
2003年 アメリカ 61分
監督:マリオン・デレオ
(イントロダクション)
チェルノブイリ原発事故から16年後、マリアン・デレオ監督が災いをもたらされた子供たちの様子を追ったショッキングなドキュメンタリー。健常児誕生はわずか15~20%というエリアの、驚愕の真実を暴いていく。
チェルノブイリ・ハートとは、穴の開いた心臓。生まれつき重度の疾患もって生まれる子供。
ベラルーシでは現在でも、新生児の85%が何らかの障害を持っている。
原因は外部電源喪失を想定した非常用発電系統の実験を行っていて制御不能状態に陥り、
炉心融解し爆発したとのこと、
大気中には10t前後で14×10エクサベクレルの放射性物質が放出されたらしい、
これは広島に投下された原子力爆弾(リトルボーイ)の約400倍とのこと。
これを2日間ほど内外に公表しなかったらしい。
これからすると、この映画のタイトルになっているチェルノブイリ・ハートって、
誰に原因があるかは明確であり、天災ではなく明らかな人災だと思われる。
のべ60万人のリクビタートル(清掃人)は大量の放射能を浴びて、
1万3千人以上もの人が亡くなった。映像で見る限りすごくお粗末な作業着で作業していた。
放射能に対しての防護措置などあれじゃ何もできていないのと同じだと思った。
チェルノブイリから240kmの汚染集落で住まざるえない老人たち、
今もなお600万人が汚染地域に居住しているらしい。
危険性を聞かれてどうすりゃいいの私たち、ここで住むしかない事情があるみたい。
240kmというのは大阪から愛知県の豊橋市までの直線距離がそうみたいで、
名古屋も入ってしまっている。けっこうな距離が離れているのに汚染されてしまっていること、
それと何も処置がなされていない状況を政府はどう思っているのだろうか?
チェルノブイリから200km以内で、
セシウムの濃度検査を受けた生徒106人のうち45人が危険とされるレベル70以上だった。
チェルノブイリから80kmのゴメリ市、基準値の40倍のセシウムで汚染されている中、
市民は生活をしている。ここに遺棄乳児院「ナンバーワン」がある、
その中にいる子供に多いのが水頭症といい、
脳脊髄液の産生・循環・吸収などいずれかの異常により髄液が頭蓋腔内に貯まり、
脳室が正常より大きくなる病気で事故後増加している。
ゴメリ市の甲状腺がんの発生率は、なんと1万倍にもなったらしい。
ベラルーシ共和国ミンスク市にあるノヴィンスキ精神病院のシーンで、
看護師の言い放った無神経な言葉に愕然とした。
ヘッド上に体が反った状態の子供が寝ている、そこへ看護師がやってきて、
その子供を少し乱暴に扱うので、注意するとその看護師は、
「だってちっとも大きくならないじゃない?これ以上成長しやしないよ」と言って、
その場を去った。だからお前は乱暴に扱うのか、お前にその子供をそう扱う権利などない、
根本的には何でこんな状況になってしまったのかを考えると深刻になってくる。
脳が頭蓋骨に収まらず後頭部に突出した赤ちゃん、
背中にソフトボールぐらいの腫瘍をもった赤ちゃん、
お尻の部分が膨らんでしまいその膨らんだ中に腎臓があり、
足も全く動かせない赤ちゃん、
どの子も処置ができないとのことだった。
心臓の穴を塞ぐ手術で使われていたのは、
ゴアテックス素材でそれを穴に貼り付け処置をするとのこと、
あの事故直後に生れた子供は、26歳ぐらいになるはず、
社会に出てバリバリ働いてもらわないといけない世代だけれど、
その大多数に何らかの障害があったり、亡くなったりしているこの現状、
とても他人事と解釈はしてはいけないと思った。
福島の原発事故の影響で今後影響を受けた子供が生まれてこないように祈りたいと思う。
安全な原発なら賛成だったけど、原子力に頼らずに電気を供給できる手段を考えて、
原発は日本からなくす方向へシフトしていってほしいと強く思った。