白い雲会いたい人に会いに来る
空は沈黙とびきの青

道すがらほのかに薫る紅梅の
写生する子の絵の上手いこと

押すだけのことは知ってる車椅子
ばあちゃん歌をイヤホンで聴く   

寒かろうどうぶつ雲が駆けていく
金曜の午後スイトピー買う

妖艶な玉三郎の指の先
吸い込まれゆくひとつの舞台

闇夜って音が聞こえるよく見ると
小さい星が弾んで見える     

只見線雪のホームは二人だけ
近づく光り静かに停車

娘っ子きおつけろーと声かかる
雪のホームの定刻発車

日が暮れて町の灯りに熱いお茶
聞こえてくるよ夕焼け小焼け

小さな字荒波のよう繋がって
ノートを埋める高三の冬

火の用心満月までも届くよう
男のひびき寒風にのる

茶柱が立ってもひとりお茶を飲む
ゆっくり廻れ今朝の明るさ

餅を手に伸びて縮んでゆっくりと
物を忘れる私を笑う

思い切り地球を蹴って跳び上がる
五センチほどが今の体力

干しぶどう持って電車の片隅の
座席で思う自由の不思議

しあわせな家族揃って七五三
大きなあくび写真に写る

暖かく秋の朝靄明けていく
ピラカンサ揺れ小鳥が遊ぶ

駅の前イルミネーション星のよう
周りの人が優しく見える

ひと呼吸静かに落とす星形の
砂糖の波が清々しくて