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男が小さくため息をついて洋次郎を見ている。すらりとした長身は、洋次郎と差して変わらないが細いなりに筋肉質なのは着ているジャケットからも分かるくらいだった。ひょろりとした自分と比べてしまうとまた変に凹みそうになるから目を少しだけ逸らした。
二人の間に暫しの沈黙が流れ、
「全く、あの人は無自覚でこうするから…手に負えない」
独り言のように口にしてもう一度洋次郎を見据えた。洋次郎も一瞬怯みそうになるのを堪えて、同じように男を見た。
「今日、二人でお茶をするそうですね」
「はい」
「何時に終わりますか」
そんな質問が来ると思っていなくて言葉に詰まった。何時に?考えてもいなかった。店自体が朝方に閉まるせいか、昼夜逆転の生活をしているせいか、時間の感覚が少しずれてしまっていた。
「遅くならないうちには」
真夜中に珈琲を飲むのに遅くならないうちって一体何時を差すのだろうか…。自分でも軽くツッコミを入れたくなる。
男の眉間がキュッと険しくなった。確かにこんな曖昧な返事に下心がないのかと心配になるのは致し方無い。
「あの人に、…いや、帰す時は、ちゃんと送って下さい」
それじゃ、と扉を出ていった。
さっきは、近づくなと言い。今日一緒にお茶をすることは否定しない。
(一体、何がしたいんだ)
男の行動がよく判らず、また首を傾げそうになったところをジェミーがすうっと腕を絡ませてきた。
「二人揃って、アオハルなのね。可愛い」
「そんなんじゃないです」
アオハルだなんて、そんな年でもない。十分ドロドロなモノも見てきたし味わった事だってある。それは、きっとあの男も同じだろう。青臭く好きだと言えたのがいつだったかも思い出せない。
それなのに二人が並んで立っていた光景は、繰り返しフィードバックしてきたしその度に少し胸が軋んだ。
唇を噛み締めているとジェミーがまたふふっと笑い、
「彼に嫉妬してるの?」
嫉妬。その言葉に惚けていた頭に一気に血が駆け上がる。
「いえ、そんな」
そこまで言って自分の声が震えているのに気づいた。
「緊張していたのね♪可愛い」
頭を撫でられる手を退ける事も忘れてただ、男が出て行った扉を見つめていた。
二人の間に暫しの沈黙が流れ、
「全く、あの人は無自覚でこうするから…手に負えない」
独り言のように口にしてもう一度洋次郎を見据えた。洋次郎も一瞬怯みそうになるのを堪えて、同じように男を見た。
「今日、二人でお茶をするそうですね」
「はい」
「何時に終わりますか」
そんな質問が来ると思っていなくて言葉に詰まった。何時に?考えてもいなかった。店自体が朝方に閉まるせいか、昼夜逆転の生活をしているせいか、時間の感覚が少しずれてしまっていた。
「遅くならないうちには」
真夜中に珈琲を飲むのに遅くならないうちって一体何時を差すのだろうか…。自分でも軽くツッコミを入れたくなる。
男の眉間がキュッと険しくなった。確かにこんな曖昧な返事に下心がないのかと心配になるのは致し方無い。
「あの人に、…いや、帰す時は、ちゃんと送って下さい」
それじゃ、と扉を出ていった。
さっきは、近づくなと言い。今日一緒にお茶をすることは否定しない。
(一体、何がしたいんだ)
男の行動がよく判らず、また首を傾げそうになったところをジェミーがすうっと腕を絡ませてきた。
「二人揃って、アオハルなのね。可愛い」
「そんなんじゃないです」
アオハルだなんて、そんな年でもない。十分ドロドロなモノも見てきたし味わった事だってある。それは、きっとあの男も同じだろう。青臭く好きだと言えたのがいつだったかも思い出せない。
それなのに二人が並んで立っていた光景は、繰り返しフィードバックしてきたしその度に少し胸が軋んだ。
唇を噛み締めているとジェミーがまたふふっと笑い、
「彼に嫉妬してるの?」
嫉妬。その言葉に惚けていた頭に一気に血が駆け上がる。
「いえ、そんな」
そこまで言って自分の声が震えているのに気づいた。
「緊張していたのね♪可愛い」
頭を撫でられる手を退ける事も忘れてただ、男が出て行った扉を見つめていた。



