九月二十二日
日曜日
(๑́⌯ꇴ⌯)ノおはようデス
24日火曜日から師走30日まで
98連勤スタート
源氏物語はやっと二十六帖
まだまだ先やなあ



源氏物語<第二十六帖>

常夏とこなつの巻
嘲笑(ちょうしょう)の姫君
(あざわらわれる姫君)

現代で言う素朴で
臆することを知らない娘
現代っ子

落胤(らくいん)の娘・近江の姫君
引き取った内大臣の苦悩

光源氏玉鬘への執心を深めて行く

双六に熱中し声をあげる姫君

内大臣(頭中将)は
引き取った近江の君が
世間のもの笑いの種と
なっている事に頭を悩ませ
娘の弘徽殿女御に出仕させようと
考えていました。
そうした折り
内大臣が近江の君の部屋を覗くと
若い女房と双六を打っている最中
夢中になって
品もなく声をあげている
その姿に内大臣は失望するのでした

<源氏物語オープニング曲>


夏の六条院の釣殿
(寝殿造りで池に接して作られた部分)
での夕涼み

源氏夕霧や若い公達に、
内大臣が引き取った「近江の君」の奇行
などを話題にしますが、
夕霧雲居雁の仲を裂いている
内大臣に対するあてこすりの
意図がありました。

源氏玉鬘の処遇を
内大臣雲居雁の処遇を
それぞれ心を痛めています
それに近江の君の奇行が絡みます

釣殿で涼をとり、内大臣の娘談義

光源氏頭中将の子どもたちが、
青春時代を迎えている様子が描かれる
源氏頭中将は若き頃、好敵手と
噂されていた


撫子のいつまでも心ひかれる
花の色を見たならば
人はその花の咲いていたもとの
垣根を尋ねることでしょうか
(いつまでも心ひかれるあなたの美しい
姿を父君がご覧になったら、亡き母君を
お尋ねになるましょうか)

賎しい山賎の垣根に育った撫子の
元の根を尋ねましょうか
誰も尋ねはいたしません
(賎のしい生まれの私ですもの
誰が母のことまで尋ねて下さるでしょうか)



家の恥ともなりかねない近江の君
内大臣が邸に迎え入れてしまった
背景には、光源氏との立后争い
敗れたことがありました

内大臣家からの中宮冊立
故・父太政大臣の時代からの悲願
しかし長女の弘徽殿の女御は冷泉帝
中宮にあと一歩及ばず

雲居雁についても夕霧と恋仲に
なってしまったことで、東宮への
入内が断念されたそこで
内大臣夕顔との間に生まれた娘を
捜しはじめるのです

そんな折、自ら名乗り出て来たのが
近江の君でした

✤冊立
勅命により皇太子や皇后を定めること。
✤近江の君
早口で品がなく、作法や教養も無い
しかし、その容貌は内大臣に酷似していた。
その振る舞いは、逆に素朴で素直。
体裁を気にすることなく庶民的。
世間体を気にする父・内大臣とは対称的。


うたた寝をする近江の姫君
それを諌める内大臣



六条院の釣り殿。源氏と夕霧の
夕涼みに若い公達も加わり、川魚などを
調理させ酒宴を開いている絵



✤草が浅い田舎の常陸の海岸の
河内のいかが崎ではありませんが
どうにかして、姉君のあなた様に
早くお会いしたく思う田子の浦の
私でございます✤


✤常陸にある駿河の海の須磨の浦に
浪は立ち寄せてお出かけください
箱崎の松ではないけれど
お待ちしておりますよ✤

✤常陸ーなる
「なる」は存在の連体形
✤波
ここでは、近江の君の喩。
✤箱崎
今の福岡市の松原






近江の君は「源氏物語」における
脇役の一人として有名な女性

源氏のライバル頭中将は
六条院の玉鬘の評判を聞くにつけ
自分の家にも注目されるような
若い娘が欲しいと思い
異腹の娘である近江の君という
姫を探し出して住まわせる

ところが、その育ちの悪さには
ほとほと閉口し、姫君としての
教育を義理の姉に当たる弘徽殿の女御
に依頼しようと考える

近江の君は早くこの姉に会いたいと
思い、歌を贈り届けたのですが
歌はなんともめちゃくちゃな歌
でありました

玉鬘十帖の外伝の五

頭中将(内大臣)は
情にほだされると
損な役も引き受けて
しまうタイプ

光源氏は実利を
もぎとるタイプ

さて、この巻はこれにて
次回、篝火かがりび

篝火に立ち添う煙のように
絶えぬ想い
          さてさて・・・

<源氏物語エンディング曲>