ドッペルゲンガー学園 10・事実
「日菜汰と日菜子さんが、本当の兄弟じゃないなんて・・・。」
「うそでしょ・・・。」
「まじかよ。」
「日菜子さん!本当なんですか??」
口々に言った。顔もはそっくりなのに兄弟じゃないなんて。
嘘だと信じよう。よし、そうしよう。うん。
・・・・・。とは言っても、日菜汰が言ってるしなぁ。本当の兄弟か、兄弟じゃないか。2分の1選択。
「日菜汰・・・。なんでそのことを。」
み、認めた!?!?日菜子さんが、認めた。下を向いて強く強く唇をかみしめる。
静まりかえった裏の世界の中の異様な雰囲気。
なにもかもが信じがたいことだった。こんな告白、今しなくても。みんなの前で、しなくても。
「姉さん。いや、日菜子さん。隠さないでよ。僕を拒絶しないでよぉ。」
涙を目にいっぱい浮かべた。今まで信じてきた人が、今までそばにいた人が。今までの人じゃなかった。何か・・・・、心の思い出にあったような、無いような。
日菜汰と日菜子さんの位置は2メートル。日菜汰がどんどん離れていった。拒絶をする、姉をまた、拒絶するように。互いに拒絶しあって、距離をとって、離れていった。
こんな事、見覚えがある。小さいときに僕が、誰かを拒絶した。しゃべっても、触れられても、目があっても。その人と何かするとすべてを拒絶した。その人が存在するということも。
「ごめん。ゴメンね・・・・。日菜汰。ゴメンね。」
ただただ、ひたすら謝った。謝って謝って、拒絶を繰り返した。そうやって、距離を置くんだ。
思い出した。
小さいとき、僕が・・・・僕が・・・・。
姉を拒絶した。
病気の姉を、しゃべるのも、みるのも、話すのも。何もかも拒絶を繰り返した。何度も何度も。
そして姉は何度も何度も、僕に言った。
『リュウ。拒絶をしないで。私を認めて。ここにいる、あなたといる存在だということを。』
すべてが。すべてを。
そして運命が。
僕と姉を引き離した。
