夢は小説家♪その道への一歩を踏み出せ

夢は小説家♪その道への一歩を踏み出せ

このブログは主に小説を書きます!!恋愛ものやファンタジーなど書きまくるんで頑張ります!!

Amebaでブログを始めよう!

ドッペルゲンガー学園          10・事実



日菜汰と日菜子さんが、本当の兄弟じゃないなんて・・・。」

「うそでしょ・・・。」

「まじかよ。」

「日菜子さん!本当なんですか??」

口々に言った。顔もはそっくりなのに兄弟じゃないなんて。

嘘だと信じよう。よし、そうしよう。うん。

・・・・・。とは言っても、日菜汰が言ってるしなぁ。本当の兄弟か、兄弟じゃないか。2分の1選択。

「日菜汰・・・。なんでそのことを。」

み、認めた!?!?日菜子さんが、認めた。下を向いて強く強く唇をかみしめる。

静まりかえった裏の世界の中の異様な雰囲気。

なにもかもが信じがたいことだった。こんな告白、今しなくても。みんなの前で、しなくても。


「姉さん。いや、日菜子さん。隠さないでよ。僕を拒絶しないでよぉ。」


涙を目にいっぱい浮かべた。今まで信じてきた人が、今までそばにいた人が。今までの人じゃなかった。何か・・・・、心の思い出にあったような、無いような。

日菜汰と日菜子さんの位置は2メートル。日菜汰がどんどん離れていった。拒絶をする、姉をまた、拒絶するように。互いに拒絶しあって、距離をとって、離れていった。


こんな事、見覚えがある。小さいときに僕が、誰かを拒絶した。しゃべっても、触れられても、目があっても。その人と何かするとすべてを拒絶した。その人が存在するということも。


「ごめん。ゴメンね・・・・。日菜汰。ゴメンね。」

ただただ、ひたすら謝った。謝って謝って、拒絶を繰り返した。そうやって、距離を置くんだ。


思い出した。


小さいとき、僕が・・・・僕が・・・・。




                      姉を拒絶した。


病気の姉を、しゃべるのも、みるのも、話すのも。何もかも拒絶を繰り返した。何度も何度も。

そして姉は何度も何度も、僕に言った。

『リュウ。拒絶をしないで。私を認めて。ここにいる、あなたといる存在だということを。』


すべてが。すべてを。


そして運命が。





                       僕と姉を引き離した。

さよならのキス         7話目・沙彩先パイ



これが・・・感じていたもの?


何となく、感じていたもの。


沙彩先パイと同じ気持ち。


(これが、神崎さんに感じたこと)


でも、これって二股??


いや、でも、つきあってないし・・・。


もし、神崎さんが僕のことが好きだとしたら


僕は断るしかない。


でも、沙彩先パイは僕のことをどう思っているのか?


聞くっきゃない!!



(沙彩先パイって・・・。どこにいるんだ?)


物陰に隠れてまっていたら。


来た!!が、男と一緒。


なんで?もしかしてつきあってるのか?


「翔!!大好きだよぉぉ。」


何もかもが信じられなくなった。


絶望。悲しみ。つらさ。


何もかも訳わかんないよ。


「あの・・。宗形君?どうしたの?」


神崎さん。何も言わないで。


「これ・・・。元気ないなら食べて。」


と言うと、かわいらしい包み紙を渡した。


暖かく、香ばしいにおいが広がる。


クッキーだ。


「おいしい。」


甘く、でも苦く、チョコレートの味は俺には・・・。


くっっ。


泣き出しそうになるのをこらえた。


彼女の前で泣くのはそうはいかない。


かっこわるいと思われるのが嫌いだから。



さようなら。


沙彩先パイ。

ドッペルゲンガー学園            9・心の声と日菜子&日菜汰


大嫌い・・・か。なんだよ、たっくよ。呼び出したのは華南のほうなのに。

何がいけなかったんだ。どこが悪かったんだ?

