4-4-2というのはイングランドプレミアリーグを語る上で欠かせないものです。DF、MF、FWのスリーラインでブロックをつくり、相手の攻撃をブロックすることを基本コンセプトとして生まれました。代表として挙げられるが、CR7擁した07-08シーズンのユナイテッドです。爆発的なスピードを持つCR7と圧倒的な決定力を持つルーニーは破壊的なサッカーを生み出しました。
時代は進み、4-3-3や4-2-3-1のようなシステムが主流になるにつれ、4-4-2の重要性は失われていきます。攻撃時にどうしてもウイングハーフのセンタリングに頼りがちな4-4-2は、コンビネーションが重視される現代サッカーにおいて徐々に覇権を失いつつありました。
ここで転機が訪れるーー下剋上を成し遂げたアトレティコマドリーとらレスターです。ハイプレッシングとそこからのショートカウンター、徹底したリスク管理によって、優勝候補とされていた数多のビッグクラブを抑えて優勝を果たしました。しかしながら、この戦術はビジャやコケ、マフレズの創造性とジエゴコスタ、ヴァーディーのスピードに頼る部分が大きく、結果として”古典的な”サッカーとみなされることが少なくありませんでした。
この潮流は“先鋭的な”4-4-2を生み出しました。それが17-18シーズンを席巻する4-4-2です。バルベルデ率いるバルセロナとジダン率いるレアルマドリーです。スペイン、いやヨーロッパをリードするこの2クラブが目指したのは、“どのように守るか”を意識した4-4-2ではありません。圧倒的な個のサイド突破に依存した4-4-2ではありません。
これは、“攻守のバランス“を徹底した4-4-2なのです。両チームともにメッシとCR7という絶対的な存在がいる。この2人をもしウイングに置いたとき、そのサイドの脆弱性は自然と高くなります。(このためにラキティッチやシャビアロンソ、カゼミーロの守備の負担が大きくなっていました。)ここで、この2人を2トップの一角に置くことで守備のバランスを保ちつつ彼らをゴールに近づけることに成功しました。この場合のウイングハーフにはイニエスタやコウチーニョ、デンベレ、アセンシオ、ルーカスバスケスなどコンビネーションプレーが得意な、すなわち、周りに生かされ、周りを生かす選手、また守備にも一定の信頼を寄せられる選手が起用されることが多いのです。さらに、ジョルディアルバやマルセロのようなサイドバックのオーバーラップも盛んで決して守備的な4-4-2ではありません。
以上のような意味で4-4-2は一度失った覇権を取り戻し、ビッグクラブに導入されるに至りました。いずれペップシティもアグエロ、ジェズス、ザネの共存を図って導入する日が来るでしょう