みなさん、こんにちは!冬眠している熊がレム睡眠になったとき春の訪れを感じる、ログハウスです。

 2007年に旗揚げしたガンジーismも10年という年月をむかえ、10年一区切りということで、今回で引退試合を迎えることになりました。

 10年の間に、仲の良い友達は結婚して子供ができたり、一方で離婚して子供と離れたり。
 自分の好きなプロレスが人気を復活させ、再び泣けるほどの凄まじい試合を見ることができたり、色んなことがありました。

 自分自身は現状維持を貫き、そんなに大きな変化はなかったのですが、先日、鼻の穴から神経が飛び出していて、うわっマジかよ終わったわ~と、がく然としていたら… 白くなった鼻毛で、それはそれでがく然として、若干の老いを感じた10年であります。

 笑いを発信する場所としてブログという会場をかりてネタを届けてまいりました。
 大勢の人前だと萎縮してしまう自分にとって、ガンジーismは、自分が人を笑わせる側でいることのできる大切は居場所でした。

 監督さん、板垣さん、おしょうさん、 未来(みらくる)どて子さん、パラマウントさん、いつも温かい感想を聞かせていただいたり、コメントを書いてくださりありがとうございました。
 そして一度でも、チラ見でも、例え見てみぬふりでも、一瞬でもガンジーismに立ち寄ってくれたみなさんに感謝の気持ちを伝えたいと想っています。
 その想いは、とても「ありがとう」という言葉では伝えきれないので、「ありがとう」を超える感謝の言葉を開発し、広辞苑に申請して、載せてもらうことができたら、改めて伝えたいと想っています。

 なんやかんやで、これからもボケを発信する場所は作っていきたいと思いますので、次の舞台がTwitterなのか、Facebookなのか、謎のユーチューバ―になるのか(笑)、まだ決まっていませんが、決定次第お知らせしたいと思います。


 さてさて、最終回にどんなことを書こうかなと思いましたが、ブログの話をすると、よくなんでタイトルが「ガンジーism」なの?と聞かれることがありました。

 正直ガンジーが何をした人なのかいまいちわかっていなかったんですが、昔からガンジー、ガンジー言う子供で、好きな偉人の一人でした。

 というのも、

 小学生の時、朝の10分間読書という時間があって、自分は国語辞典を読んでいたんですけど、途中まったく面白くないことに気づき、教室の本棚にあった偉人伝を読んでみました。
 エジソンやライト兄弟といった偉人たちの、まだ誰もやっていないことをやっている姿が幼な心に響きまくって、それから毎日のように伝記を読むようになりました。

 結果、みんなが修学旅行の思い出やがんばった運動会のことを書いている小学校の卒業文集に、「ケネディ暗殺の秘密」とか書いているバカすぎる人間に育ちました。

 もちろんガンジーの伝記も読んで、インド独立や非暴力とか難しかったけれど、こどもの頃から「ガンジー」という言いやすすぎる響きとネーミングがずっと心に残っていて、1番好きな偉人になったのだと思います。


 日常生活で好きな偉人は誰?なんて聞かれることもなく、心にガンジー好きを秘めたまま、高校生になり世界史の授業が始まりました。

 そこでなんと!なんと!授業にガンジーが出てきたのです。
 これはしっかり勉強せねばと隠れて読んでいた週刊プロレスを机にしまい、気合を入れ直し、教科書を読んでみると違和感を覚えました。

 教科書の表記が「ガンジー」ではなく、「ガンディー」になっているのです。

 授業内容からして、ガンディーは自分の知っているガンジーで間違いないようなのですが、世界史を教える教師もガンディーと発音しているし、黒板にもガンディーと書いています。

 でも自分にとってガンディーは、ガンジーなのです。
 どんなにガンディーと教わろうと、ここは譲れない。たとえ老人に席を譲ってもここだけは譲れない!
 自分は黒板に書かれているガンディーの文字を、ノートにはしっかりガンジーと書き直し、己の中にあるこだわりをまっとうしていきました。

 そしてむかえた世界史の期末テスト。
 あまり勉強してこなかった自分は、ない知恵を振り絞って解答用紙に向かっていました。

 すると、問題の中に明らかに答えが( ガンジー )になる問題があったのです。

 よしっ!真っ先にガンジーと書こうとした時… えんぴつを持つ手が止まった。

 そういえば授業で、ガンジーではなくガンディーと言っていなかったか?
 教科書の表記も「ガンディー」だったはず。
 ガンジーと書けば、万が一にもバツにされる可能性がある!?

 突如、脳内に立ち込める暗雲。

 確実にわかる問題も少ない中、ここは1点でも多く確保しておきたい。夏休みに補修にいくのはごめんだ。
 でも人間、曲げられないものはある。確かに点数は欲しいさ。
 それでも貫きたい想いがある。

 幼き頃からの想い――

 ずっとガンジー、ガンジーいってきたじゃないか。自分のノートにもわざわざガンジーと書き記し、こだわって生きてきたじゃないか。
 10年後の未来にはガンジーismというブログを始めるくらい、ガンジーとはきってもきれない縁があるんだぞ。

 己の心に問いかける…

 そんなにテストの点がほしいのか?たった1点がほしいのか?
 偉人たちに顔向けできなくなってもいいのか?

 ガンジーはガンジー以外ありえないだろ!!


 俺は解答用紙の空欄に( ガンディー )と書き込んだ。
 早朝のため息は白くにごる。冬は寒くて寝てられない、夏は虫が多くてたまらない、いい季節は春先くらいなものだ。
 ちょっとコンビニに行こうと思えば、車で一時間はくだらないという現実に、田舎暮らしに憧れて都会から越してきた人々も、早々に根をあげてしまう。

 見渡す限りの山々に囲まれた一軒家に源さんと一匹の犬は暮らしていた。

 週末になると猟銃を手に山に入り、山鳥や猪を狩る。近代的なものは何もないこの場所では自給自足が基本となり、腰を据えて生き抜いていくためには、「またぎ」というなりわいに就くのも自然な成り行きといえた。

 源さんの隣にはいつも相棒の熊五郎がいる。なんとも豪快な名前だが、純真な猟犬だ。
 大きめのビーグルに種々な血すじが雑ざりまくった雑種犬になるが、働きものの熊五郎は源さんにとって、なくてはならないパートナーだ。

 猟には暗黙の了解みたいなルールがあり、撃ち落とした山鳥は自分で取りに行ってはいけない。猟犬が山鳥を探しだし主人の元までくわえて来ることができて、初めて撃った山鳥を自分のものにできるというしきたりだ。
 自らの猟銃の腕とともに、猟犬をどれだけなつかせ、しっかり飼育できているかを先人たちに問われているような気がした。

