私の実家は変わった家だった。

 

いろいろ変な作法があったけど、

冷ややっこの食べ方が独特でw

 

醤油の無駄遣いを厳しく制限されていて、

冷ややっこの最初のひと口は醤油をかけず

豆腐の真ん中にくぼみを作るように食べる。

 

そして、そのくぼみに醤油を垂らす。

 

そこから浴槽のような形になるように、

醤油をこぼさずに食べ進んで、

醤油は継ぎ足さない。

 

最初のくぼみを間違いない大きさにできないと

そのことを責められる。

 

浴槽の形までいくと淵を取り崩して食べるけども

残ったお皿には醤油の色が載らないように

上面が平らになる時にはほぼ醤油はないように

うまくやらないといけない。

 

最後のあたりは、また醤油なしで食べきる。

醤油の色が残るとめちゃくちゃ怒られる。

 

最初のくぼみを適切に見積もれないことや

結局食べられなかった醤油を無駄にしたことは

私がダメだからだということで

 

何日も何日も父親の機嫌が悪く、

顔を合わせるたびに遡って失敗を責められる。

 

父親の生い立ちの不満まで聞かされるので

豆腐を食べるのも命懸けだ。

 

些細な理由でいちいち3週間は責められる。

時には感極まって叩かれる。

 

自分の妻には愛想付かされるのを恐れるからか

私に対するほどはひどくなかったけれど、

怒るきっかけはお母さんが作ってしまうことが多かった。

 

私がミスったときは仕方ないけれど、

母親がきっかけを作ったときは100%私のほうが

長く怒られている。八つ当たりだ。

 

母親にはときどき手を挙げていた。

でも弟には全く手を挙げなかった。

 

母親と弟は始まった!とみると別の部屋に行ったり

逆に、父のほうが別の場所に行って私を呼びつけ

怒りをぶちまけることが多かった。

 

このネタが私の人生の初期のほぼすべてだ。

いっぱいある。書いても書いても終わらないくらいある。