なんとなくだけど、心の奥底に何か、黒く、苦く、悲しみのような固まりがある。嫌でも忘れなれない何かの思い出が。思い出すことは出来ない。

『・・・聖。

な・・・。なんだ、声が聞こえるぞ。心の扉がちょっぴり開いた感じがした。その瞬間、何か、思い出の中からこえがきこえてきた。

よ~く集中するんだ!!なにが聞こえる?誰の声だ?心からの声に耳をとぎすませる。

『・・・・龍聖。

聞こえた!僕の名前の龍聖と言った!でも。この声、この言い方。聞き覚えはある。けど、思い出すこと出来ない。その時の僕が、その思い出をひどく、その思い出に対してひどく何か悲しみ覚えている。


泣いていたのか?


なぜ?


憎しみを覚えたのか?


誰に?


後悔しているのか?


何に?


思い出そうとするたびに、疑問が浮かぶ。どうして。

「風凪君、どうしたの?」

「日菜汰。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・。


「ふ~ん。そうなのか。」

納得したような感じで答えた。

「君の近くに答えはあるよ。」

僕の近くに?まさか。


「日菜汰~~~。」

裕史が駆け寄る。

「それと・・・・・。あ、そうそう、龍聖!!」

「僕の名前だけどうして出てこなかったの??」

叫んだ。

悲しいよな。同じクラスで席と部屋はお隣さん。なのに名前は忘れられる。ひどいよ。

「今から緊急任務だ!」


「「「「ドッペルゲンガー・イズ・ミッション!!戦闘開始!!」」」」


今回の任務。スワンチームの手助け??


「姉さん???」

そこには、悪性ドッペルの進化形、シリアが5体・・・いや、6体はいるだろう。

傷が痛々しい。血がいっぱいだ。


がっ。日菜子さんが追い詰められた。

「あ・・・。もう・・・。終わりなの?」


「スクリュウタイバーン!!」

日菜汰が繰り出した技。

一気にシリアが倒された。

つよい。


「なっ。日菜汰!!待機してろっていったじゃい。」

「もういいよ。僕の姉さんのフリは。知ってるよ、日菜子って、僕の本当の姉さんじゃないんでしょ?」


ドッペルゲンガー学園            8・告白??



「華南っっ。」

どうして。なんで、桃香呼んだだけなのに。ちゃんと華南だって、名前で呼んでるのに。何が気に入らなかったんだ?気になって仕方がない。

ギュウ。桃香が僕の袖を握ってきた。悲しそうな顔と、申し訳なさそうな顔つきで下を見る。うつろな目には何を思っているのだろう。

「桃香・・・。」

名を呼ぶ。こんな事は初めてのはずだ。桃香は縛られていた。桃亜という呪縛から。

「リュウ君。追っていってください。華南ちゃんを追ってください。」

「いいの?」

コクリ。桃香はうなずいた。

僕は華南の後を追った。


「かなーーーーん。華南!!!」
華南が行きそうな所を探した。喫茶店、カナル広場、お茶間、華南の部屋。

どこにいるんだよ華南!!

『うそつき!』華南の言葉。ははは・・・。嘘つきね・・・。うそつ・・嘘つき・・・。トラウマになりそうだ。

『なんにもなかったじゃない!』

もしかして!!!

(華南が今。今、行きそうな場所!神殿の木だ!)


神殿の木に非土地の物陰が。華南?

「華南?」

「っ!!何であんたが!!」

びっくりしたような感じだ。まだ顔がはれぼったい。泣いていたのかな??そしたらあやまんなきゃ。

「華南!!あの・・・その。嘘ついてゴメン!!」

華南はちょっぴりうれしそうだった。明るい顔。

だが!

「は、はぁ?なに?謝ったら許してもらえると思ってんの?バッカじゃない?許すわけ・・・。許すわけ。」

ツ~ン~デ~レ♪華南はやっぱツンデレだ。

「許すわけ・・・あるよね。」

え・・・。うそ。許すの??

ギュ。華南が抱きついてきた!!ど、どうしたら・・・。

「バ~カ。びっくりしたろ?」

クスリと笑う。可愛い?うん、可愛い!!

「りゅう、龍聖!!私の気持ちを聞いてくれる?」

華南の気持ち?出来たらな~聞きたいな~。

スウゥゥゥ。と息を思いっきり吸う。

「私!龍聖のことがぁ!!」

ピロロロロロロロ。

携帯が鳴る。

「え・・。桃香?うん、何??話?まだまだ・・・。終わってないけ・・・・ど。」

後ろから殺気が!!かかかかかかかかかかかかな~~~~ん。

「やっぱりお前なんか大嫌いだ~~~!!」

ドッペルゲンガー学園              7・裕史の部屋にて



強制連行された部屋は裕史の部屋。僕の部屋はとなり。そっこーに逃げたいという気持ちが高まってきた。何で裕史が華南について話すんだよ!!裕史にはカンケー無いのに!