 軽トラの荷台に熊五郎を乗せ、山の入口まで向かう。熊五郎はじっと風を感じながら流れる景色を見ているのが好きだった。
 山の入口につくと大きな体でも荷台から身軽にジャンプし、源さんのもとへと駆け寄った。

 山の中を歩きながら狙いを定め、源さんが山鳥を撃ち落とすと、熊五郎は颯爽と走り出していく。熊五郎の鋭い嗅覚はどんなに遠くに落ちた山鳥も見逃さない。しばらく待っているとハァハァと息を切らせた熊五郎がしっかりと山鳥を口にくわえ戻ってくるのだ。
 山鳥を受け取った源さんは、よしよしと熊五郎の頭をなでてやる。ゴツい源さんの掌が熊五郎の頭を何度もゴソゴソと往復する。熊五郎は目を細めて、のどを鳴らし喜んだ。

 山鳥が獲れた夜は、薪ストーブの上で焼けた鳥肉を食べる。じりじりと中までじっくりと焼かれた山鳥は、ほろほろと身がほぐれてきたら食べ頃だ。しょう油をたらすと香ばしい匂いが煙とともに立ち上り、思わず熊五郎が身を乗り出す。

 山鳥を食べる源さんのかたわらにはいつも熊五郎の姿があった。熊五郎はストーブの前で暖をとり、源さんは丸まった熊五郎の背中をなでながら、低い声で哀愁を帯びた鼻唄を口ずさむ。
 いつの間にか熊五郎は気持ち良さそうに寝息をたてていて、ストーブの温かみに包まれた空間には、穏やかなとても平和な時が流れる。薪の焼ける音も静寂の中に溶け込んでいくような静かな夜。暖をとれば息は白くにごらない。
 またひとつ夜は更けていった。


 熊五郎がトラックの荷台から軽快にジャンプする、猟の始まりの合図だ。
 快晴。視界も良く、山の入口で源さんが上空を見上げると今日は山鳥の姿が多く見受けられた。

 銃声が鳴り響くと1羽の山鳥が落下していった。
 あうんの呼吸とはこのことだ。その光景を見るや否や熊五郎は山の中を駆け出し、瞬く間に落下していく山鳥のもとへと向かった。

 長年連れ添ってきた源さんと熊五郎だからできるチームワークだ。5分も待てば山鳥をくわえた熊五郎が帰ってくる。源さんは山鳥を入れる袋を準備し、熊五郎を待っていた。

 しかし、待てど暮らせど、熊五郎が戻ってくる気配がない。
 白くにごった息が顔にまとわりつき、異変を感じた源さんの額から汗が浮き出る。長年連れ添っていてこんなことは初めてだ。

 山の中には蛇や猪といった獰猛な生き物たちが生息している。滅多に出会うことはないがヒグマに遭遇する可能性だってゼロでない。

 やられたか…

 源さんの脳裏に思い出したくない過去が蘇る。

 熊五郎の前に飼っていた猟犬、佐助。俊敏で撃ち落とした獲物を見つけ出す嗅覚もすぐれた賢い犬だった。佐助でさえ、運悪く腹をすかせた獰猛なヒグマに出くわし餌食になったんだ。血に染まり横たわる猟犬の姿を見るのはもうごめんだ。

 気がつくと源さんは猟銃をぐっと握りしめ走り出していた。

 熊五郎ーー!熊五郎ーー!

 喉仏が飛び散るほどに声をからし相棒の名を呼び続けた。
 源さんは歯を食いしばり懸命にしげみを掻き分け、熊五郎の姿を探した。

 熊五郎ーー!熊五郎ーー!

 鳥の落下地点はあのあたりか。おおよその予想はつく。源さんは土にまみれ、草木を掻い潜り道なき道を突き進み続けた。

 熊五郎ーー!熊五郎ーー!

 生臭い血の匂いが鼻先をかすめた。息をきらし一歩、また一歩と荒れた地面を踏みしめるたびに、獣のような臭いは密度を増していった。

 吹きつけた生ぬるい風が深く年輪を刻んだ頬をかすめると、

 視線の先に見覚えのある後ろ姿を見つけた。


 口元をべったりと真っ赤な血で染めた熊五郎が振り返った。

 
 おまえ…

 
 熊五郎が山鳥を食っちゃってんだよ。
 みなさん、こんにちは!プレステにあった「THEすもう」というゲームを1日で横綱まで昇りつめた、ログハウスです。

 初場所、待望の初優勝を成し遂げ、横綱昇進となった稀勢の里フィーバーが続いていますね。
 ガンジーismでも、相撲ネタやコラムを書いてきたこともあって、自分も相撲ファンの一人として嬉しい限りですし、横綱・稀勢の里の更なる活躍を期待しております。

 小学生の頃からなんとなく相撲は観ていたのですが、自分が一番心を掴まれたのは、千代の富士の爆発的な強さでも若貴人気でもなく、NHKみんなのうたで歌われていた「どすこい太郎」でした。
 今もYouTubeにあるので、ぜひこのコラムを読む前に「どすこい太郎」を聴いてほしいと思います。のびのある水前寺清子の歌声とポップな曲調がマッチした名曲です!

 とくにサビのところの

 ♪どすこい どすこい 太郎~~

 のメロディとフレーズが好きすぎて、相撲を見ながら歌うことはもちろん、一時期は隙あらばどこかしこで「どすこい太郎」を口ずさんでいるような小学生でした。


 あれは小学5年生の時だったでしょうか。

 教室にわりと大きめの水槽があって、クラスでメダカを飼っていました。
 休み時間になると水槽に顔を近づけ、かわいらしく泳ぐメダカを見るのが日課でした。

 ある休み時間、僕は泳いでいるメダカを見ようと水槽を覗き込んだのですがメダカがいません。
 ここのところメダカは恥ずかしいのか、水槽の中に置かれている木のトンネルの中に隠れてしまうことが多くなっていたのです。

 なかなか姿を現さないメダカを、僕は水槽に顔を近づけ前から横から角度を変え、なんとか見えないものかと試行錯誤を繰り返していました。

 そこに友達の萩原君がやってきて、教えてくれました。

 「水槽を軽く叩くとメダカが出てくるよ」

 ホントに!?その教え通り僕は、水槽の横をトントンと軽く叩いてみました。

 すると、何匹かのメダカがトンネルから出てきて、僕の前に現れ、水中をひらひらと泳ぐ姿を見せてくれました。

 わぁ~ 萩原君の言う通りだ。メダカが出てきた!

