静まり返った教室と
壁に貼られた 思い出の写真が
淋しい風を吹かせて
もう・・・誰もいない・・・


少しだけ振り返ってみたら
あなたにたくさんの事を教えてもらっていたことに
今頃 気づく私です

あなたは
私のいくつかの夢のひとつに
先に向かって歩いています


最後のあなたの姿を
この目にずっと焼きつけて

最後のあなたの言葉を
この心にずっと刻み付けて

もう一度

少しだけ 振り返ります
 もうすぐ高校最後の夏休みを迎えるという日。


 赤い扉を開けて、顧問の佐久川先生が大きめの封筒を智哉に渡した。

その場にいたみんなは、たしか注目したと思う。

 封筒から取り出したのは、東京にある日工大学のパンフレットにその他もろもろ。そして私は知った。智哉が大学の推薦入学に合格したことを。
 東京にいくなんて、少しも聞いてなかった。

 泣き出しそうな気持ちを皆の前だからって、押さえた。だけど心の中の何かが,音を立てて崩れていくのがわかった。私が壊れていく。壊れていく。 東京には飛行機に乗らなきゃいけないんだよ・・・。



そして追い討ちをかけた一言。

他に好きな人って・・・。
だれ!?だれ!?



毎日そればかり考えるようになった。


私は壊れていた。
初めて 触れた その頬に
伝う 涙を 拭いながら
心の中を 読み取ろう

初めて 触れた その髪に
愛しさ 感じた 夏の終わり
何もかも 脱ぎ捨てて

信じた 身体を
今 指でたどり

心 惑わす 夜明けの静けさ
見ていたのは
蒼くなり始めた月だけだった・・・