より
初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。

 

梅花(うめのはな)の歌三十二首并せて序
天平二年正月十三日に、師(そち)の老(おきな)の宅(いへ)に萃(あつ)まりて、宴会を申(ひら)く。時に、初春(しよしゆん)の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和(やはら)ぎ、梅は鏡前(きやうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(かう)を薫(かをら)す。加之(しかのみにあらず)、曙(あけぼの)の嶺に雲移り、松は羅(うすもの)を掛けて蓋(きにがさ)を傾け、夕の岫(くき)に霧結び、鳥はうすものに封(こ)めらえて林に迷(まと)ふ。庭には新蝶(しんてふ)舞ひ、空には故雁(こがん)帰る。ここに天を蓋(きにがさ)とし、地を座(しきゐ)とし、膝を促(ちかづ)け觴(かづき)を飛ばす。言(こと)を一室の裏(うら)に忘れ、衿(えり)を煙霞の外に開く。淡然(たんぜん)と自(みづか)ら放(ひしきまま)にし、快然と自(みづか)ら足る。若し翰苑(かんゑん)にあらずは、何を以(も)ちてか情(こころ)を述※1(の)べむ。詩に落梅の篇を紀(しる)す。古(いにしへ)と今(いま)とそれ何そ異(こと)ならむ。宜(よろ)しく園の梅を賦(ふ)して聊(いささ)かに短詠を成すべし。

※1:「述」は原文では「手」遍+「慮」