 しかし喜びもつかの間、数分もたたないうちにメダカはトンネルの中に隠れてしまいます。

 そのつど僕は水槽をトントンと叩き、出てきたメダカに喜び、またメダカが隠れたら水槽を叩き、メダカが出てきて喜ぶという一連のループを繰り返していました。

 一連の動作を繰り返していると、いつの間にか、メダカの泳ぐ姿を見ることよりも、水槽を叩くとトンネルからメダカが出てくるという規則性に感化され、謎のメダカ現象に興味を奪われていたのです。

 次第に、もっと強く叩けばいっぱいメダカが出てくるんじゃないか?
 もっと速く叩けば、長く叩けば、メダカの出方に変化が生まれるんじゃないか?

 水槽を叩くことに全神経を奪われた僕は、前から横から水槽を叩き始めました。
 

 その最中、一心不乱に水槽を叩く少年の脳内にあのメロディ流れた――

 ♪ゆけ 太郎 目指せ 横綱
 ♪やってやるぜ 待ったなしだ

 ♪どすこい どすこい 太郎~~


 気がつくと少年は「どすこい太郎」を歌いながら、全力で水槽につっぱりを繰り出していた。


 ♪どすこい どすこい 太郎~~
 ♪どすこい どすこい 太郎~~


 ガァッシャァンッ!!!!!!!!!!


 鈍い壊音と共に水槽は割れ、物凄い勢いでドッと飛び出した水が少年の体を直撃して、棚に置いてあった下(げ)の教科書は水浸しになった。
 休み時間に起きた惨劇に、クラスメイトは言葉を失い、指の間から鮮血を垂れ流したびしょ濡れの少年は、呆然とその場で泣き崩れるしかなかったんだ。

 あんなに楽しかった「どすこい太郎」がこんな悲劇を招くなんて…

 保健室で先生にクソほど怒られ教室に戻ると、クラスのみんながそうじをしてくれていて、水浸しだった床はきれい拭かれ、メダカたちは小さな小鉢に救い出されていた。
 少年は、みんなの前に立たされ、包帯でぐるぐる巻きになった右手を太ももにぴったりとつけ頭を下げ、絞り出すように言葉を紡いだ。
 

 謝罪。

 みなさん、ごめんなさい。

 僕が水槽に張り手をやって、どすこい太郎とかいいながら水槽を割ってしまい、みんなの下の教科書を濡らしてしまって、すいませんでした。
 もうどすこい太郎とかいって水槽を叩いたりしません。水槽は弁償します。

 ほんとうに、すいませんでした。


 以来、少年は二度と「どすこい太郎」を口ずさむことはなかったんだ――





 大きな水槽を優雅に泳ぐ圧巻の魚たちに魅了されながら、僕は水槽を見つめていた。
 目の前には、まるで海の中をそのまま映し出したかのような光景が広がっている。

 水族館。
 ライトアップされた幻想的な空間は、忙しない日常を忘れて過ごすには最適な場所だ。

 パノラマのように大きく広がった大水槽。
 セルリアンブルーに輝く海の中を、魚たちは自由気ままに泳ぐ。
 小魚たちは彩り、ひらひらと泳ぐエイのお腹は笑っているようで、中でもマグロの群泳には目を奪われた。まれに水槽に衝突することがあってもマグロは泳ぐことをやめないという。

 僕はエンドレスで流れる目の前の景色を食い入るようにいつまでも、いつまでも眺めていた。

 こんなにまじまじと水槽の中を泳ぐ魚たちを見たことがあっただろうか。

 その時、懐かしすぎるあのメロディが流れ始めた。
 大水槽を見つめる僕の心の中にあったパンドラの箱がカチリと音をたてて開く。

 ♪ゆけ太郎 めざせ横綱
 ♪涙ふいて ごっつぁんです

 ♪どすこい どすこい 太郎~~

 20年以上も前の記憶にうずいた右の掌を大水槽のガラスにそっとあわせる。

 水槽の中を泳ぐ魚たちを見て思う――

 もうあの惨劇が起こることはない、もう血に染まることはない。

 脳内に浮かび上がった、鉄パイプを持って大水槽に殴りかかろうとする、どすこい太郎を打ち消し、僕は久しぶりにあのメロディを口ずさんだ。


 ♪どすこい どすこい 太郎~~
 ♪どすこい どすこい 太郎~~


 数分後、想い出を唄う僕の目の前を、顔の半分がグシャグシャに潰れたマグロが通り過ぎていった。
問壱「嫌いなヤツの誕生日を祝ってあげて下さい」





や~い や~い おまえが母ちゃんから生まれた日~





クラッカーから強盗を捕獲するための網が飛び出してきた





プレゼントのリボンが豪華客船をつなぐ時に使われるくらい頑丈なもやい結びにされてる





中身は市議会議員の人形





ろうそくのかわりに燃えてる自宅をフーフーしながら消さなければならない





和気あいあいとした誕生日パーティーだが、端から見ると憎しみから生まれた飛龍と憤りから生まれた白虎がくんずほぐれつ闘っているように見える





おまえが受精卵に向かう姿はよく覚えているよ。二人の精子がほぼ並んでゴールにさしかかった時、一方が押されて転んだんだ。本来この世に生をうけるのはおまえじゃなかったんだよ。誕生日おめでとう。





問弐「全盛期の田村正和でも落とせなかった女性とは?」





「こんばんは、田村正和です」と言っただけで地球の終わりまでずっと笑ってる





激忙しいドラマ撮影の合間をぬって1時間だけ会おうとしたのに、今日は無理と言われた





リバーサイドホテルの屋上から身投げしてる最中の女





いきなり背後に回り込み首をかっ斬りはしないが短刀をつきたてられ振り向くともういない、くのいちの女とこのくだりがかれこれ30年は続いている





すらっとした黒いコートを着込み襟足が長い女の後ろ姿はまさに古畑任三郎、前にまわって見ると刑事コロンボのデスマスクをつけている





ベッドインに成功し挿入しようとしたが女の局部が溶接されていた





問参「偉人で一言」





トーマス・エジソン
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パソコンを発明できなくてすみませんでした







ナポレオン
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余の辞書にはリベンジポルノという文字しかない







野口英世
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やぁ、左目に突っ込んだ顕微鏡がちょうど抜けたところだよ







カーネル・サンダース
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おそらくAのチキンがファミチキだと思います







ガリレオ・ガリレイ
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それでもすき家はワンオペでまわっている







ベーブ・ルース
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明日の試合で僕がバントホームランを打ったら
ちゃんと手術を受けるんだよ







リンカーン
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納税者の納税者による納税者のための生活!







チャップリン
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私はただ相手を楽しませたかっただけなんだ…
パントマイムで人を笑い死にさせた私は罪になるのだろうか?







相田みつを
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どっちでもない 俺は人間じゃないから







アインシュタイン
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たかし君はお店で1個50円のりんごを個、1個30円のみかんを8個買いました。
さて相対性理論とは何でしょう?







