
街でよく出会う
亡き息子の面影。
それは前を歩く子の
大きな耳であったり、
横顔のほっぺの
ふくらみとか。
その度に
「シンクロ率90パーセントだな!」とか、
「過去いち似てるねえ(笑)」とか。
いたずらに
セッティングしてくれたかもしれない
息子ヨシに感謝を伝えています。
◇
初めて別れを経験したのは
いつのことか⋯
小学生の頃に亡くなった
先輩のことを以前書きましたが、
死別ではないけれど、
幼稚園の時に引越していった
友達のことを
今でもはっきり覚えています。遠くにいってしまう
⋯それがどういうことなのか
ちっとも理解できなくて、
最後まで別れの挨拶もせず、
ただただ冗談をいいあって
笑いあっていた。
(そして二度と会うことは
ありませんでした)
いなくなってしまった後も
何度も何度も通った友達の家。
ガチャリとドアがあく。
そして見知らぬ人が
出てきたときの⋯。
◇
ヨシが亡くなって
しばらく経ったある日のこと、
夜、玄関のドアをあけると
道の向こう側の
ランドセルを背負った子供
と目があいました。
こんな夜に⋯
少しヨシの面影もあったので
もしかしたら幻覚なのかと
最初は思いましたが、
期待に満ちた驚きと
すぐに続く、がっかり顔。
大切な人が遠くにいってしまう
ということは、
そこにいた場所にもういない
ということ。
喪失感を初めて知った
いつかのあの友達の家を
思い出しました。