装着して、ワークスレーサーのRSWルックになって、とても気に入っているカーボンスイングアームカバーなのですが、あまりにも、造形が忠実なため、マフラーステーに一部僅かに干渉してカバーに小さな擦り傷が付いていました。

 アルミでステーを作ってもらおうかと思って、いろいろデザインをネットで検索しているうちに、気になるページを見つけました。

 ドライカーボンでいろんなものを自作しているページでした。

カーボンには2種類あって、よく市販のフェンダーなどに使われるFRPの手法で、カーボンを透明な樹脂で積層するウエットカーボンと言われるものと、カーボンプリプレグシートという特殊な樹脂を予め染み込ましてあるカーボンのシートを型に張り込み、減圧してオーブンで焼き固めるドライカーボンという手法です。

 ウエットカーボンも、すごく昔にRGV250Γに乗っていた時に、リアフェンダーをオリジナルを型にして、製作した事があったのですが、マフラーステーのような強度が必要で、薄くて丈夫に作るのが難しそうだなと製作手法の候補には入れていませんでした。

 ただ、ドライカーボンが自作できるのであれば、強度の面でも、ある程度いけるのでは?と考え、自作に挑戦する事にしました。

 まず、型ですが、簡単な平面なので、アルミの板を使用する事にしました。

本来なら、型に張り込んだ後、専用の耐熱の袋に入れて、中の空気を抜き、その状態で、オーブンで焼くのですが、(これをしないと、積層したシート間の空気が熱で膨張し、剥離を起こして強度が著しく落ちてしまう)今回は、アルミの型で上下に挟み込み、クランプする事により、圧をかける事にしました。

 

ちなみに、届いたシートの取り扱い可能時間はこの時期でしたら、7日以内とありましたので、型を作成してから発注しました。(1m×1mで12,000円くらいしました)

シールのように、台紙に樹脂が染み込ませたシートが載って、その上に保護の薄いビニールが貼られていた状態で送付されてきました。

段ボールの方から、台紙にトレースしてカットしていきます。

 意外にも、普通の工作バサミで簡単にカット出来ます。(もっと切り難いと思っていました。)

 

いよいよ張り込んでいきますが、思ったほどベタベタするものでは無く、でも、しっかり、抑えていくだけで、積層出来ます。今回はマージンを考え、7プライとしました。(4〜5が多いようです)

 

抑えのアルミ板を重ねて、クランプします。

 その後、家庭用の普通のオーブンで、130℃で90分熱を加えました。

焼き終わり、冷めてから、アルミ板を外して、オリジナルのステーを重ねて、カットするラインをおおまかに、決めていきます。

カットには、グラインダーを使用しますが、専用の砥石があるので、そちらを購入しておきました。(800円位とリーズナブルです)

 

大まかにカットできました。

穴を開けてから、表面保護のため、ウレタンクリアーを塗りました。

(ドライカーボンは、艶がなく、白化しやすいので、、)

取り付けました。オリジナルステートの干渉箇所はステー前側だったので、そこを大きく避けるデザインにしました。少し大袈裟に避け過ぎた感はありますが、初めてなのでこんな物でしょう。

 

全体で見てもそんなに違和感無いかな?前のステーはタンデムステップを外した穴があったりと、気にいらない点もあったので、そこも解消できました。

 何より、本当に上手く行くか分からなかったので、ほっとしました。

何にせよ、新しい事をやってみるのって、ドキドキしますし、楽しいですね。

 今度は、シートカウルをウエットカーボンで製作したいなと、より妄想を膨らませたのでした。