●◆バレンタインデーの話(4)◆●
日本のバレンタインデーの起源と紆余曲折

日本でのバレンタインデーとチョコレートとの歴史の起源について
は、以下のようなものがあるが、判然としていない。
神戸モロゾフ製菓(現在のモロゾフ)説 東京で発行されていた英字新聞『ザ・ジャパン・アドバタイザー』
1936年2月12日付けに同社が広告を掲載したことを重視する
ものである。「あなたのバレンタイン(=愛しい方)にチョコレー
トを贈りましょう」というコピーの広告であった。確認されている
最も古い“バレンタインデーにはチョコを”の広告である。 メリーチョコレートカムパニー & 伊勢丹説 同社が1958年2月に伊勢丹新宿本店で「バレンタインセール」
というキャンペーンを行ったことを重視する説である。 森永製菓説、伊勢丹説 1960年より森永製菓が「愛する人にチョコレートを贈りましょ
う」と新聞広告を出し、さらに伊勢丹...が1965年にバレンタインデーのフェアを開催し、これがバレン
タインデー普及の契機となったとする説がある。 しかし、「バレンタインデー」の文字がある広告が、1956年の
西武百貨店や松屋の新聞広告や、1959年の松坂屋の新聞広告に
も掲載されており、デパート業界では伊勢丹が最初というわけでは
ない。 ソニープラザ説 ソニー創業者の盛田昭夫は、1968年に自社の関連輸入雑貨専門
店ソニープラザがチョコレートを贈ることを流行させようと試みた
ことをもって「日本のバレンタインデーはうちが作った」としてい
る。
ただいずれにしても、すぐに大きな反響があったわけではなく、商
品もあまり売れなかったようである。各種の説があるが、バレンタ
インデーが日本社会に普及したあとに、自社宣伝のために主張され
たために誇張も含まれると思われる。

総じて昭和30年代には、「バレンタインデーの贈答品はチョコレ
ート」とする意識はまだなかった。当時のバレンタインデーの新聞
広告によると、購入を勧める贈答品にチョコレートは登場しなかっ
た。森永製菓の広告ですら、チョコレートは贈答品のおまけとして
位置付けられていた。バレンタインデーの起源の一つとされる19
60年の森永製菓の新聞広告には、「チョコレートを贈る日」では
なく、「チョコレートを添えて(手紙などを)贈る日」として書か
れていた。バレンタインデーに贈答品を贈るのは誰かという点でも
女性に限定されていなかった。ただ「愛の日」という点は強調され
ていた。