先日、健康に関するセミナーに参加した。テーマは「食事と栄養から健康を考える」で、京都大学の教授ら3人が「インターネット情報」「健康的な食事」「食事と健康の因果関係」をテーマに講演した。

 近年、インターネットには健康に関するさまざまなサイトであふれている。しかし、この中には信ぴょう性に薄れ、「マユツバ」ものも存在する。また、「天然素材の食品、食物=安全」というように、それらの情報を過信している人も多いはず。

 1人目の講師は信用できるサイトの情報を紹介しながら、「確かな情報」を得ることの大切さを訴えた。

 情報を見極めるための10箇条として①「その根拠は」②情報の偏りをチェック③数字のトリックに注意④出来事の分母を意識⑤いくつかの原因を考える⑥因果関係を見定める⑦比較されていることを確かめる⑧ネット情報の「うのみ」はやめる➈情報の出どころを確認する⑩物事の両面を見比べるーことをあげた。

 例えば、ジィジの病気「慢性リンパ性白血病」を検索すると「余命」「生存率」などが必ず続き、さらに深読みしてゆくと、心配の度合いが増え、気分的に落ち込んでしまうことがある。

 しかし、その中で紹介されているのはほんの一例(最悪の場合)で、患者も千差万別。長生きしている人もいれば、普段どおり生活している人も多い。

 標準的な医療と先進的な医療。どちらを選ぶか?と問われたら、あなたならどちらを選択するか。一見、先進的な医療の方がよさそうに思えるが、「新技術で開発されたばかりで、まだ有効性と安全性が確認されておらず、未知数。一方、標準的な医療は十分な研究、専門家の経験と検討で有効性と安全性が確立されており、「益」が「害」を上回ることが期待できる。

 この講師は「ネットでは記事の裏側(書き手=メーカーの意図、思惑)を読み、インパクトの強い言語や数字に惑わされず、自分に合った治療法を選択してほしい」と話していた。