肘圧による社会恐怖(social phobia)への挑戦
社会恐怖の患者には脊椎起立筋の特に第一および第二胸椎横部に硬結が存在することを社会恐怖の患者の3症例中全てに見出した。その硬結は第一および第二胸椎横部の奥深いところに存在し、指圧や手掌圧にて弛めることは不可能であり、肘圧を使用しないことには不可能である。そしてそれは麻酔薬のその硬結への注入にては一時的な硬結の消失しか観察されない。しかし強い肘圧をその部分を重点的にそして全身に行うと一時的でなく長時間の硬結の消失が観察されることから、その硬結は全身の骨格の力学的不均衡に由来すると考える。
【始めに】
すべての精神的疾患は、全身“気血水の流れの異常による”との考えのもと、鍼・灸・星状神経節ブロック・整体・足の裏反射療法・玄米菜食療法・気功法・低出力レーザー療法・漢方などを行ってきた。 現在は玄米菜食療法、整体療法を主として精神疾患に挑戦している。以下、症例とともに整体療法による精神疾患への挑戦を克明に記した。
【key words】social phobia, “気の滞まり”、
【症例】
(症例1)22歳、男性。中肉中背、やや痩せ型。発症は14歳時(中学3年次)と推定されるが、詳しいことは語らない。兄と2人兄弟。兄は大学在学中であるが本患者は中学卒業後、高校にも専門学校にも行っていない。第一回目の肘圧の時には全身の力学的不均衡は発見できなかったが、第二回目の肘圧のときに第一第二胸椎横部(左側)の脊柱起立筋の奥深くに硬結があるのを発見できた。右利き。
(症例2)28歳、男性。ドグマチールを前医から投薬されて2年前に体重が3カ月ほどで32kg増加し、現在の体重は96kg。2年前、急に96kgまで太った後、体重は全く減少しない。発症は大学卒業時の22歳の時。母親が過保護である。境界例とも考えられる。第一第二胸椎横部(左側)の脊柱起立筋の奥深くに硬結がある。右利き。
(症例3)38歳、男性。発症は高校3年次。大学入試直前に発症したと言う。すでに罹患して20年を経過している。今まで様々な治療を受けてきた。絶食療法、気功、漢方、星状神経節ブロック、整体、鍼、またインターネットより fluoxetine などを購入し1年半ほどかなり大量に服薬したが効果はなかったという。右利き。第一第二胸椎横部(左側)の脊柱起立筋の奥深くに硬結がある。すでに第二胸椎の左側の浅いところに硬結があり、患者はこの部分への麻酔薬の注射を受けてきたという。また第二胸椎左側の浅いところの硬結をカイロプラクテック的に整骨院で長年治療を受けてきた。この部分を治療してもらうと効果は半日も続かないが一時的ながら自律神経失調状態が軽くなるという。
【考察】
“気の滞まり”が社会恐怖など不安障害の根本的な原因であり、それにトリガーとなるものが加わって社会恐怖などの不安障害が発症するものと考える。“気の滞まり”は自律神経の失調を招き、そこにストレスとなるものが加わることによって社会恐怖など不安障害が発症すると考える。
この治療法は指圧とほぼ同じものである。ただ上部胸椎横部を重点的に弛緩させることが異なるのみである。指圧や掌圧では不可能である。たとえ患者が女性でも肘圧でないと効果を得られない。
肘なら施行者の体重がかなり乗るが、指圧では僅か乗るのみである。掌圧では両手で押すとかなり体重が乗るが、脊椎横部の深部の硬結を解すのは肘圧でないと不可能である。
【最後に】
不安障害の患者の上後背部には必ず硬結が存在する。その硬結は深部に存在する。先負に
【参考文献】
1)Novelly, R. A., Schwartz, M. M., Mattson, R. H. et al. : Behavioral toxicity associated with antiepileptic drugs : Concepts and methods of assessment. Epilepsia, 27 ; 331-340, 1986.
2)Naito, H., Matsui, N. : Temporal lobe epilepsy with ictal ectatic state and interictal behavior of hypergraphia. J Nerv Ment Dis, 176 ; 123-124, 1988.
3)Murder, D. W., Daly, D. :Psychiatric symptoms associated with lesions of temporal lobe. JAMA, 150; 173-176, 1952.
http://homepage2.nifty.com/mmm23232/2975.html