私には

ちょっとした有名人の親戚がいる。

私が雲の上と思っている大学をでて

テレビにもでて、ラジオももっていて。


目立ちたがり屋の私にとって

きらびやかな仕事で、華やかな経歴で

冗談もうまいし、知的で頭もよくきれる

カリスマ的存在の親戚。


そのカリスマさんが。

予後の悪い末期がんだとわかった。



へんなはなし

私の究極の理想の死に方は

追悼番組が組まれるくらいに惜しまれる死に方。


でも

カリスマさんが

死が明らかに近いことで、テレビやネットでニュースになって。


私のところにも

知り合いから「親戚さんのこと、ニュースみたよ大丈夫?」

なんて連絡がきて。


…私は自分が死んだ時

全力で追悼されるくらいを望んでいるのに


自分の身近な人が

死が近いことがニュースになるって

嬉しくないなって…。


ヤフコメの人たちが

「がんばれ」「きっと大丈夫だ」

ってあたたかいコメントいっぱいしてくれていて

それは、ありがたいし


なかには、きらびやかな経歴を持つカリスマさんでさえ、近づく命の終わりになすすべがないことで

自分の命を、気持ちを大切にしようと思った…という感想があったりして


それはそれで、カリスマさんが波及させた、素晴らしい影響だなとは思うけども。


私はただ

カリスマさんに、もっとながく

元気でいてほしいって

ただただ、思った。




今回の件、ネットニュースに本人のコメントがあって

なんか、思ったよりも明るくカラッとがんと向き合っていけそうな、コメントで。


さすがカリスマだなって思って。



そんでもって


ホントにたまたま

会う約束をしていたものだから

昨日ね、会ってきたの。




したらね




これは…………。


マジで具合悪いやつだって

顔見ただけでわかった。



こんなに具合悪くて

どうしてあんなにカラッとしたコメントだせるんだろう。


「抗がん剤、副作用全然ないって人もいるし、やってみなきゃわからん♪」


くらいの、メディアのテンションと



あったときに淡々と聞いた


「抗がん剤きかなかったら、あと1ヶ月」


という言葉。

(言葉とは裏腹に言い方はカラッとしてた)



明らかな体調不良なのに

わざわざ来てくれたのは





「もう、会えないかもしれないから」




だって。


抗がん剤きくきかないにしろ

来年の花見は厳しいかもって。



カリスマの奥さんは

「まさかの展開」

「会いに来てくれてありがとう」

「それよりコミュちゃん、お母さんのこと大丈夫?」


※私が母と絶縁していることをカリスマさんの奥さんも知っています


と、なんというか

ほんとうにいつもどおりの延長の会話。


すごいわ、このカリスマ夫婦は……。



カリスマさん。


私の結婚式で

会場が湧くほど面白いスピーチ

してくれたな。



私が小学生の頃

クイズ番組で

100万?200万?賞金とった次のお正月


お年玉袋に、2万入ってて

めんたま飛び出たな。



ここ数年

うちの子らを連れて行くと

完全にタレントモードで、接してくれていたカリスマさん。


それがありがたくもあり、

いち、親戚の者として、ちょっとさみしくもあり。



なんか、多分。

本当にもう会えないんだろうね。




普段から手を握らない人には

いざとなったら、余命がわずかとなっても、握れないもんだね。


ありがとうって伝えちゃったら

カリスマさんの命を諦めている気がするから

伝えられないもんだね。


歯がゆい、もどかしい。

私にできることはなんもないのかな。