逃げたいけど・・・、と思う。逃げれるのは逃げれる。だけど、裕史が出入り口をふさぐように座っているから逃げれない。

「華南についてって、なんだよ!!」

「華南、なんか変じゃなかったか?」

変?まあ、なんか、桃香と話していた内容を聞きたがっていたし、最後にはツンデレっぽかったし。

もう、話しについて行けないよ・・・・。こまったな~。変って言われたって、華南とは入試の時に仲良くなっただけ。まだあって2~3ヶ月じゃん!変とかそういう問題わかんないってーの。

「裕史は幼なじみなんだろ?裕史が聞けばいいのに。」

すると、裕史は黙り込んでしまった。怖々とした顔つきになった裕史。

「き、聞こうとしたんだが・・・。」

裕史の話はこうだ。


『華南、どうした。』

裕史が尋ねる。華南は

『裕史・・・。龍聖は?』

と、聞いたらしい。裕史は、僕が桃香と話していたことなんて知らなかった。

『神殿の木にいるんじゃねの?』

ふざけにもほどがあるだろう。そしたら華南はあわてて神殿の木に走っていったらしい。

そのあとは裕史にはわからない。あったりまえか。


「で?華南についてってなんで?僕が?」

はあ、とため息をついて。

「華南は・・・・。お前がす・・・。」

と、いいかけたそのときだった。


ごっ。(←裕史に固形物があたる音)


華南?今裕史に何を投げつけた?

ひょいっと、持ち上げた。ズシ。けっこー重い。これって・・・・灰皿?職員室の灰皿じゃないか。なんで?

「ゆゆゆゆゆゆゆゆゆ裕史!!これ以上言ったら・・・。」

いったら裕史の命がつきるだろう。

裕史の頭から血が・・・・。

ダダダダダダダダダダッ。

廊下を走る音。急いでるな。危ないよな~、走るなんて!いったいどこのどいつだよ!

「裕史~~~~~~~!!」

雪奈さんか・・・。雪奈さんの部屋は裕史の真上だからな~。聞こえるのも無理はない。かも??聞こえるのか?そもそも。


真っ青な顔で裕史の血を吹いた。今にも貧血起こしそうな顔。

無理しなくてもいいのに。ど~っせ裕史は。

「いいっ。自分で拭く。」

っていうんだよな~!!も~いらっとくる!

「こんな状況でも冷静だなんて・・・。クール・・・。」

クール?こんな奴が?クールだって??ありえない。

「ど、どうしたのですか?大声が聞こえたのですが。」

桃香。聞こえてたの?

「ひっ。リュ、リュウ君。これはいったい!?!?」

「あ~、大丈夫だよ桃香。」

リュウ君か・・・。桃香か・・・。うれしいな~。恋人みたいだ。

がたがた。華南がふるえていた。

「なによ・・。『リュウ君』?『桃香』?いつの間に仲良くなったわけ??やっぱりさっきの話!!なんにもなく無いじゃない、龍聖。りゅ・・・龍聖の・・・・。うそつき~~~~。」

泣きながら出て行った。

さよならのキス         3話目・気持ち



ありがとう。


たった一言だけど言えなかった。


彼女は瞬く間に走り去った。


ただ、僕の手には彼女からの贈り物があった。


暖かく、ふんわりとした、たった一枚のタオル。



朝。


重たい体で登校する。


神崎都さん。お礼を言わないとな・・。


「心~~!!」


あ・・・・、また来た。嫌いな奴。


「よお、昨日見てたぜ!」


げ・・・・。みられてたのか。


「神崎都。あいつのためにサッカーしてるの??」


また、恋バナ。


「ちげーよ。」


昨日、たまたまあっただけであって


つきあってるとか好きだとかそういうものではない。


俺は・・・・沙彩先パイのためだから。


そんなことは言えないよな。


「ちっ。」


舌打ちかよっ!!


