話し始めると長いのに私は何をやっているんだ。
こんにちは橋崎です。
さて出会いからまとめていこう。と思います。
大学2年のころは彼氏がいました。サークルの(ジャズサークルでした)音楽マスター的な人。2年上の人でした。
普通にやさしい人っていうか、いい人でした。
でも正直つまらん。
なんかもっとサディスティックでもいいのに。
何でもかんでも私のお願いを聞いてくれるし甘やかしてくれる。超過保護。
わかったのは頭を半日くらい撫でられ続ける猫の気持ち。
正直言うと退屈してたんだと思います。
その頃バイトしてた鰻屋さんの厨房は飽き飽きしてたのでとりあえずやめて、教職もとってたし(結局免許取得はやめてるんですが)塾講師でもやるか、と思って2年の5月に面接に行きました。それが初対面。
第一印象は近い!!
対人距離を十分に保ちたい私、しかし(後から聞いた話によると緊張してたのとなんなのとで)近い金本室長。
いやいや、と思ったんですが、まだ鰻屋のシフトに入っていた私を
『テストしてもらわないといけないんですが、忙しいなら自宅に持って帰ってやっていいですよ。別にカンニングしようが調べようが、予習すれば授業はできるし、それに、頭がいい人を必ずしも欲してはいないし。ある程度でいいんで』
と笑顔で帰してくれました。
いい人だなあ、ということで採用。
私が面接に来た時期がちょうど生徒が増える時期で、個別指導だったのですが、初塾講師の私にどんどん担任を任せてくれ「本当に大丈夫だろうか」と思いつつも「期待に応えなきゃ」という気持ちを抱いてバイトに取り組みました。
そのまま1年、周りは学生バイトばかりでどんどんやめていくので、私がバイトの中で一番ベテランみたいになりました。ただし、Y先生という20代後半の女の先生が一番長かったので、その人が一番のベテランでしたが、学生の中ではね、一番古株だったのよ。
3年生の夏に、大学のプログラムで1か月短期留学がありました。
2年の時にいきたかったけど、いくら学校が補助金を出してくれるっつっても高いしなあ、と思って黙っていたら親に「せっかくなんだから行きなさい」と背を押してもらい、3年生で留学。
アメリカに行った一か月間、本当に世界が広がったものです。
それもありますが、一番の懸念事項は夏期講習という大事な時期に、一番担当している生徒が多い私が抜けることで、かなり迷惑をかけてしまうということ。
「迷惑かけてしまいますが、すいません」に『本当ですよ』と笑顔で返す。
「どうしたらいいですかねぇ」に『好きにしたらいいんじゃないですか?責任はこっちでとるし。』と返してくれる。
そんな金本さんに意識を向けているなあと実感したのはアメリカから帰った秋のことでした。
彼氏に飽き飽きしていたのかもしれません。
浮気はしない。だから別れよう、という話を持ちかけました。
何度も引き止められては申し訳なさからくるストレスに吐く日々。1か月ほどでしたがたぶんやつれてた。それを毎度救ってくれたのは金本さんのおやじギャグ。もうあほなんじゃないかというくらいくだらないことしか言わない。
でもそれが恋心に代わっていったのも事実で、その年の11月に私は彼氏と別れました。
4年生になると就職活動が始まります。
12月ごろからバイト終わりに5,6時間塾で金本さんと二人きり、立ち話をする機会が増えました。
あの時間は今思い返しても幸せで楽しかった。
その話題もだんだん就職活動の話になって、デザインの道に進んでみたかった私が相談を持ちかけると『昔デザイン会社に勤めてましたよ』と返され、より長引く会話。
ある日、大学の授業合間に携帯を見ると塾から着信が入っていました。
金本さんの声が聞きたい。それだけで元気が出る。
うきうきしながらかけ直すといつも通り明るいジョークとあいさつ。
『今日予定だった●●ちゃんお休みだそうです』
「はーい。わかりました」
『こないだ話してた会社に履歴書送ったんですか?』
「送りましたよー。おかげで寝てないんです」
『ははは』
「あ、授業、次もあるんで、またこの話は夜にでも」
『了解です。じゃあまた』
こんな電話したらもう授業中もウキウキです。
基本ひとり受講が好きだった私が一人にやにやしているのだから変人に違いない。途中あった友達にも「なんかいいことあった?」と聞かれる始末。
夜から授業に入るので夕方に塾について、授業準備を一人でしていた私のところに、塾長ブースから出てきて話しかけようとする金本さん。
しかし珍しくその日は話しかけることなく、近くで『準備ですか?』『ふーん…』など、何か言いたいことがあるけど言えないそぶりをされていました。
なにかあったんですか、と聞こうとしたときにドアを開けて元気に突っ込んでくる生徒。
私も金本さんも生徒対応に追われるまま授業を終え、夜。
帰るときもやはりいつもと様子が違う。
気になってしょうがない私がとった行動は
「ご飯でも食べに行きませんか?」
やっちまった。
残っていたのは金本さん…と、Y先生。
Y先生のことはお互いあまり信用しておらず、好きでもありませんでした。
金本さんの苦笑いで、あちゃー、と思ったのですが、
『そういえば、履歴書出したんでしょ?』
と言われたのをきっかけにまた立ち話モード。
Y先生がその30分後くらいに帰ったのを見計らって金本さんが笑いながら話し始めました。
『俺、基本ごはんも飲み会もいかないから、どうぞそちらでお好きに、ってY先生に言ってるんですよ。あの状態でほいほい行ってたらおかしいでしょ?』
「そうだったんですね。ごめんなさい。」
『いいですよ。じゃ、飯、行きましょうか。』
「え?いいですよ、軽く冗談だったし…」
『本気だったでしょ。いいですよ、飯くらい。』
といいつつ帰る用意をする金本さん。誘ったのは自分なのに、いざ本当にごはん、二人きりで、となると緊張し始める私。
外に出て震えてるのは4月の夜の寒さのせいだけじゃない。と、確信していました。
長くなるので続きます。
