これは、夢なのかなあ。

メインに並んだ顔触れを見ただけで、熱狂的ブームだった90年代の新日本、混乱、因縁、そして、退団が相次いだ2000年代当初の新日本、その全てドラマが、脳裏に浮かび上がる。
天山のパートナーは、蝶野とヒロ斎藤、対戦相手は、金本、大谷、そして、西村。

大谷が、蝶野が、新日本のリングにあがるなんて!
西村とヒロが、ブリッジワークの攻防を見せるなんて!

今風のマッチョマンなんか、一人もいやしない。
ナチュラルに鍛えられた肉体も、少しだけ、衰えが見え始めていた。

あの頃の連携、あの頃の試合風景、あの頃の熱気が、そして、あの頃にはなかった優しさが、天山を後押しする。

モンゴリアンも、ダイビング・ヘッドも、アナコンダ・バイスも、あの頃の迫力とは、ほど遠い。
でも、あの頃の天山を、取り戻すために、天山は、凱旋試合の時のように、ムーンサルトを解き放った。

カウント3が、入った瞬間、みんな幸せに包まれた。

あぁ、これは、本当にいい夢なんだなあ。
これがあるから、プロレスを追い掛けているのかも。