平成最後の春⋯息子の命が助かる可能性は本当にないのだろうか?と懸命に探して国立癌研究センターで新薬の治験を受けさせていただくことになりました。

治験を受けるための条件で特に難しかったのが、
東京で住む所を探さなければいけない(通院必須)のと、
病気の本人が東京まで事前検査に行かなければならないこと。

なんとかドナルドハウスに入居させていただくことが決まりましたが、
救急車で京都から東京まで送ってもらうわけには行かないので、新幹線に準備されている個室ベッドを予約して東京まで往復しました。

写真は、亡き曾婆ちゃんが利用していた車椅子を借りて、毛布で道中の寒さを防げるか試しているところ。
大丈夫!と微笑んでいたヨシは、
この頃まで元気がありました。

「治療のために東京に行くので」
という前向きな理由で
京都のみんなとお別れの挨拶ができたことは
今でもよかったと思います。
(体調が急激に悪くなったせいで
再び東京には行けず、そのまま亡くなるまで⋯
面会謝絶の個室で寝たきりになってしまいました)


先日、線香をあげにきてくれたのは
その時に病院でお別れの挨拶をした
男の子とお母さん。

闘病しながらも高三になった彼は、
泣きながらヨシの大好きだった
「にゃんこ大戦争」のガチャガチャ
を供えてくれました。

今も耳に残るヨシの
「お~♪」という声が
聞こえるような気がします。

大好きなあの声をもう一度聞きたい。