今日も朝練か・・・。


そういえば、神崎さんって何部なんだろうか。


そうこうしているうちに学校に着いた。


「あ・・・。」


目の前には神崎さんの姿が。


言わなきゃ、お礼。


返さなきゃ、タオル。


「あのさ、これありがとう。」


洗ったタオルを彼女は受け取った。


「うん。」


天使のような笑顔に見つめるしか無かった。


目が離せない。


なんというか・・・・。可愛い?


可愛い笑顔だ。


沙彩先パイに似ている。


この気持ちって、沙彩先パイと同じだ。


・・・・・・もしかして。

ドッペルゲンガー学園            6・華南の心



華南!?!?どうして?何でここにいることわかってるの?もしかして、桃香との話聞いてたの??

光華南。それが華南の本名。光さんとか、華南って呼んでいた。

「穂波と・・・・。何してたの?」

なにしていたって。話していたに決まってるじゃんか。それ以外だったとしても、桃香さんと話すなんて。

「お話をちょっとね。」

「お話?ほんとにそれだけ?」

しつこく問う。何が聞きたい、何が言いたい。

「私は・・・その・・・。」

言葉が詰まる華南。顔が赤くなってる。・・・・ゆでだこみたい。ぷぷぷ。

「よかった。」

何が良かったのか?僕の安否?そんなに僕がけがしそう?それほど僕は華南に・・・・・。

「ありがとう♪」

これ言えば機嫌良くなるかな??

しかし華南はみるみる赤くなる。それほどうれしかったのか。

だが、帰ってきた言葉は。

「はあ?なにいっての?私が龍聖のこと心配なんかするわけないし!!」

ぐさり。心に刺さった。傷が増えていく。これで163個目だ。

華南は走り去っていった。


はあ。ため息がでる。なんか~、華南ってツンデレ?なわけないか。

「姉さんをみなかった、風凪君。」

日菜汰。お前みるといやされるわ。って!!これってホモじゃん!!ダメじゃん!!

「日菜子さんならみてないよ。」

多分任務かな?だって日菜子さんは『スワンチーム』に所属。スワンチームはSクラスのトップ5の人が悪性ドッペルを倒すために組まれた最強チーム。

「任務はもう終わっていたのに・・・。」

終わっていたのなら、僕には関係ない。

「なんか情報あったら、教えてね。」

そういって、走り去っていった。


華南はなんであんな事言ったんだ?

僕は華南の言葉を思い出す。『穂波と・・・・・何してたの?』どういう意味だろう。

「おい。」

呼び止められた。裕史じゃないか!!なんのようだろうか?

「華南について話がある。」

華南について??なんでだよ。僕が関係あるのか?

「僕、忙しいから。」

めんどくさそうだったから、無理矢理話をとぎらそうとした。


がしっ。(←裕史が僕のうでをつかむ音。)


「な・・・。裕史、どうして僕のうでを!!」

「・・・・・・・・。」

裕史はにやりと笑った。


メキメキメキメキ。(←僕の骨がきしむ音。)


「ぎゃああああああ。ゆ、裕史!!僕の骨が、骨が折れるって!!ほらメキメキいってるからぁぁぁぁ。」

強制連行された。


ドッペルゲンガー学園            5・穂波桃香の姉



「穂波さん、僕に・・・。」

何かできることはない?って言いたかった。でも、そんなことを言ったら逆に穂波さんが悲しんでしまう。

穂波さんは僕の考えをわかっているかのように問う。

「龍聖君に出来る事。3つありますよ。」

3つ。なんだろう。穂波さんが元気になると言うならば、僕は喜んでやるよ。ど~んとこい!!

「1つめは、私を『穂波さん』ではなくて、『桃香』って呼んでください。」

つまり、苗字じゃなくて名前で呼べということか。でも、Sクラスには言いにくい言葉。特に日菜子さんの前だともっと言いにくい。

「2つめは、龍聖君のこと、リュウ君って呼んでイイですか??」

かわいらしい呼び方だ。もちろん、

「イイよ。そんなこと。」

OKする。さあ、最後のひとつはなんだろうか。

「私を・・・・・。」


「あら、桃香さん。お話中でしたか。」

話に割り込んできた人。2年生のSクラスだ。桃香の知り合いだろうか。

「・・・。」

桃香は黙り込んでしまった。この人となんの関係があるのだろうか。すると、その人はくすくすと笑いながら、桃香の頭に手を乗せた。

「桃香さん。あなたは今さっき、この男に何を話していたのですか?一族の秘密をばらすようなこと、してませんよね?していたら。」

していたら?どうなる?

