「空が青いから白を選んだのです」


作家の寮美千子さんが奈良少年刑務所の、対人関係が築けない選りすぐりの問題児たちを集めたプログラムの一部を受け持っている。


その中で、詩を書く授業があるのだが、そこで生まれた詩がとても繊細で、胸をうたれるものばかりだ。


3歳の息子にも読み聞かせた。

好きな色、景色のこと…それらは「そうだね~」と言いながら、笑顔を見せていた。


テーマが「母」になると、彼がえらく静かになったので寝たのかと思い、確認すると…泣いていた。


「だって、悲しいんだもん」


少年刑務所に入る受刑者たちは、重大犯罪を犯した人たちばかりだ。

彼らの背景は、幼稚園にも小学校にも行かせてもらえなかったり、身体的・精神的な虐待を受けていた、児童養護施設にいた…などの大きなものがある。

今まで閉じられていた思いを表現することができるようになったら、3歳児も泣いてしまうような詩となるのだ。


そんな「悲しい」詩でも、息子は「読んで」と私にせがみ、今日も読むのである。












空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)/新潮社
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