顔面神経麻痺とは


「顔の表情を作る筋肉である表情筋の運動や、味覚・聴覚などを支配する顔面神経が何らかの原因で障害されることにより引き起こされる病気」


だ。


---顔面神経麻痺のページ より引用---



原因は不明で症状も急に現れることが多いそうだが、俺もまさにそうだった。


昨日までは普通の何の変哲もない人間だったのに、今日から日常生活もままならない毎日が訪れる・・・


そんな大変化が何の前触れもなく起こるのが顔面神経麻痺の一番恐ろしいところかもしれない。

ごく日常の朝だったのにその日は・・・


洗面所で顔を洗うとまるで顔をナイフで切られたかのような痛みが走り、「グアッ」と悲鳴というかうめき声のようなものを上げて俺はうずくまった。


すぐに痛みは消えたがただ事ではないと思い、休日診療の病院を探して受診したところ言われた一言は、


「顔面神経痛の疑いがあります」




・・・顔面神経痛、なんだそれは?


なんとなく聞いたことはあるがよく知らない未知の病気、それがなぜ俺に?




理由もわからず、一方的に始まった俺と顔面神経痛の長い付き合い。


これはまだ序章にすぎなかったんだ。