イエス・キリスト
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子供をつくろう。
あぁーイクイク!でるよ!でるでる!おしっこでるー!







本田宗一郎
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ドライブは良いですよ。流れる景色を見て大自然を眺めて
時に人と触れ合って、そこで気づいたんですよ。車検切れてるってことに







ゴッホ
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ひまわり







ウォルト・ディズニー
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むかし園内に小さなゲームセンターがあってね、ディズニーランドに来てまで
ストⅡをやってる子供たちは全員サイコパスだと思いますよ







織田信長
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我は死を恐れない 我は苦を恐れる





と、いったところで、独り会、今日のところはこの辺でおひらき。
また開催できることを楽しみに、どうもありがとうございました。
 みなさん、こんにちは!獅子舞の中で男女が交わっていたら意外と躍動感ある動きになるんじゃないかな、ログハウスです。

 今回は少しだけ下半身事情のお話ですので、やだぁ~下ネタ苦手~という方は、読んだ後にスタジオジブリ最高傑作「耳をすませば」見て脳内を緩和しといて下さい。

 ではでは、

 男たる者、たまには自分の息子を握り締め、自分を慰めることがあります。

 快楽に目覚めた全盛期は高校生の頃だったでしょうか。
 本来は教科書を開いて勉強机にかじりつき、えんぴつを握っていなければならなかったのですが、机で開いていたのはエロ本、毎日のように握り締めていたのはチンコでした。

 これは自分だけの体質なのかわかりませんが、昔からイッた後、どれだけ最後の一滴まで絞り出しても、忘れた頃にすこーしだけカウパー汁が出てしまうのです。
 要するに少量の我慢汁なのですが、ことが済んだ後なのに、何を我慢することがあるんだと。

 だいたいがしばらく時間が経って、座った時やくしゃみをした時に一雫、ちょうどパンツにまぁるくシミになるくらい。
 おしっこでいう残尿みたいなところです。

 当初、慰め終ると毎回パンツにシミをつくってしまったので、自分はその防御策として、行為が終わった後必ずティッシュペーパーをチンコとパンツの間にかませて生活をするというライフスタイルを確立しました。

 アフターカウパー汁が出たら、ティッシュが丸ごとガード、あとは濡れてシミのついたティッシュを丸めてポイっとゴミ箱へ。

 この策戦が功を奏して以来、股間にひんやりと冷たい違和感を感じることもなく、パンツを汚すこともない、平穏無事な生活が約束されたのです。


 とある正月のこと。
 青春真っ只中の自分は、正月の三が日も昼間から2階の自室にこもり、下半身をまさぐっていました。
 試合時間10分少々、快楽最高ー!行為も終わり、馴れた手つきでいつも通りパンツの中にティッシュをかまして普通の生活へと戻ります。

 と、今日は何やら1階のリビングから賑やかな笑い声が聞こえてきます。

 その日は正月休みということもあって、めったに来客が来ない山本家にも、親戚家族が遊びに来ていました。

 1階のリビングから聞こえる大人たちの談笑とバタバタと部屋を駆け回る子供の声に誘われ、暖房のきいた自室にこもっていた自分も、新年の挨拶がてら一階へと向かいます。

 相手は気の許せる親戚家族なので、パーカーに短パンのラフな部屋着のまま、リビングへと通じる階段を軽いステップのまま降りていきました。

 リビングには、テーブルに並んだ正月らしいおせち料理と、家族と親戚が団らんと話している和やな光景が広がっています。

 階段を一段一段降りながら、自分は来客を歓迎する満面の笑顔を浮かべ、挨拶をしようと手をあげました。

 久しぶりに目にした親戚家族は皆元気そうで、幼稚園に行っていると聞いていた三才児のコウタはずいぶんと大きくなって歩き回るようになっていました。愛くるしい笑顔は今も健在のようです。

 山本家長男の登場に親戚一同の目が一斉に、階段にいる自分に注がれていた、


 その時…


 短パンの裾からひらりと一枚のティッシュペーパーが舞い落ちていった。


 忘れていたんだ。

 チンコとパンツの間にティッシュペーパーをかませていたのを――。


 世界各地でこんな記録が残っている。

 1828年、アメリカのメリーランド州で、突然数百匹もの魚の大群が空から降ってきた。
 1995年、イギリスのオックスフォードシャー州では、大量の10ポンド紙幣が空から降ってきた。
 2009年、日本でも石川県七尾市で、多数のオタマジャクシが突如空から降ってきた。

 このように、現実的には説明のしようがない物体が摩訶不思議と空から降ってくる現象が世界各国でたびたび目撃されている。
 その場にあるはずのないものが空から降ってくる… 人はそれを「ファフロツキーズ現象」と呼んだ。


 親戚中の目が男の股間から突如現れ、ひらひらと舞う謎のティッシュペーパーを凝視していた。

 現れるはずのない場所から、突如出現したティッシュペーパーに皆は何を思っただろう。
 もちろん、代々人間の生活において、パンツの中にティッシュペーパーを入れておくなんて習慣はないんだから、このティッシュが瞬時にいかがわしい行為と結びつくとは考えにくい。

 あるのは純粋なる謎だ。
 皆にとってこの状況はまさに「ファフロツキーズ現象」といえるのではないだろうか。
 
 謎めいて半ば困惑する親戚家族一同から逃げるように、俺は天井を見上げた。
 その視線は天井を通り越し、大空へと向けられたものだ。

 自分自身に言い聞かせる。
 そうだ、これはまぎれもない「ファフロツキーズ現象」なんだ、と。


 短パンの裾から、ひらひらと舞い降りたティッシュが、すーっと床に滑り落ち、純真無垢な三才児の前で止まった。

 コウタは遊んでいたミニカーの手を止め、ぽかんとしたあどけない表情のまま、謎のティッシュペーパーを見つめていた。

 リビングに降りた俺はコウタをやさしく抱きしめた。


 あけましておめでとう。
 疲れきった体を閉まったドアにもたれかけ、最終電車の発車ベルを聞いた。
 徐々に電車が速度をあげると、闇が息をするようにポツポツと建物の光が目に入ってくる。
 電車が住宅地を抜けると、闇に染まった窓ガラスに精彩のない顔面が映った。

 車内に目を移せば、大半がスマホに目を落とし我関せずと、己の世界に没頭している。
 多くの電子機器に挟まれながら、文庫本という紙媒体を熱心に読みふける女性の姿が少しほっこりさせくれる。
 さすがに最終電車だけあってシルバーシートもおかまいなしの満員御礼。つり革を頼りに立っている人々も多数といった状況の中にあっても、大声でおしゃべりを続けるタフな若者もいれば、酒の匂いをオーラのように身にまとい、眠りにつく背広男の定番な姿も見てとれる。

 車内では色んな個性が、色んなふるまいが、帰路までの短い時間を同居している。


 ふと目を動かすと、窓の内側のところに、小さな虫がとまっていた。

 蚊のようで蚊にも成りえない存在なのか、外を歩けばどことなく出くわすような羽虫だ。なんてことない光景に、とくに気にとめることはない。

 そのまま電車は、いくつもの駅を通過していった。

 羽虫は止まったまま動かない。
 電車は走り続けている。

 しかし、考えてみれば、虫自体はそこに止まっているつもりでも、電車は動いてる。

 虫はわかっているのだろうか?

