今日は本園のお手伝い活動→係活動→当番活動、についての記事を書きたいと思います。
金曜日なので、ちょっと長め。

長年、教育課程に則って、よい流れで、この活動ができているのですが、
ブログを始めるまでは詳しくお伝えする機会がなく、残念に思っていました。
なので、ここぞとばかりに書きます!
今日は書きます!!

 小学校に行くと、どの学校もお当番活動がありますよね?
給食当番、電気消し、学級文庫の整頓、保健室に連れていく、黒板消し 等。
それらは、丸い形のお当番表で、自動的に回ってきて、やりたくてもやりたくなくてもやらなければいけない。。。
それがお当番というもの。
 なぜやらなければいけないのか、やりたくなければさぼっちゃう? だるいなぁ。。。
それよりも、やるからには楽しく! みんなのためになるよね! 先生も助かるよね! 
みたいな、前向きな気持ちで取り組めた方が楽しいですよね。
 そんな気持ちで主体的に行うことができるようになるためには、幼児期に細かなプロセスを経て、
経験していくことが大切じゃないかなと思っています。

 年少さんではちょうど今の時期、幼稚園生活にもだいぶ慣れてきて、大好きな先生と同じことしてみたいな、という気持ちが
芽生えてきます。
この時期は、担任と一緒に給食の牛乳を運んだりなどのお手伝いをしてくれています。

 そして年中さんになり、徐々にクラスの生活のために、進んでお手伝いをしてみたいという子が増えてきます。
今は、やりたい子(といってもクラスの大半)が、何人かで給食を運んだり、机を拭いたり楽しくお手伝いをしてくれています。

 そして年長さんになると、年中からの引き続きで1学期中は先生のお手伝いを通してクラスのみんなの役にたつ経験をしていきます。その際担任は、一斉保育の時に「○○ちゃんがこんなお手伝いをしてくれたよ。みんな助かるね!」等と、行ってくれたことがみんなの役に立っていることを感じられるように日々紹介していきます。

 そのうち、何人かの子が自然にお手伝いをしてくれるようになっていきます。
そして、運動会明けになると、リレー等で自分のためだけでなく、みんなのために頑張る経験をしてきたことで、今度は視野を広げて全園的なお手伝いをしてみたいという気持ちも芽生えてきます。
そんな子どもたちの様子を担任はしっかりキャッチして、クラスでの話し合いに繋げていきます。
自分たちにどんなことができるだろう。 

 ここからは、係活動の始まりです。
始めは子どもたちから出てきたたくさんある係を一通りやっていきます。
しばらくすると、たくさんある係の中で「やれるもの、やれないもの」「必要なもの必要でないもの」「毎日できるものできないもの」
「人気のあるもの誰も選ばないもの」などが出てくるので、またクラスで話し合って整理していきます。
 そしてある程度整理されたものの中で、朝来た子からやりたい係を毎日選んで、行う活動が始まっていきます。
そこでまた問題が出てきます。この時点では何の係を何人やってもいいので、例えば給食係に人が殺到し、必要以上の子が給食係をやっている、等。 何でも実際にやってみることが基本なので、ほとんどの子が給食係で、廊下まで給食係で溢れかえり、配られる子は7人くらいしかいなかったこともあります。笑
 徐々に出てくる不満の声を、「それ、みんなにも話してくれるかな?」等と伝え、全体の問題として取り上げていきます。
このあたりから、係によって必要な人数を決めた方がいいという意見が出てきます。
そして、次に出てくるのが、人数が決まっているからこそ、遅バスの子は残った係しか選べない、早バスだけずるい。
じゃあどうやって日々の係を決めよう?
全員登園してから決めるのはどうか、等の意見が出てきます。
また、始めのうちは自由保育中のやりたい時間に自由に係活動をすればよかったのが、
話し合いを重ねるうちに、みんなで決まった時間にやった方がいいんじゃないか、という意見も出てきます。
 そして、現在、幾度かの話し合いを重ねたのち、自由保育の片付けの後に係活動を一斉に行うという段階に来ています。
また、給食当番はその時何をすればいいか、他の係を手伝うのか?二つやれるなんてずるい。等の意見も出てくるので、
みんなでどうするかを決めていきます。

 ちなみに、年長さんは自分たちのクラスだけでなく、園全体の窓ふきや、掃き掃除等いろんなお手伝いをしてくれるので、その様子に気づいた他学年や職員室の先生はすかさず「助かるなあ」「ありがとう」 と伝えるようにしています。
役に立つって心地いいなって思ってほしいので。

この後3学期になると、どの子も主体的に、しっかり意図をもって係活動を行うことができてくるので、またクラスでの話し合いを経て、いよいよ係活動からお当番活動にステップアップしていきます。 (小学校のようなお当番表で自動的に回ってくるような形です。)
基本的には、子ども達の話し合いからでた意見を尊重してやっていくので年によって流れにバラつきはありますが、おおよそこんな流れでいくことが多いです。
 
 お手伝い→係→お当番 になっていく過程には3年間という時間をじっくり使って、自分だけでなくみんなで生活していることを成長に合わせて感じていく。お当番だからやらなければいけないのではなく、みんなで生活していくには一人ひとりができることを自分たちで考え、自主的に行動する。 というプロセスを、丁寧に積み重ねながらやっていくことが大切だと思っています。

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 とはいえ、これも保育のほんの一部。
他の様々な活動も、教育課程をもとにしっかりとねらいを定めて行っていますよ。
こんな風に細かく説明したのは初めてかもしれませんが、こういう地味で地道な部分をこれからも少しずつお伝えできたらなと
思います。
長文お読みいただきありがとうございました。

おやすみなさい!