【ネタバレ警報】
以降はネタバレ全開なので,ご遠慮したい方はここでバイバイ。
いきます。
【レビュー】
(前提)
日本だけに何故か出現する巨大不明生物群,「禍威獣」(かいじゅう)。自衛隊と協力して苦労の末駆除に成功した政府は,防災庁の下に禍威獣特別対策室専従班専従班,通称「禍特対」(かとくたい)を設立。出現禍威獣の対応に当たっている。
なお,非公開ではあるが地球外の知的生命体が秘密裏に地球を訪れ,政府と内密の交渉をしているらしい。ちなみに知的生命体は「宇宙人」ではなく「外星人」(がいせいじん)と呼称する。(前提終わり)
・登場禍威獣…透明怪獣ネロンガ・地底怪獣ガボラ
・登場外星人…ザラブ星人・メフィラス星人・ゾーフィ
・恒星系破壊兵器…ゼットン
「シンエヴァ」以来の庵野作品が,コロナで1年遅れの公開となった。「シン・ゴジラ」以来の庵野+樋口コンビなので「原作を台無し」にする邦画の悪癖は避けられると確信していたが,やはりその通りだった。エピソード0として「ウルトラQ」の出現怪獣群を出すなどオッサン世代に配慮したオープニングで期待をマックスにし,続いてネロンガが登場するが,いきなりウルトラマンが飛来しスペシウム光線一発で殲滅,という流れでストーリーに引きずり込む手腕はさすが手慣れている。
原作の「科学特捜隊」にあたる「禍特対」は現場で銃を撃たずに作戦司令部でノートPCを広げ分析と指示を担う現代的な官僚集団。班長の西島さんは冷静なリーダーが似合うし,分析係の二人もまあまあ。そこに今作品のヒロイン長澤まさみさんが登場し,神永(またしてもシンジ君w。)のバディになる
以降はストーリーを追ってもらえればいいが,長澤さんを巨大化させたのはどうとか体臭をチェックされるのはどうとか文句を言う人が多い(=という理由でこの映画はアカンと言いたい人)が,
何をとぼけたことを言っているのだ。ヒロインが受難するのはドラマのあるあるではないか!富野キャラのように主人公周辺関係者皆殺しにならないのは僥倖である。
ここは某小公女のように「よかった探し」をしたい。まずは主人公の斎藤工氏。人間と外星人の間に立ち苦悩する主人公の役を,抑えた演技で好演。
それに何といっても今作のMVPは,メフィラス星人役の山本耕史氏。胡散臭さ満点の外星人役を神好演。
「(格言)。私の好きな言葉です。」
は完全にツボにはまり,氏が言うたびにニヤニヤする始末。冷静に考えれば地球人に対しエグいことを要求しているのだが,ウルトラマンとのタイマン中にヤバいモノを見かけて戦闘中止とフレキシブルな対応は気に入った。再登場を切望。
その他,「シン・ゴジラ」で見かけた政府の男(竹之内豊)やネーミングセンス0の防災大臣等,庵野節を楽しめる脚本は高評価。テンポが速くてついてけないとか難しくて分からんという人が低評価に傾いているようだが,エヴァの時でも「エヴァ語」の勉強は欠かさなかったではないか。「SFリテラシー」の涵養に努めたいものである。
評価:★★★★
公開1週間で「シン・ゴジラ」の興収・動員ペースを超えたそうだ。見に行く価値はあると思う。