 自分は止まっているつもりでも、知らぬ間にどんどん故郷から離れてしまっている現実を。

 一刻も早く次の駅で降りた方がいい。それでも虫は動かない。

 人間でも歩けないような距離を移動するために開発された電車だ。

 直径1センチにも満たない羽虫にとって、それは尋常ではない距離といえる。
 もう、虫が自力で元いた場所に戻ることは不可能なのかもしれない。

 この虫だって昨日まではどこかの外灯に集まって、無数の羽虫がひしめく中で、ぐちゃぐちゃの一夫多妻なのかはわからないけれど、家の蛍光灯カバーの中でいつの間にか息絶えているような最期に比べれば、みんなで集まって幸せに暮らしていたはずだ。

 それが突然、待てど暮らせど父さんか、母さんか、兄ちゃんか姉ちゃんか、弟なのか妹なのか、虫の立ち位置は定かじゃないけれど、いっこうに帰ってこない。
 それもそのはず… 知らぬ間に電車に入り込み、虫にとってはいつの間にかの拉致監禁、これならアイマスクにヘッドホンをつけられ大袈裟なリアクションをとりながらロケバスに押し込まれた方がまだ救いがあるというもの。

 たまたま入り込んだドアがエレベーターだったらどんなによかったか…

 永遠なる上下運動ならば、いつか地元に帰れたはずでしょ?

 それが、車だ、電車だ、飛行機だ、乗り込んだら最後、そんな優雅な移動手段を作ったもんだから、こんな惨劇が起こったんじゃないか!

 現代人に言ってやりたい。徒歩って素敵やんって。
 強靭な足腰を身に付ければ、極論電車いらず、鍛えられたその一足が車輪となる。
 人間究極の進化形は、機関車トーマスか!?

 …いや、いや、それは無理がある。


 もはや虫を故郷に帰す方法はないのだろうか? 

 あなどるなかれ。

 虫には人間の理解を越えた能力、帰巣本能がある。
 蜂や蟻など、離れた場所からも自分の住みかに帰れるという特殊能力だ。
 わかりやすい例が、伝書鳩だ。
 日本列島を横断するほどの距離を飛び回っても、鳩はちゃんと自分の住みかに帰ってくることができる。

 ただし、今現在、高圧線や電磁波の影響により伝書鳩の成功率は長距離になればなるほど著しく低下している。
 ホロッホーと言っている場合ではない。一羽でも帰ってくることができず路頭に迷っている鳩がいるという事実だ。

 虫に置き換えても同じことか。
 羽虫の帰巣本能も町内会レベルでしか効力を発揮できないのか!?

 こうなったら自らの手で虫を故郷に帰してあげるしかないじゃないか。
 強引にでも虫の首にひもをくくりつけて、といっても虫に首の部分があるかどうかはわからないけれど、引っ張っていくしかない。
 羽虫の首にひもをつけるなんて、米つぶに般若心経を描くくらい困難を極め、昆虫王ファーブルでさえさじを投げる荒行だ。一歩間違えれば、虫をつかんだ瞬間圧死させる危険性だってある。
 「熊殺し」ならぬ「虫殺し」の異名なんて、なんの自慢にもならないばかりか、胸に手をあて聞いてごらんよ、聖人君子も一度はみな虫殺しなわけで…

 人がパチンっと両手を合わせれば、その一瞬が虫にとっては永遠となる。

 この羽虫が地元に戻る方法はひとつしかない。
 この電車に乗ったまま夜を明かし、次の始発を待つことだ。
 その小さな脳でよく考えるんだ。もうそのまま動くなかれ。動くな虫。待つんだ始発!

 …と、自分が妄想を巡らせていると、あっという間に終点に着いていた。

 
 開閉ドアが開き、一斉に人々が電車から吐き出されていく。
 それは帰路に向かう足を一歩、踏み出そうとした時だった。

 ついに虫は飛び立った。

 羽虫は自分の真横を通り抜け、外の世界へと羽ばたいていった。

 ホームへ向かう人々の群れの中を、羽虫はうろうろと旋回するように飛んでいた。

 飛んでいった羽虫の横顔には明らかな動揺が見えた。

 おそらくずっとその場に居たつもりだった虫は、初めて見る街の景色に戸惑っていたのだろう。

 きっと虫は一歩電車から外に飛び出した瞬間、えっ!?こんなとこにイオンモールあったっけ?的な顔をしていただろう。

 これからこの地がおまえの生きる場所になるんだ。

 そう心の中でエールを送っていると、羽虫はすでに視界から消えていた。

 雑踏の中、再び歩みを進めた。改札を抜け、帰路につく足を早める。
 今日も明かりの灯っていない部屋を目指して。

 見上げれば、星ひとつない星空に、JALの閃光が輝いて見えた。
 幼い頃、憧れたヒーロー。
 誰もが、格好良くマシンを乗りこなす仮面ライダーに魅せられ、次々と怪獣をなぎ倒すウルトラマンの強さに憧れを抱いた。
 少年期、僕のヒーローはウルトラマンでも仮面ライダーでもなく「ロイサのおじさん」だった。

 小学生になった僕は、近所の公民館の一室を借りて開かれている、空手の道場に通うことになる。
 もちろんそこに自らの意思はまったくもってなく、両親の肉体的にも精神的にも強くなってほしいという願いのみによって、週2回道場に通わされていたのだ。
 しかし幼い僕には、道場にいる時間は苦痛でしかなかった。それは空手の稽古が辛いというわけではなく、ドラゴンボールやクレヨンしんちゃんをリアルタイムで見る楽しみを奪われたことへの苛立ちであったり、真冬には、道場の窓から見える温かそうな服を着て歩く人々を横目に、なぜ自分だけが冷たい床の上をペラペラの空手着一枚で過ごさなければならないのかと、ほとんどふてくされていた。
 こんな精神状態では、空手の稽古をしていても身になるわけもなく…
 僕はただ早く稽古が終わってほしいという願いのみにかられ、一向に色の変わらない白帯を身に着け、時を刻む秒針ばかりを見続けていたのだった。

