今週の『エール』の裕一(窪田正孝)はすごかった!

 

僕も、僕もどん底まで落ちた

でも、どん底まで落ちた僕たちにしか伝えられないものがあるって信じてる

戦争が終わって、またこのグラウンドで試合ができる時代になった

選手も、お客さんも、みんな楽しみに待ってる

僕たちも多田さんの想い、形にして、未来ある若者に一緒にエールを送ろうよ

勝った人にも、負けた人にも、がんばったね、がんばろうね

一生懸命な姿見せてくれてありがとう、って

久志、君なら歌える

お前じゃなきゃだめなんだよ

 

ずっと以前から思っていました。

「故郷」「栄冠は君に輝く」「仰げば尊し」の歌詞と曲のすばらしさは尋常ではない、と。

どんなグルーピングなのか我ながらやや謎ですが、たぶん古風な言葉で綴られた詩の歌部門という切り分けでしょうか。

このドラマは、このうち2曲に大きくスポットを当ててくれました。

今週のテーマはそのうちの「栄冠は君に輝く」。

作詞家は足を切断して甲子園への夢を断ち切られた方で、絶望を乗り越えて後に作られた曲だということを、今週のドラマの中で初めて知りました(たぶん脚色ではないでしょう)。

 

戦時歌謡歌手の謗りを受けて絶望し、飲んだくれ、博打に明け暮れた久志(山崎育三郎)も、この裕一の迫力にはさすがに魂を揺すぶられ、とうとう歌い出してレコーディング。

対比する言葉を連ねて畳みかけてくる臨場感。

悔ゆるなき 白熱の 力ぞ技ぞ

一球に 一打にかけて 青春の賛歌をつづれ

そして

あゝ 栄冠は君に輝く

 

聴けば聴くほどにすばらしい歌。

放送回の金曜日は在宅勤務、7:30(BS)、8:00、12:45の3回見て3回とも泣いてしまいました(入れ込みように妻には笑われました)。

 

わずか15分しかない放送時間のかなりの部分を使っての、先日の薬師丸ひろ子の見事だった歌唱に続く、今週の育くんの熱唱。

放送直後の「あさイチ」の「プレミアムトーク」ゲストも育くん。

ミュージカル談義に、歌唱指導、やりたい放題の大活躍。

土曜日の「SONGS」も「森山直太朗 × 山崎育三郎」で、これもまた聴きごたえありました。

昨日今日に限りませんが、育くんのおかげでミュージカルというものがずいぶんお茶の間に浸透しているのではないでしょうか。

喉先で節を回している(ように聴こえる)育くんの歌唱を、実はわたしは少々苦手にしていて、圧巻の内容だったからこそそれが取り立ててわかってしまった部分もあるのだけれど、好き好きの問題でそれはそれ、今週のエールはすばらしいパフォーマンスだったと思います。

 

さて、来週の主役は音ちゃん(二階堂ふみ)でしょうか。

「ラ・ボエーム」のオーディションで、素直に考えれば「私の名前はミミ」が聴けるかな。

このドラマで音ちゃんが挑戦する歌はどれも高難度。

この歌(勝手に決め付けてる)は技術的な難しさはさほどではないように思いますが、どれだけ自然に情感を込めてミミの人となりを決定付けられるか、プッチーニ屈指の名曲ですから求められるものは大きいです。

またまた楽しみな一週間です。