ウヴス・ヌール


世界遺産の中からアジアの世界遺産『ウヴス・ヌール盆地』をご紹介します。アジアには、多種多様の民族、宗教、文化を反映した優れた文化遺産や自然遺産がたくさん存在しています。
『世界遺産めぐり アジア編』では、アジアの世界遺産を完全収録しています。モンゴル、ロシアにご旅行の際は、『ウヴス・ヌール盆地』にもぜひご計画されてはいかがでしょうか。

ウヴス・ヌール盆地は、モンゴルとロシア両国にまたがる、およそ100万ヘクタール以上にもおよぶ広大な盆地です。

割合としてはモンゴルが7割、ロシアが3割となっています。

特徴としては、世界で最も北に位置する砂漠と、世界で最も南に位置するツンドラがともにあるほか、氷河を含む高山地帯、ステップ、タイガといった自然環境を含んでいることで、中央アジアにおける生態系が一堂に会しています。


自然条件は過酷で、気温は夏は47度、冬は-58度と極端なことから、人口密度は高くありません。

その中には、絶滅危惧種でもある、ユキヒョウ、ユーラシアヘラサギ、アイベックス、インドガン、オジロワシ、オオハクチョウなどがいます。

生息する植物も、ヒゲハリスゲ、ケカンバ、イソツツジなど環境の多様さを受けて、多種多様です。12の生態系保護区の大半を占める砂漠性ステップには、マダライタチなどの稀少動物が、山岳地域にはユキヒョウなどの絶滅危惧種が見られます。
湖はシベリアから南下してくる渡り鳥たちの重要な棲息地でもあります。

ウヴス・ヌール盆地では、1993年にロシアが8つの自然保護区 を設定した。2003年にはモンゴルがテス川 周辺をはじめとする4つの保護区を設定した。これら12の保護区が2003年にユネスコ 世界遺産 に登録された。

中央アジアの自然がほとんど手付かずで残っていることが評価された。同時に、4万点に及ぶスキタイ テュルク の遺跡が発見されていることも評価はされたが、あくまでも自然遺産 としての登録であり、複合遺産 ではない。

ウヴス・ヌール湖を中心とする広大な盆地には、東ユーラシアの主要な生物群が棲息しています。