 「エーイッ!!」「ヤーッ!!」

 狭い道場の中で、今日も少年たちのか細い気合いがこだましていた。
 空手も剣道と同じように、ここぞという決めの一撃の際には、攻撃と同時に気合いの雄叫びをあげる決まりがあるからだ。
 
 「エ~イッ」「ヤ~ァッ」
 
 僕も、気合いをあげた。…なんの覇気もない気合いを。
 時計の針は午後8時、稽古が終わるまであと1時間だ。そんなことを考え放たれた雄叫びは、すぐに少年たちのか細い気合の群集にかき消されていった。

 いつも通り稽古は続いていた。型(突きや蹴りの美しさを競う演武)の練習、組み手(対戦相手と突きや蹴りでポイントを奪い合う実戦)の練習…

 すると突然、ブロロロロローーーーーンッ と爆音にも似たエンジン音と共に大型バイクが道場に近づいてきた。
 道場の外に大型バイクが止まると、大柄の男が道場に向かい歩を進めてきたのだ。いきなりの非日常を叩きつけられた道場生たちは呆気にとられながらも、その視線を入り口に向ける。もちろん時計ばかりを見ていたはずの僕も。
 入り口には30代半ばくらいだろうか、仕事の作業着を着た大柄の男がそびえ立っていた。
 それまで5、6人の少年と僕たちに空手を教えてくれる年老いた師範しかいなかった道場だけに、男はいるだけで異質に映った。

 リアル道場やぶりか!?

 テレビの中だけの幻想だと思っていた乱入者を目の当たりにし、恐怖に身体が震え始めた時、今までまじめに稽古をしていなかった自分を悔やんだ。
 乱入者撃退を年老いた師範にゆだねることしかできない僕は、震えた身体の中でびびってちびりそうになっている小便を我慢するが精一杯だった。

 稽古は一旦中断され、師範が入り口へと向かっていく。
 僕たちの願いはただ一つ!頼む!勝ってくれ~
 男と師範との距離は、お互いの制空拳をゆうに超えている。一言、二言、話を交わしているように見えるその様は、見えない拳を無数に飛ばし合っているかのごとく。

 しかし決闘は拳を握ることなく終わりを告げ、師範が男を道場の中に招きいれた。
 道場の中央に立った男は、礼儀正しくみんなに頭を下げた後、「木村と言います。今日からこの道場に通わせていただくことになりました。みんなとはだいぶ年が離れてますけど、よろしくお願いします」と僕たちに挨拶をしてくれた。

 中断された稽古が再会されると同時に、男は道場の隅でおもむろに作業着から空手着に着替えると、一人ウォーミングアップを始めた。
 男から軽く放たれる突きや蹴りは少年だった僕から見ても、経験者のそれとわかるくらい様になっている。そしてすでにその腰には黒帯が巻かれていた。
 僕たちが小休憩になる頃、男のウォーミングアップはウォーミングアップを超える域へと突入していた。道場の後方にあったサンドバッグを相手に突きと蹴りを繰り返していたのだ。
 僕たちが時々遊び半分で使っていたサンドバッグが、今にもはち切れんばかりに揺れていた。
 男の額からは大量の汗が床に滴り落ち、激しさを増した突きと蹴りのボルテージがMAXに達した時、もの凄い叫び声と共にとどめの一撃をサンドバックに打ち込んだ。

 「ロイサーーーーッ!!!」

 憧れにも似た感情を抱いた――。





 もう何度時計を見ただろうか。僕はまた時計ばかりを気にしていた。早く稽古が終わってほしい…いつもならそんな思いから時計を見ていたはずだったが、僕が待っていたのは稽古の終わりではなく、遠くから颯爽と聞こえてくるバイクのエンジン音だった。

 あの日以来、僕はたくましい木村のおじさんに会えるのが楽しみになっていた。
 思い出すだけでかっこよすぎた。身近で見た本物の突きは凄い迫力だったし、なんといっても僕の心に残ったのは「ロイサ」という異質な気合いだ。
 「エイ」や「ヤー」を主流とした少年たちのかけ声に対し、「ロイサ」なんて雄叫びは聞いたことがなかった。でもなんだか語呂の良さが心に響きすぎて僕は忘れられなかった。

 木村のおじさんは仕事が終わってからなのか、8時前後に道場に現れることが多かった。
 重厚なバイクのエンジン音と共に仮面ライダーのように現れ、作業着から空手着に変身する姿は僕にとってはウルトラマンみたいに思えた。
 道場についてからの流れは毎回ほとんど変わらず、サンドバッグを突きながらウォーミングアップをこなし、ロイサロイサと突きを撃ち込み汗を流していた後、師範を相手に軽く組手の練習をしたり、僕たちに混じって型の練習をする時もあった。早い時間に道場に到着した時には僕たちに正拳突きを教えてくれたりもした。
 全力で放った僕たちの拳を木村のおじさんは大きな掌で受け止め、時折自分の腹筋を的にしてくれることもあった。そのお腹は殴った僕たちの手が痛くなってしまうほどに鍛えられていて、自分とは次元の違うヒーローみたいな強さを体感できて、とても心強く嬉しかった。
 毎回、僕たちの力一杯の正拳突きを受けながら、強くなったなぁ、いいぞっ、と声をかけてくれ、あれだけ嫌々やっていた空手が初めて楽しく思えるようになったんだ。

 「エーイッ!!」「ヤーッ!!」

 「ロイサーッ!!」

 少年たちのか細い気合いの声に混じって、大人のど太い気合いが聞こえるようになっていた道場は活気がみなぎり、元々空手の道場なんだけど、本当に空手の道場っぽくなった気がした。

 僕は強くて優しい木村のおじさんが、ううん、ロイサのおじさんが好きになっていった。


 そんなある日、市の空手大会に出場するのが決まった。
 年に何回か開催され、形と組手の二部門、日頃の成果を競いあう。
 前までの僕は大抵大会の日は家の用事だとか親戚のほうじだとか、行くの嫌で、勝手に親戚の不幸をでっちあげて大会を欠場することが多かった。
 でも今回はいの一番に出場を決めた。それは自分の実力がどうこうではなく、大会には大人の部があるからだ。初めてロイサのおじさんが本気で戦うところが見れる。それはどんなゲームやアニメよりも楽しみで、その強さを想像するだけでワクワクしてたまらなかった。

 大会が近づくにつれ、道場のみんなの稽古にも熱が込もっていった。木村のおじさんも師範に指導をうけながらロイサロイサといつも以上にサンドバッグを揺らし、こんな強烈な突きを食らったら相手はたぶんイチコロだ。僕にとって木村のおじさんの正拳突きはウルトラマンのスペシウム光線より強力な必殺技に思えたんだ。





 大会当日。

 僕は自分の試合もそこそこに、大人の部の試合場に駆けつけた。
 今回自分の結果は二の次だ。これからまじめに稽古を重ねて木村のおじさんみたいに強くなれたらいい。

 選手のたまり場に木村のおじさんがいるのを見つけて、遠くから思わず声をかけようとしたけど、なんだか道場とは雰囲気の違う姿に僕は声をかけるのをとまどっていた。すると僕の視線に気づいた木村のおじさんは真剣な表情を一瞬崩して、僕に向かってひとつ大きく頷いてほほえんでくれた。
 僕は声をかける代わりに、顔の前に握りこぶしをつくって応えた。僕にできる精一杯のエール。
 
 がんばれ、ロイサのおじさん!

