
幼稚園に通っている頃
ボクは?ボクも~と、
ボクボクいっていたヨシも
小学校に入るとすぐ
オレさー、オレの?と、
オレオレ言うようになった。
とくにオレりゅー(俺流)
という言葉をどこで覚えたのか
よく使いたがった。
病気になってからは
ヨシのトイレに付き添ったけれど
トイレットペーパー
→ウォシュレット
→トイレットペーパー
と使う順番も
これがオレりゅー!
とドヤ顔で微笑んでいたな…
◇
病院では、看護師さんに
オレのママにいっといてくれた?
と幼い声で聞いていたヨシ。
それが亡くなる少し前の時期、
同じ看護師さんに向かって
僕のお母さんに確認しておいて
と。
その静かな声を聞いた時、
たわいのないヨシの言葉に
感動がじわじわ広がっていった。
3回の手術を受け、
粒子線治療をし、
抗がん剤や
放射線治療…
いろいろあったけれど
いろいろとあったのに
オレと僕、ママとお母さん
パパとお父さんを
使い分けられるようになるまで
息子は日々成長していた。
◇
オレのアイボー!
そう言ってヨシが愛用していた
首のコルセットは…
今でもヨシの服と帽子を着て
ピースサインをしている
10歳サイズのマネキンの首に
巻いてあります。