デジタル作画環境は大きく分けて3種類。

  • 液晶タブレット(液タブ)

  • ペンタブレット(板タブ)

  • iPadなどのタブレット端末

よく「どれが一番いいですか?」と聞かれますが、
結論から言うと

どれも優劣ではなく、“育つ能力が違う”だけです。

今日は「描き心地」ではなく
「何の能力が試され、何が育つのか」という視点で解説します。


液晶タブレット(液タブ)

 


■ 描き心地

・紙に近い
・直感的
・ズレがない
・視線と手が一致する安心感

■ 試される能力

実は「空間把握力」はあまり試されません。
なぜなら、目と手が一致しているから。

その代わり試されるのは

  • 線の精度

  • 描写力

  • 情報量コントロール

つまり、純粋な画力の誤魔化しが効かない環境です。

■ 育つ能力

  • 線の強弱コントロール

  • 細部描写の積み重ね力

  • 画面密度の設計

■ 落とし穴

描きやすすぎて「考えずに描ける」。

結果、構図や演出を詰めずに作業的になる人が多い。


板タブ(ペンタブレット)

 


■ 描き心地

・手元を見ない
・画面を見る
・最初は違和感が強い

■ 試される能力

ここが重要。

板タブは

脳内変換能力が試されます。

  • 手の動きと画面の動きの一致

  • 空間認識

  • 線の予測制御

■ 育つ能力

  • 立体把握

  • 空間設計

  • 線の迷いの排除

  • 構図全体を見る力

実は、板タブが一番「漫画向きの基礎力」が鍛えられます。

なぜなら、常に画面全体を見ながら描くから。

■ 落とし穴

慣れるまでストレスが強い。
ここで辞める人は多い。

でもこの期間を越えると「脳が強くなる」。


iPadなどのタブレット端末

 


■ 描き心地

・気軽
・どこでも描ける
・起動が速い
・紙に近い

■ 試される能力

これは意外と

アウトプット量の継続力

環境的ハードルが低いので

  • アイデア瞬発力

  • ラフ量産力

  • 試行回数

が試されます。

■ 育つ能力

  • 発想回転力

  • スピードラフ

  • 描く習慣

■ 落とし穴

気軽すぎて完成させない。
「ラフ職人」で止まる人が多い。


結論:何を鍛えたいかで選べ

■ 描写力を極限まで上げたい → 液タブ
■ 空間力・構図力を鍛えたい → 板タブ
■ 発想量と継続を鍛えたい → タブレット

プロは最終的に「どれでも描ける」。

なぜなら能力が内在化しているから。


あなたはどの能力を避けている?

多くの人は

「楽な環境」を選びます。

でも伸びる人は

自分が弱い能力を鍛えられる環境を選びます。

道具は快適さではなく
“成長装置”として選ぶもの。


最後に。

あなたの今の伸び悩みは
画力不足ですか?
空間把握不足ですか?
それとも継続不足ですか?

そこが分かれば、
選ぶべき環境も変わります。