がんフーフー日記 -198ページ目

握手

今日もダンナであります。

ヨメはまだしばらく病院のベッドから離れられないかな。


ヨメは、今日は初めて母乳が出たということで泣いていました。

男の私にはわからないのですが、

女の人にとって、乳が出るか出ないかというのは

またひとつのプレッシャーだったようで。


ぼんやりしている自分が、どうも申し訳ないように思われます。


そんな私は息子を眺めるのが楽しくて。

昨晩、寝るときも、大丈夫かなー大丈夫かなーと、

人はきっと具体的なものを目の前にして初めて、失くす恐怖とか

傷つく不安をリアルに体感できるようで、

ついにそういうものが目の前に現れてしまったことが、やはり嬉しいのです。


NICUの中で、昨日よりずいぶんしっかりしてきたように見える彼の

きゃしゃな開いた掌に、指を差し出すと、それをぎゅっと握ってくる。

私の小指に伝わる、淡い、淡い、力。

それでも、ともかく、力。

不恰好な握手ではあるが、今日一番の感無量タイムといえるでしょう。


しかし、途中からヨメもNICUに入ってきたのだが、

その息子をかまうときの幸せそうなことといったら。

にたにた、へらへら、ふへふへ、とろとろ。

なにかこの調子なら、反抗期の彼に金属バットでがんがん殴られながらも、

「そうだねぇそうだねぇ」と頷きながら、笑っていられることでしょう。


母の愛、底知れじ。

明日は引き続き、療養です。