アベプラ、イジメを警察に相談するかという動画を観て | ガステ美智子の愛がミチル話

AMEBA Prime アベプラの 【イジメ】警察にも相談するべき?なぜ学校は腰が重い?被害者だけが転校や引っ越しを?加害生徒のケアは? という動画を、拝見しました。

 

 


 

これは、居ても立ってもいられず。。。

現在フランスで7人子育て中の私の意見を、ここで述べます。

 

お子さんが叩かれ鼻血が出て、警察に相談したという今回のお話。

学校とは? 警察とは? が問われる問題。

私はこの動画を観ながら、フランスなら、我が子たちが通う学校ならどうなるだろうと考えました。

 

フランスでは、親が子どもを校門まで送っていきます。

校門には先生たちが立っていて、挨拶をしてくれます。

保護者同士も、そして親と先生も、気軽に毎日会話ができます。

週末に子どもが何をしたとか、子どもがこんなこと言って面白かったとか、最近こんなことを始めたとか。

先生は、我が子のことを知り、思ってくれる存在。

学校での様子は先生が報告してくれ、家での様子は親が報告する。

お互いに興味津々で聞き合い、「あの子らしいねー」「良かったねー」と、笑い合う。

 

また毎朝、毎夕、保護者の顔も生徒たちの顔も見るので、どの親も我が子のクラスメイトの顔と名前は把握しています。

挨拶を交わしますし、会話もします。

毎日学校へ迎えに行った際には、子どもから今日の学校での様子を聞き、その中でも、誰と何をして遊んだかという話は一番に出てきますから、クラスのどの子もかわいい存在。

保護者たちとの会話もまた先生と同じように、子どもについて、一緒に笑い合い喜びます。

 

では、もしも子ども達の間でトラブルがあったなら。。。

ふだんから、立ち話をし合う仲です。すぐに、話ができます。

親が我が子を良い子に育てたい、我が子に良い環境を与えてやりたい、幸せでいてほしいと思うのと同じように、ふだんから先生も、思ってくれています。

やり方、ルールなどがあるわけではなくただとにかく、先生はその子を救いたくて、ひとりの人間として動きます。

 

そして先生は、加害者側である生徒の保護者にも、すぐに話をします。

こちらも、ふだんから立ち話をする仲ですからね。

親は、先生がその子のことを思ってくれていることは、日々築き上げた信頼からわかっています。

だからこそ、先生がこの子に大切なことを教えようと必死に向き合ってくれたことに感謝します。

そして親も、先生と相談して決めた方針に沿って、子どもと話し合います。

 

この環境から得られるもっとも大切なことは、

子ども達本人が、自分はいつも周りの大人たちから思われている

ということを、日々感じているということではないでしょうか。

それを感じながら育つのと、それなしに育つのでは、人間性に大きな違いが出るでしょう。

 

動画内で言われていた、警察の対応。

警察は、まずは真実を追求することが仕事です。

何が本当で、何が嘘か。誰にどのような罰を与えるべきかを決定するため、聞き取り調査をひたすら続ける。

真実を明らかにすることが、ゴールになる仕組み。

それがゴールなら、必要なものはただ一つ。学校の隅々に監視カメラを設置することですね。

 

だけど監視カメラでは、子どもは育てられません。

ゴールは、真実を明らかにすることではありません。

トラブルの中にいる子ども達が、大人を信頼できることです。

 

学校内で起こったトラブルを、警察に通報する。

子ども達の隣には、先生はいないのでしょうか。

 

もちろん、命に関わるような暴力・いじめがある場合には、事件として早急に警察に通報してください。それは、大きな犯罪です。命を守ってください。

 

その上で、私がこの動画を見ていて思ったこと。

学校では、子ども達が大人を信頼できる環境を作ってほしい。

親以外にも、自分のことを思ってくれる存在がたくさんいるんだと学んでほしい。

いつも自分たちは、思われているんだ、愛されているんだということを知っていてほしい。

 

学校は公的な場所ですから、ルールに沿った行動をすることになるでしょう。

しかし、ルールを超えた「愛情」を表現できるのは、先生がロボットではなく人間だから。

そしてそれがどんな勉強よりも、学校で学ぶべき一番大切なことです。

 

いじめが起こるということ。

いじめが起こった時に、学校を飛び越えて警察に通報するということ。

警察は、事実確認を冷静にし続けること。

 

ここに欠けていること。

それは、人と人の交流です。

 

いじめが起こる前に

いじめが起こった時に

親と子 先生と生徒 親と先生 親と親

もっと交流があったなら

全ては違うと思うのです。

 

システムをいかに使いこなすか ルールをどれだけ守るか

それ以上の解決策は、日頃からの会話にあります。

 

日本とフランス。

学校の仕組みも、もともとの文化も違います。

しかし、どの人も温かいのは同じ。

私は心から、今苦しんでいる子ども達、その親たちが救われる環境ができることを願います。