 空手着にゼッケンをつけた大きな背中を僕は黙って見送った。


 両選手が試合場に入場し、向かい合うと、審判員の精悍な声がこだました。

 始め!

 木村のおじさんは軽く上体を揺らしながら構えると、いきなり間合いを一気につめ左右の拳を連打していった。
 右、左、右、左と突きを放つたびにロイサの気合いが響く。あまりの勢いに相手は後ずさりするしかない。試合場には突きの数よりロイサって言ってる方が多いんじゃないかと思えるほどのロイサが飛び交っている。

 ロイサッ!ロイサッ!ロイサッ!

 いいぞ!いいぞ!
 やっぱり僕のヒーローは強いんだ!

 相手は下がりながらロイサの突きをさばくので精一杯だ。ロイサは攻める!一気に攻める!!

 しかし相手は一瞬の隙をついてガラ隙になっていた木村の足を、足払いでおもいっきり払ったのだ。
 足を刈られた木村が体勢を崩しあお向けに宙を舞う。

 攻めの姿勢しか頭になかった木村は宙に舞いながらもロイサを連呼している。一転して自分がやられているという現状を脳が理解しきれていないのか。

 バタンっ

 物凄い音を立て大男が床に倒れあお向けで天を仰ぐ。立て続けに相手の拳が倒れている木村の顔面めがけて突き込まれていく。

 まさかっ

 僕の目の前には信じられない光景が広がっていた。

 一本!審判員の無情なる宣告が響き渡る。

 あお向けで倒れたまま、木村は天を見つめしばらく動かなかった。

 僕の体も硬直して動けなかった。ザワザワとさざめく会場が僕の耳には静寂になって、僕は拳を握り締め、わけもなくただ呆然と横たわるヒーローの姿を見つめているしかなかった。

 対戦相手は定位置へと戻り、呼吸を整え、乱れた空手着を正す。

 木村はまだ動かない。

 すると…

 木村は試合場で大の字になったまま、こう叫んだんだ。


 「ロイサーーーーッ!!!」





 今の子供たちのヒーローは誰なのだろうか。
 僕は今、おそらく当時の木村のおじさんと同じくらいの年齢になった。

 空手の気合いは決めの攻撃をする際に叫ぶものだ。
 なぜあの時、ロイサのおじさんが、やられてんのに雄叫びをあげたのかは大人になった僕にもわからない。

 ただ、まだ幼かった僕は、絶対に自分が仇をとるんだと、小学校の6年間一日も休むことなくサンドバッグに拳を打ち込み、夏の暑さにも冬の寒さにも根をあげず、懸命に稽古に励み続けた。
 そして中学生になった僕は、塾や部活に飲み込まれて、空手の道場に通わなくなった…。
 みなさん、こんにちは!秋茄子ならいくらでも嫁に食わせるのに未だ独り身のログハウスです。

 ついつい独り言を言ってしまうことってありますよね。
 今日は山本ログハウス史上、もっとも狂った独り言を言ってしまった時のお話。

 自分も男たる者、たまには、いかがわしいDVDを見ることもあるわけでして、ひとつ欲しいDVDがありました。

 ネットで偶然発見したパッケージに写る女の子が、ドストライクすぎて見たくなったのです。
人気のシリーズものとあってすぐに見つかるだろうと、何件か近所のTSUTAYAやDVDショップに行ってみたものの見当たりません。

 これが実家に住んでいる男のさが、家族がいる手前、ネットショップでボタンひとつのお買い物とはいかず、自らの足を駆使して自力で見つけるしかありません。

 もう気分は刑事そのもの。パッケージの写真をもって聞き込みをしたいくらいな勢いなのです。

 すぐに見つかると思っていた手前、焦る気持ちと共に、人間不思議なもので、なかなか手に入らないと欲しい気持ちがどんどん大きくなってくるものです。

 気がつくと血まなこになって辺りのTSUTAYAをしらみ潰しに探し回っていました。

 ない

 ない

 ない

 ここにもない!

 なぜなんだ!なぜないんだ!

 もうネットの数秒の無料予告動画じゃ我慢できないんだ!

 今じゃスマホでいつでも無料エロ動画が見れるようになった昨今、俺は大金を叩いてDVDを買おうとしてるんだ。俺みたいな絶滅危惧種こそ、報われるべきだろ!

 車を飛ばし、捜索地域を拡大!ネットショッピングが主流の現代、なかなかDVDを売っている店も限られてくるのですが、今までに培った地元脳をフル活用して車を走らせます!

 ない!

 「クソッ」

 ない!

 「ふざけんなよっ」

 ない!

 「っんで、ねーんだよ、オラッ」

 車内での独り言も乱暴になり、もう刑事どころか容疑者の有り様。

 そして、夜もふけ込み、時間的に最後になるだろうDVDショップの駐車場へとドリフトまがいに車を突入。疲労が蓄積した体からは、あってくれという期待よりも、どうせねぇーんだろの諦めモードに支配されていました。

 早速、薄暗い店内にわりと広めに配置されたエロDVDコーナーへ。
 まばらにいる数人の客は、スケベ心に染まる廃れた野郎ばかりだ。

 何度も同じ作品を探していると、探し方も慣れたもんで、発売元のメーカーの欄にいって目当てのシリーズを物色する。
 かなりの至近距離におっさんがいることも気にすることなく、おかまいなしに棚を右から左に探す。


 ・・・あった!


 今までの苦労がなんだったかというように、あっさりとシリーズ17番は売っていたのだ。

 DVDを手に、パッケージいっぱいに写ったショートカットの彼女の笑顔をしばらく見つめてしまった。

 この愛嬌に溢れた健康的な笑顔が、イヤらしく羞じらう姿を見ることができると思うと、いとおしく思えた。

 断っておくけれど俺は常人だ。ちゃんと生身の人間を愛し、少ないながらもごく普通の恋愛をしながら、まっとうに生きてきたつもりだ。

 でもこの時ばかりは、常人を逸脱したと言われても返す言葉はないよ。

 やっと念願のDVDを手にいれた喜びが溢れでたんだと思う。

 これはマジだ。マジっすからね。

 俺はパッケージに写る女の子を見ながら、少し大きめの声で、独りこう呟いたのだ。


 「やっと、逢えたね…」


 やばいだろ?やばいよな?

