東京駅に着いた。

 

 

 

「あのぉ・・・・・」

 

 

おそるおそるって感じで交番に入っていく。

 

 

場所は、

 

新幹線、改札出る時に駅員さんに聞いた。

 

 

 

 

さっすが、

 

天下の「東京駅」

 

 

交番もデカい。

 

 

入り口、カウンターには3人ものお巡りさんが座っていた。

 

 

 

「うん、どうしたの??」

 

 

学生服。

 

アディダスバッグひとつの高校生に、ちょっと不審そうなお巡りさん。

 

 

オレは、メモ紙を差し出した。

 

 

「ここに行きたいんです・・・・」

 

 

 

オレが、

就職活動の高校生だとわかって、お巡りさんは一気ににこやか・・・ってか、親切顔になった。

 

 

地図を取り出してくれて、場所を見つけてくれて・・・・

 

 

「おおーーすごいね、大手に就職だねー」

 

 

地図には会社名も入っていた。

 

 

 

・・・・いや・・・まだ、これから試験なんですけど・・・

 

 

 

ってな感じで、

 

お巡りさんは、

 

最寄り駅を見つけてくれた。

 

 

んで、

 

 

乗る電車・・・・乗り換え・・・・・

 

 

紙に書いてくれた。

 

 

立派なレポート用紙。

 

 

ウチの担任から渡されたメモ紙とはぜんっぜん違った・笑。

 

文字だって読みやすい。きれいなメモだ。

 

 

で、

 

交番を後にする。

 

 

 

東京駅をウロウロして、乗る電車を探して・・・・

 

 

・・・・・しっかしまぁ・・・・

 

 

なんて広い駅なんだろうな・・・・

 

 

歩く人は、

 

みんな、ちょー速足だしさぁ。

 

 

いやいや・・・・

 

 

「広い」ってだけじゃない。

 

 

 

「上下」にも大きいんだった。

 

 

ながーーーい、ながーーーいエスカレーターが動いてる。・・・・・・地下何階まであるんだ???

 

 

 

地上4階建てのビルとかは見た事あるけど、

 

 

地下4階って何だよな???笑。

 

 

 

もう、

 

あまりの広さ。

 

わけわからん。

 

 

 

目指す電車は、

 

けっこー離れた場所に乗り場があった。

 

 

人にぶつかり・・・・

 

 

「人波」ってのを、んとに実感する。

 

 

うちの田舎じゃ、

 

県庁所在地でも、

 

こんなにヒトさ、見だごとねぇべさ・・・・

 

 

 

ようやく電車に乗った。

 

 

 

・・・・が、

 

 

一安心ってわけにもいかない。

 

まだ、

 

乗り換えが待っている。

 

 

車内アナウンス・・・・・・独特のイントネーションの声に耳を澄ませて立ってる。・・・・・座って降りられなかったら大変だ。

 

 

まーーーったく、気が抜けない。

 

 

 

1回乗りかえ・・・・

 

 

2回・・・・・

 

 

 

気づけば、

 

 

メシを食っていない。

 

 

・・・・・すでに、「昼」を過ぎていた。

 

 

 

朝、

 

インスタントの珈琲を飲んだっきりだ。

 

 

けど、

 

 

腹も減らない。

 

 

 

平静を装っていても、

 

 

身体は、極度に緊張している。

 

胃が収縮しているのがわかる。

 

 

 

3回の乗り換え。

 

 

ようやくに、目的地に着いた。

 

 

 

着いた駅は、

 

 

「東京なのか???」

 

 

んな感じのさびれた駅だった。

 

 

それでも、

 

 

もちろん、

 

 

地元の「無人改札」よっかは・・・・・ってか、ふつーに人が歩いている。

 

 

「東京駅」からは、落差があるってだけ。

 

 

当たり前だけど、

 

 

オレには、こっちのほうが、よーーーっぽど、落ち着く。気楽。

 

 

 

 

・・・・・・とりあえず、

 

 

トイレに向かった。

 

 

 

「大便」

 

 

扉をあけて個室に入る。

 

 

上着を脱いだ。

 

 

蓋の上から腰かける。

 

 

学生服は足元だ。アディダスバッグの上だ。

 

 

 

・・・・で、

 

直人から買った、

SEVENSTAR に火を点ける。

 

 

ちょっと、手が震え気味だ・・・・

 

 

 

一息吸って、

 

煙を吐き出す・・・・・・

 

 

 

煙と一緒に、身体中の「緊張」も吐き出していく感じがする・・・・・

 

 

 

クラクラした。

 

 

 

もう、

 

タバコは日常だ。

 

 

初めて吸ったッ時の「クラクラする」

 

そんなものは、とっくになくなっていた。

 

 

・・・・けど、

 

今は、

 

 

ちょーーーーークラクラした・・・・

 

 

 

・・・・・気持ちいい・・・・

 

 

 

今日も元気だ、煙草が美味い・・・・

 

 

 

ニコチンで、

 

脳が解けていく感覚を堪能する・・・・

 

 

・・・・・これで、熱っつい珈琲があったら最高なんだけどなぁ・・・・・

 

 

 

タバコを1本吸うには7分かかる。

 

 

今は、急いでるから、4分ってとこか。

 

 

それでも、

 

 

飲まず食わぬの果ての小休止。

 

いかも、ニコチンの毒素。

 

 

 

気分は落ち着いてきた・・・・・・

 

 

 

・・・・・・さーーーて・・・・・どうすっかぁ・・・・

 

 

 

こっから、

 

目指す会社までは、

交番で見せてくれた地図。歩いて10分もかからないって感じだった。

 

 

 

手元。

 

 

SEVENSTAR  ・・・・んで、100円ライターを見つけめて考える。

 

 

 

前回の就職試験。

 

 

喫煙。

 

・・・・しかも、飲酒までやらかし、落とされた・笑。

 

 

当たり前の結果だ。

 

 

 

今回は、

 

 

その二の舞はふめない。

 

 

 

「絶対に煙草は吸わない」

 

 

 

当たり前のことだ。

 

 

 

 

・・・・・けどなぁ・・・

 

 

 

また、

 

 

「悪い仲間」みたいなのがいると、

 

 

なんだか、誘惑に流されそうだ。

 

 

 

 

「捨てちゃった方がいい」

 

 

 

「絶対に煙草は吸わない」

 

 

思っていても、

 

手元にあれば、

 

なんかの拍子に手を出しちゃうんじゃないか・・・???

 

 

 

一番は、

 

 

手元にないってほうがいい。

 

 

 

 

・・・・・・しっかし・・・・・

 

 

 

まだ、

 

 

中には10本は残ってそうだ。

 

 

・・・・・んで、ライター・・・・

 

 

 

高校生のオレにとっては、

 

 

「捨てる」

 

 

決断をするには安いものじゃない。

 

 

 

 

・・・・・けどなぁ・・・

 

 

 

「一生がかかってるんだぜ」

 

 

 

この就職。

 

落ちるわけにはいかない。

 

 

 

立ち上がる。

 

 

上着を着る。

 

 

 

壁。

 

上に棚があって、トイレットペーパーとかが置いてある。

 

 

その奥に、SEVENSTAR  100円ライターを隠すように置いた。

 

 

 

便所をでた。

 

 

 

 

「就職試験」

 

 

いざ、出陣。

 

 

 

気分は、背水の陣だった・笑。