「あなたもお兄様と同じようになりますよ。」

お兄さんと同じようなこと??もしかしたら、桃香のお兄さんをだました人って・・・。まさか。

アノ女は、高笑いをしながら2年寮にもどっていった。


桃香はふるえている。アノ女はそれほど憎らしいものなのか。桃香にとって、お兄さんはものすごく大切な存在だったのか。

「桃香・・・。最後のひとつは??」

ちょっぴり涙目だった。ふるえも伝わってくる。

「私を、桃亜から守ってください!!」

モモア。もしかして、さっきいた、桃香のお姉さん?その人から守れっていっているの。

部屋は、遠い。だって女子は2階、男子は3階。守るには遠すぎる。

でも、桃香をみていると、そんなこといってらんないよ。


「桃香。メアド、交換しない??もし、桃亜におそわれたら、電話して。それでいい??」

うわあ~~~。僕って格好いいこというな~。

「はいっ。」

かわいらしい笑顔。妹だと萌えてしまいそう。可愛すぎる。


ぴっ。


赤外線で登録完了。それで安心だ。

「ありがとうございます!!リュウ君、私を必ず守ってくださいね♪」

「うん。」

あ~、終わった。寒い。


コツコツコツコツ。

階段をゆっくりゆっくり上っていく。

「ね、ねえ。龍聖。穂波と何話していたの?」

!!!!

華南!!

ドッペルゲンガー学園          4・穂波桃夏の過去



『明日の午後5時、神殿の木の所へきてください。』

そういった。それは昨日のこと。覚えててくれたら、うれしいな。

聞きたいことがあるから。それは、悪性ドッペルに攻撃されたらどうなるか。気になってたけど、任務からかえってすぐには聞けなかった。時間をおいて言った方が穂波さんに迷惑はかけないと思ったから。


コンコンコン。ドアがなった。

「はい。誰??」

ドアの向こうはなにやらどんよりとした空気。気まずいような感じだ。

すると向こうから声が聞こえた。

「た・・・た・・・助けて・・・。」

かすれ声。助けてって言っていた。まさかとは思いドアを開ける。

そこには幸介が倒れ込んでいた。やっぱり。幸介は任務後に失神したんだろう。

多分、起きたら女子がいて、あわてて帰ってきた。まあ、そんな感じだろう。

でも、よくぞ裏世界で失神しなかったな~。踏ん張っていたのかな??

どうでもいいや。


カチコチカチコチ。時計が時を刻んでいく。もうすぐ約束の時間。穂波さんは待っているだろうか。

呼び出した僕が先に行くべきだ。

「幸介、ゴメン。俺ちょっと用事があるから。」

本当にゴメン。

「え・・・ちょ・・まてよ!!」

止める幸介を振り払い、かけだした。


神殿の木には誰もいない。すると後ろから声が。

「龍聖君。お待たせしましました。」

可愛い。いつみても可愛い。

「あの・・・。お話ってなんでしょうか?」

聞きたかったことが今わかる。でも、なかなか言えない。

言わなきゃ言わなきゃ。今言うんだ!!


「あのさ、悪性ドッペルに攻撃・・・。いや、ふれたらどうなるの??」

きょとんとしたような、おびえているような顔つき。なにか秘密でもあるのか。

「あ、あれ?昨日の任務で言いませんでしたか?体が・・・チリになるんですよ。」

何かを隠している。確信した。だが何を隠してる。問わなきゃ。

「嘘だろ。」

「え・・・・・。」

嘘。だただた、その言葉を口にした。意味はない。でも、穂波さんはおびえている感じ。

でも、嘘は、聞いたこと。チリになる。そんなのは無い。

「悪性ドッペルにふれても。何もならないよね。」

事実。昨日、Fクラス奴が、悪性ドッペルにふれたという。だが、奴は生きていた。

「何を言いたいんですか?」

「穂波さんが知っていること。ドッペルゲンガー学園の秘密をね。」

口が勝手に!!なんでだ??

