繊細で敏感な皮膚とベールが細い糸の針に触れているような触れていないような
今にも壊れそうだけど一度も壊されたことはない
すっごく小さい細いものなのに実はありえないほど大きく、
ありえないほど軽いものなのに実は耐え切れないほど重いものを支えている
人間の感覚は全て失われ
頭の中が白く単純化する
嘘がつけない
怒りも悲しみも喜びも何も存在しない
感情はない でも
いつ壊れるかおびえ続ける
いつ壊してしまうのか、目の前にある静かにとどまる大きくて分厚い鐘を目の前にして
静寂の中で目の前に迫った爆音の恐怖におびえる私は苦しみを持たない
それを楽しむ私を知ったあなたはどう思うのだろうか
話していてよかった
とどまることができなければ私は自己嫌悪に陥り
朝目覚めても元に戻ることができなかったかもしれない
最悪の事態は免れた
初めて姿を見られた当の本人は楽しんでいたけど
起きた私は楽しんでなんかいられない
見られてよかった昨日は思ったけどやっぱり怖いに決まってる
一番人に見られたくない、でも見せたかったけど見せることができなかった彼女が姿を現した
彼女は試していたのか はたまた演技をしていたのか
あなたは普通にしていてくれたけど 実は怯えていたのか
タイミングが悪かったのか?
暴言を吐く私は、あの子とは違うけど
あなたからしてみればどちらも同じ私だ。
怖い こわい
怖くて仕方ない
このままどうなってしまうのか
私はまた姿を現すのか
だとしたらこの先に何が待っている?
幸せしか望んでない私に幸せはくるはずないのだろうか
あの子はすっといなくなってくれたけど
もし戻りたくても戻れない状態になったら
鐘が鳴り出したら
ベールがやぶられそうになったら
いろんな人が喋りだしたら
頭がぐるぐる回転して思考が一つでなくなってしまったら
喋れなくなってしまったら
喋りたくない
見られたくない
みられたら嫌われる
面倒くさい
面倒くさがられる
嘘だと言われる
気持ちが悪い
そう思われたら
人の目を異常に気にする私はやっていけるのか
第一
なんであの子はでてきたの?
出番はまだな気がするよ
まだ誰にも見られずに静かに一人ぼっちで中で怯えてりゃいいのに
壊すな
外に出てくんな
消えてなくなるのは寂しいけど
実際消えてなくなってしまった方が先に幸せが見える
おまえが存在する自分に幸せなんかきやしないよ
消えろ








