街でよく出会う
亡き息子の面影。

それは前を歩く子の
大きな耳であったり、

横顔のほっぺの
ふくらみとか。

その度に
「シンクロ率90パーセントだな!」とか、
「過去いち似てるねえ(笑)」とか。

いたずらに
セッティングしてくれたかもしれない
息子ヨシに感謝を伝えています。



初めて別れを経験したのは
いつのことか⋯

小学生の頃に亡くなった
先輩のことを以前書きましたが、

死別ではないけれど、

幼稚園の時に引越していった

友達のことを

今でもはっきり覚えています。

遠くにいってしまう


⋯それがどういうことなのか
ちっとも理解できなくて、
最後まで別れの挨拶もせず、

ただただ冗談をいいあって
笑いあっていた。
(そして二度と会うことは
ありませんでした)

いなくなってしまった後も
何度も何度も通った友達の家。

ガチャリとドアがあく。
そして見知らぬ人が
出てきたときの⋯。



ヨシが亡くなって
しばらく経ったある日のこと、

夜、玄関のドアをあけると
道の向こう側の
ランドセルを背負った子供
と目があいました。

こんな夜に⋯
少しヨシの面影もあったので
もしかしたら幻覚なのかと
最初は思いましたが、

期待に満ちた驚きと
すぐに続く、がっかり顔。

大切な人が遠くにいってしまう
ということは、

そこにいた場所にもういない
ということ。

喪失感を初めて知った
いつかのあの友達の家を
思い出しました。