幼稚園に通っている頃
ボクは?ボクも~と、
ボクボクいっていたヨシも

小学校に入るとすぐ
オレさー、オレの?と、
オレオレ言うようになった。

とくにオレりゅー(俺流)
という言葉をどこで覚えたのか
よく使いたがった。

病気になってからは
ヨシのトイレに付き添ったけれど
トイレットペーパー
→ウォシュレット
→トイレットペーパー
と使う順番も

これがオレりゅー!

とドヤ顔で微笑んでいたな…



病院では、看護師さんに
オレのママにいっといてくれた?
と幼い声で聞いていたヨシ。

それが亡くなる少し前の時期、
同じ看護師さんに向かって

僕のお母さんに確認しておいて

と。
その静かな声を聞いた時、
たわいのないヨシの言葉に
感動がじわじわ広がっていった。

3回の手術を受け、
粒子線治療をし、
抗がん剤や
放射線治療…

いろいろあったけれど
いろいろとあったのに

オレと僕、ママとお母さん
パパとお父さんを
使い分けられるようになるまで
息子は日々成長していた。



オレのアイボー!

そう言ってヨシが愛用していた
首のコルセットは…

今でもヨシの服と帽子を着て
ピースサインをしている
10歳サイズのマネキンの首に

巻いてあります。