「わかりました。お話ししましょう。」

あ~らら。勝手に進んじゃった。


「ドッペルゲンガー学園は選ばれたものが試験にでれるわけではありません。その人の祖先が、第一回目に入学した人達の子供が受け継ぐことになっています。」

そうなんだ。ちなみに、僕の両親もドッペルゲンガー学園の卒業生。

穂波さんは話を続けた。


「ドッペルゲンガー。私たちの分身。それは、コンピューターと例えます。悪性ドッペルは、コンピューターウイルス。」

「つまり、ウイルス除去に僕らは任務に?」

穂波さんはこくりとうなずいた。


「話は変わりますが、私の兄は、Sクラスでした。でも、兄は悪い人達にだまされて・・・・。」

だまされたのか。かわいそうに。でも、その後はどうなったんだ。

「悪性ドッペルの進化形、シリアに食べられました。」

「・・・・。」

食べられる=架空に飛ばされる。架空に飛ばされたら、二度と戻ってこれない。

穂波さんはこんな過去を背負っている。何か僕に出来ることはないのか・・・。

ドッペルゲンガー学園           3・任務開始



朝。まだ夜が明けてないのに、たたき起こされた。眠い。いらつく。こんな時に任務に行かなくても・・・。

「遅いぞ~。お前な~いつまで寝ている!!」

うっせー、裕史。こっちは超低血圧なんだよ!

任務。初任務だ。緊張するな~。やっば、まじで足ががくがくするんですけど。

「あの・・・。龍聖君?大丈夫でしょうか?」

穂波さん。ありがとうございます!!やっぱり優しいな~。


「では、任務開始。」

かけ声とともに、足下で魔法陣が光る。生暖かく気持ちワル。

華南は・・・。まじでびびってる。声、かけた方がいいかな??

(おいっ。龍聖!正式妖術覚えてる?)

正式妖術。ドッペルゲンガーを使うときに、唱える術。まあ、授業中にいってたな~。

(半分以下。成功率。)

裕史。君の成績が気になる。ちなみに僕は1200人中926位。Eクラスの中間。

これでも僕は、正式妖術は覚えてる。


「「「ドッペルゲンガー・イズ・ミッション。戦闘開始!!」」」


僕らはとばされた。裏世界のレインドファオン。

どんよりと暗い雰囲気。あ~、怖い。華南は・・・。まじでびびってる。

穂波さんから順に前えと進んでる。

「皆さんに注意事項があります。これから出てくる悪性ドッペルを倒すとき、魂ごと破壊しないでください。皆さんの魂ごと、架空に飛ばされます。それとあとひとつ。ドッペルに生身でさわらないでください。皆さんの・・・・・。体が・・。チリになります。」


チリ・・・。こわい。

こんな危険なところで、任務。


「が・・・が・・がががっっ。」

悪性ドッペル!!いきなりか!

「円陣魔法。スノウチェーン!!」

悪性ドッペルに氷の縄が巻き付いた。

ガキィ。魂だけを残し、悪性ドッペルは消えた。うまい。これが、Sクラスの実力。


「では、行きます!!」

「「「おう」」」

かけ声とともに悪性ドッペルがあふれ出てきた。

「ムーンライト・・・。」

だだだだだっっ。いきなり3体も倒れた。華南、凄い。怖がっていたくせに。

みんなどんどん倒していく。もしかして、僕だけ倒してないかな?

倒さなきゃ。

「フライニングエンジン。」

竜巻のような風が吹き荒れる。たいした威力はないけれど、魂はこわれないだろう。

どどどどどどどどぉぉぉぉ。

5体くらいは倒れた。よし、この調子だ。


でも、悪性ドッペルに攻撃されたらどうなるんだ???

今聞きたいけど・・・。この状況じゃな~。聞く暇すらない。


「フェザーマント!!」

ざざざざざっ。


「アイズドブレイク!!」

どどどどどっ。


「ソーラーフェイント!!」

ぴかっ。       ががががが。


どんどん。雪が溶けるより早く悪性ドッペルが消えていく。


「初任務。無事、終わりました。」


「「「やった~。」」」

歓声が上がる。みんなくたくた。だけど、穂波さんには汗ひとつすらない。

Sクラスの実力。

「穂波さん。話があるんだけど。」