現在は、一般的に、マンガ雑誌などで、水着のアイドルたちが乗っている写真ページが「グラビア」と呼ばれています。しかしこの言葉、もともとは、ちょっと違う意味で使われていた言葉なのです。
実はグラビアとは、もともと「グラビア印刷」と呼ばれる印刷の手法を指す言葉。グラビア印刷は、凹版印刷の一種で、版に凹点(へこみ)を作り、そこにインキを流し込んで印刷する手法です。凹点内に流し込むインキの量を調節することにより、微細な濃淡まで表現できるので、写真画像の印刷に適しています。
日本で、『平凡パンチ』、『週刊プレイボーイ』、『GORO』といった、女性タレントの写真ページを扱う雑誌が続々と出版され始めたのは、1960~70年代。そのころには、写真ページと言えばグラビア印刷での印刷が主流だったことから、グラビア印刷で印刷された写真ページについても、たとえば「巻頭グラビア」、「グラビアページ」などと呼ばれるようになりました。そして、こうしたグラビアページをメインに活躍する人気女性タレントも「グラビアアイドル」と呼ばれるようになったわけです。