最初に野菜を切って、肉を切って、肉を炒めて、
炒まったらそこに野菜を入れて、
野菜に火が通ったら、調味料を投入して、
絡めたら出来上がり。
という方が多いと思います。
町中華みたいに火力が強く、鉄鍋が大きければ、
これでもいいですが、家の装備ではもうふた手間を入れたい。
入れても、時間は同じかもしかすると早くなります。
肉が炒まったら、出す。
その油と肉汁で野菜を炒め、炒まったら、出す。
同じ皿で良いです。盛る皿でも良いので、洗い物は増やさない。
その肉と野菜の汁が残ったところで好きな味を作る。
醤油味でも味噌味でもケチャップでもコチジャンでも、
なんだっていい。そのフライパンでソースを作って煮立たせて、
そこに肉と野菜を戻し入れて、シャッシャッとあえたら、終わり。
家の火力は強力でなく、フライパンもさして大きくない。
せっかく炒まったところに温度の低いものを入れると、
フライパン全体の温度が下がる。
下がると煮えるんです。水分が出てきてしまう。
炒めるというのは何をしているかというと、脱水をしているのです。
ジュージュー、ジジジ、シャーシャー、チリチリという音はつまり、
水分が飛んでいる音です。
何もかも脱水してしまって抜くだけ抜いて仕舞えばいいかというと、
そうじゃない。ここが難しいところですね。
いい抜き具合で、あとは保水したい。
何を言ってるんだという感じかもしれませんが、料理の極意は、
脱水と保水の技術。
たかだか肉野菜炒め。
なんだけど、それだけの技術があるかないかで、
全く違うものが出来上がります。
料理はレシピじゃない。
レシピでは料理はうまくならない。
野菜が立っている。こういう風に炒めたい。
家で町中華と同じレベルの炒め物ができれば、一生の財産になります。

