しらさぎ5号は名古屋駅の4番ホームから出発した。
ガタンゴトン… ガタンゴトン…
昨夜の記憶をたどりながら、視界がぼわ~っとぼやけていく。
車窓に彼岸花の真っ赤な曲線が、うねうねと幾たびも通り過ぎていく…
「嗚呼、僕はこんなところまで転がって来てしまったな…」
岩太郎はこの胸にうねうねと打ち寄せるこの波の正体が、薄膜の向こうで鮮やかに群れ咲く彼岸花であったような気がした。
●問1
「嗚呼、僕はこんなところまで転がってきてしまったな…」とあるが、この主人公の言葉に込められた作者の心情に最も近いものを選んで答えなさい。
①しらさぎ5号という電車に乗れて楽しいという気持ち。
②昨夜飲み過ぎた事への後悔の気持ち。
③彼岸花の曲線の美しさと自分の気持ちが重なってせつない気持ち。
④眠りたいのになかなか寝付けないので仕方なくブログの更新でもしようかな…という、特に何てことない気持ち。
正解
④
岩太郎は名古屋駅で買った味噌カツ弁当を食べて、いたってご機嫌である。