昨日紹介した「漫画編集者」の中のひとりの言葉で、もの凄く納得した言葉があったので、自分のためにも、それを書いておこうと思う。
「ストーリー面で見たとき、漫画とは、どういう特徴を持つべきメディアなのか? ぼくはよく、野球における『九回裏二死満塁三点差代打満塁ホームラン』という状況を描くもの、という言い方をします」
まさに、これです。
講義でなぜ、この言葉を思いつかなかったのだろう。
昨日は卒業式だった。
わたしは、卒業パーティだけの出席だったのだが、その席で、卒業生に、
「卒業制作展から、おおよそひと月ほどあったので、先生が推奨していた300ページネームをやってみました」
と話しかけられた。
「物語の展開の細かい部分はキャラクターが創る、と先生がいっていたことをを実感しましたね。やるまでは、物語は作者が創る、と信じ込んでいましたから」
そのあと、プロの漫画家の60ページくらいの短編の粗筋を書き出し、自分の創った主人公をその粗筋に当てはめて動かそうとしたけど、プロが描いた漫画通りには動いてくれなかったのだそうだ。
「最終目標は叶えられたんですけど、途中がすべて違って。これもキャラクターの力なんだなあ、といい経験になりました。生意気ですけど、連載ができそうです。ありがとうございました」
といって頭をさげられた。
ちょっと面はゆかったが、生徒自身が、何らかの発見してくれればそれに超したことはない。
みんな頑張ってほしい。
とはいえ、漫画二固執する必要はない。ほかに生きる道が見つかれば、それはそれでかまわない。