羽田空港は成田空港ほど利用客が少ないのだろう。
それとも、このご時世だから少ないのだろうか。
あっという間に出国審査も終わり、10時発のJAL便に乗り込む。
登場開始が始まるとさっさと並び、早々に席に着く。
3人掛けの真ん中と通路側に座っていると、「あ、すみません」と非常に太った
男性が乗り込んでくる。どうやら窓際の席らしい。
せっかくシートベルトも締めたのだから出るのも面倒だ。
通路側の娘は立ち上がったものの、私は座ったままイスにへばりつき小さくなって
「あ、ごめんなさい。このままでどうぞ、ほほほ」と席を勧める。
かなり太った男性は、ちょっと弱った顔をしながら、エコノミーシートの狭い
シートの前をギューギューと汗をかきながら通って座った。
かなりのお腹の肉で、「あのー、できればどいてくれませんかね」と
お腹が言っているかのように通過に手間取り、着席までに時間を要した。

 3人が着席して間もなく、きれいなスチュワーデスさんが通った。
娘が「カウンターでオーディオが壊れていると聞いたんですが、
どちらが壊れていますか?」と聞く。ちょっとお待ちくださいと調べにいくと
「真ん中でございます。申し訳ありません」と、非常に恐縮した感じで答える。
その後も、飛行機を降りるまで、このスチュワーデスさんは私たちに気をつかってくれて、
「調べましたところ、オーディオは使えるようになったようです」。
それでも使わない私の様子を見ると
「私が操作しましょうか」「ご不便かけて申し訳ありません」と、
声を掛けてくれた。なんとも御丁寧である。
飛行機を降りるときには、免税品を買ってもいないのに、免税品を入れる
ビニールの袋を持ってきた。えっ、私は何も買っていませんけど、と思ったら
「ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。よろしかったらどうぞ」と、
昼食時にも配られたあられ数袋、紙コップにギューっと詰めたJALオリジナルの飴を
渡してくれた。

結局、何の問題もなかったオーディオのお陰で、モノをもらうこととなった。
これは、隣のだいぶ太った男性が、座った途端にイビキを書いて騒音を発して
うるさかったのをさしひいてもラッキーだったのではないか。