おはようございます
手縫いで革製品を制作しているターキーズの瀧本です
今日は 『 総手縫いで制作した記念額 』について書き込み致します。
お問い合わせは
1本のお電話から
内容は 『ラグビーボールを額等に収納したいとの事でした』
額にそのまま楕円形のボールを収納するには
ブリザードフラワーを収納するような厚みがあるケースが必要。
ご連絡を頂いた方が工房から近い お住まいでしたので
相談を兼ねて詳細をお聞きすることに・・・・・
『 故人の方を偲ぶための記念額としたいとの事でした 』
実際にラグビーボールを見て・・・・
故人の方が保管していた 20年前の皮のボールでした。
色は異なりますが 茶系の皮ボールは私が高校1年生まで使用されており
2年生からはラバーボールへ変更。
20年経過しているため
表面が剥れている箇所もありました。
お話しをお聞きし
記念額の制作を引き受けました。
色々な職人さんがいるかもしれませんが
これはラグビーをしていた人でないと
贈る方々の気持ちを 『 形 』にできないかと想いました。
ちょうどお話しを頂いた時に 高校時代の先輩がお亡くなりになった
のも重なって さらに 気持ちは入りました。
まずは許可を得て ラグビーボールの縫製を解くことから
ボールの状態が状態だけに無理に力を加えず対応するため。
高校時代のラグビー部の副将(SH)友人へ相談。
学生時代 友人はチームのためボールの修理をしてくれていたので
ボールのレース部分の外し方を教えて頂きました。
『 ありがとうございます 』
レース部分画像
なるべく現状の状態をキープしたいので
リッパーなどで1目1目縫い糸を除去
解くだけでも時間が掛かります。
表面は剥れている箇所があるので
額に収納するため補修が必要。
ボールの1面を額に使用。
額選びは実際にボール持参。
色々な額はあるのですが
サイズが合うものが・・・・・
お店の方にも相談
再度 店内を歩き
合うサイズを発見!
ご連絡頂いた方が 同期の方々を代表して チームのエンブレム等
手配できるよう連絡調整し 無事エンブレムも用意。
図案を決定
革色もチームカラーを参考に対応することに
実際に革等用意し 配置等も相談
台紙となる素材は3㍉以上ある厚みでヨーロッパの牛革を使用。
ボール等しっかりと固定できるような安定感のため。
厚みはありますが 丁寧に革包丁にて裁断。
チームカラーの赤・青の皮革も用意
帯として使用し アクセントになるように
文字部分は白い皮革を使用し制作
黒い台紙革に惹き立つように
ミシンも試しましたが・・・・ 雰囲気合わず
やはり最後は手ですね。
細かい菱目で穴あけ
文字部分は革色と同色 白糸使用
チームカラー帯部分も革色と同色の縫い糸使用
剥れていた表面を補修後
分解したボールの縫い穴を使用し
台紙部分に縫い付けるため菱ギリにて穴あけ
ボール部分縫い付けはちょっと太目の縫い糸(白)を使用
エンブレムも違和感なく縫い付けるため
黒い糸にて手縫い。
エンブレムあたりの縫い付けは
黒革(台紙)・ボール・エンブレムと厚みがでるので
手縫いの仕事が大変 助けになります。
制作工程付録も準備
完成した 『 故人の方を偲ぶために制作した総手縫いの記念額です 』
20年以上大切にお持ちになったボールと所属していたラグビー部の
想い出とともに・・・・・ ご家族へ
☆関連ブログ☆
http://ameblo.jp/gaturbait-turkeys/entry-10906935361.html
制作者 瀧本 圭二
ターキーズHP