 ふと我に返り、辺りをキョロキョロすると、隣にいたおっさんと目が合う。

 おそらくおっさんの耳にも届いていたんだろう…
 俺はおっさんのひきずったあの顔面を忘れない…。


 リアルとフィクションの境界線がわからなくなるほどに、その世界にのめり込むのは危なすぎる。

 ひと昔前、格闘ゲーム、バーチャファイターをやり過ぎた男が、俺はバーチャファイターだと思い込み、人に殴りかかった事件があった。

 うっとりとDVDのパッケージの女性を見つめ、愛をささやいた俺はこの瞬間、バーチャファイター暴行事件の男と肩をならべたのかもしれない…。
 みなさん、こんにちは!もう肌に直接ファブリーズ、ログハウスです。

 信じられない猛暑!いや、信じるしかない猛暑の日々!
 もう少し歩くだけで汗ばんでしまいますよね。毎日、駅まで歩いて通っているのですが、駅につく頃には背中に汗が広がり、服はまるで世界地図模様に。パスポートは持っていませんが、汗ジミだけはワールドワイドな人間として、日々勤しんでおります。

 この猛暑日の続く最中、最寄り駅にほぼ毎日の割合で熱心にビラ配りをしている男性がいます。
 年の功は、60代はいっているでしょうか。一般社会では重役やCEOに登り詰めていてもおかしくない年代といっても差し支えないかもしれません。

 男は、「おはようございます、おはようございます」と、声をあげ、駅を通る人々にビラ配りをしています。
 しかし、サラリーマンに学生に、夜の1.8倍貴重といわれる慌ただしい朝の時間に男の相手をする人はとぼしく、ビラを受け取る人の姿はありません。

 自分も連日、男のビラをスルーし、勝手にどこかの政党の熱心な後援者なのかなと思っていました。
 が、よくよく考えてみると、実際の男は「おはようございます」を連呼しているだけで、政党のはっぴを着ているわけでも、のぼりを掲げている様子もありません。
 かといって行方不明者を探してるような緊迫感はないですし、近くに飲食店をオープンしました!的な華やかさがあるわけでもありません。
 見るに、男が差し出すビラにはクーポン券的なものは見当たらず、要するに1枚の紙きれなのです。

 うーん、これから政党名を掲げない無所属として活動でもしていくつもりなのでしょうか?


 深まる謎。


 ただ、これだけの猛暑に外に立ち、連日のようにビラを配り続けている… 考えてみれば結構な努力といえます。
 我々になんらかのメッセージを投げ掛けようとしていることだけは確かなのです!

 自分は男の想いの丈を一度手にとってみようと決意し、駅に向かい歩みを進めることにしました。

 駅へ向かう自分の横を、ランドセルを揺らした子供たちの集団が元気に走りすぎていきます。
 黒と赤だけではない、様々な色のカラフルなランドセルが少しずつ遠くなっていきました。


 世の中が抱えるいくつも問題。
 反戦、原発、憲法改正、少子化、地球温暖、テロリズム…

 指折り数えていけば、片手では足りないほどの問題が子供たちの肩にのし掛かかろうとしていた。

 子供たちの未来を守る糸口が、男のビラに記されているかもしれない。

 最寄り駅に近づくと、遠目から今日も男がビラ配りをしている様子が見えた。何人もの社会人たちが男の挨拶をスルーし、目の前を足早に通りすぎていく。

 自分もその一人だった。昨日までは。

 暑さとは違う、刺激された交感神経から滲み出た汗が額を流れる。

 駅に近づき、ビラ配りの男の前を通りすぎる。
 乾いた男の挨拶が耳をかすめ、目の前に一枚の紙が差し出された。毎朝何度となくスルーしてきた男の紙に手を伸ばす。

 さまに男の脳ミソを掴む行為。

 俺は一切の表情を変えることなく、歩みを止めることなく、男に差し出されたビラを受け取った。

 駅の改札を通り、もらった紙を見た。


 俺は、今、紙を見ている。
 みなさん、こんにちは!好きなタイプは清少納言、ログハウスです。

 夏は夜と清少納言はよくいったもので、灼熱の太陽が墜ちた夜に、涼しい風を感じながらお散歩するのはよい気分転換になったりします。

 先日も夜、友人の真木君と、何気ないおしゃべりをしながら歩いていました。

 真木君とは、中学の頃から続いている間柄とあって、とても気が合い、いつも笑顔を絶やさない穏和で温厚なヤツです。

 自分も全然ガツガツいけない人間なので、性格的に似ていて、お互いが野性動物だったら二人とも絶滅してるな、なんて笑いながら、TEAMチキンとして今でも仲の良い付き合いが続いているわけです。

 道路の向こうにコンビニが見えたので寄って行こうということになり、横断歩道が青になるのを待っていました。

 その間も、おしゃべりは続き、現実にはびびって女性に声なんかかけられないくせに、こんな女の子はかわいいなぁみたいな話になるわけで。

 「ギャップ好きなら、ボーイッシュな女とかどう?」

 「ふいに見せる女っぽさかぁ」

 「普段は男っぽい女の子とのHなんて、ギャップがあってよすぎるんじゃないの?」

 「…ホモっぽくなるだけだろ」

 「ははははははっ」

 平和すぎる二人の笑い声は、車の排気ガスに溶け込んでいきました。

 信号が青になったのを確認し、俺たちは話ながら歩き出しました。

 すると、右折してきた車がスピードをゆるめず、横断歩道に突っ込んできたのです!

 間一髪、車に気づいた真木君が、俺の腕を掴んでくれ、俺たちの数センチ目の前を車が通りすぎていきました。

 おい、おい、そのまま気づかずに歩いていたら轢かれていたかもしれません。

 自分が腰をすくめ唖然としていると、

 突然真木君は走り去ろうとする車に向かい、叫んだのです。


 「あぶねーだろ、オラっ!!」


 その叫び声がドライバーの耳に届いたのかはわかりませんが、車は少しだけスピードを緩め、そのまま走り去っていきました。

 横断歩道の真ん中に立ちすくむ俺のとなりには、ド太い怒鳴り声をあげ、鬼気迫る表情のまま、走り去っていく車を睨みつける友人の姿がありました。


 夏は夜。

 青信号が点滅し、俺たちは足早に歩みを進める。

 心に宿ったトラウマ――

 それは事故りそうになった恐怖よりも、温厚な友人が初めて見せたジャックナイフな姿だった。