リアル フレディマーキュリーファンの私が、まさか今になってこんなことを公表することになろうとは・・・・・
と、いかにもセクシャルマイノリティに関するカミングアウトのような書き出し
ですが、
これはフェイク。
では、真面目に
以下、公表いたします。
私、
癌
を発症しました。
がん と申しましても様々あるわけですが、私のは、大腿部軟部悪性肉腫 といい、右足太もものつけ根内側に子供のこぶし大の腫瘤、いわゆるコブができてしまうものです。統計によれば軟部肉腫は10万人に5人という希少な部類の癌であるとのこと。サルコーマと検索すると沢山情報は出てきます。
足を動かすと大きくなったり小さくなったりするもので、チカラコブみたいなもんだろうとあまり気にかけていませんでしたが、徐々にその大きさが尋常ではなくなり、精密検査により悪性腫瘍、すなわち癌、と診断された、と。
なので発症というよりは発覚、あるいは認知されたというほうが正確で、いささかお些末な顛末ではございます。
これっていわゆるがん告知。
あれ?
死ぬ?
20分間だけ落ちこみました。
代々の家系からして、いつかはこういう日が来るだろうとは思っていましたが、それは覚悟と言えるものではなかったことがハッキリしました。いつか人は死ぬ時が来るのですが普段はそんなの気にもしない。けど、それを身近に意識したとき、どうしてもやはり落ち込むんだ、と気づいた。
だけど、
『一歩前に進めたからいいじゃないですか』と言って落ち込む私に声をかけてくれた田中看護師。
女神かと思った。
マスクの上の目もとのあたりだけの判断だけど間違いなくヴィーナスだ。
少なくともその時の私にはそう思えたのです。
それが次の診察の予定が決まってそれを伝えに来てくれた20分後のことだったのでした。
『次回は転移の有無のPETCT検査をしましょう』と主治医の和田医師が言う。
20分で立ち直ったはずだったが、実はその後の1週間も実は気が気ではなかった。転移のある無しで生存期間に大差が出るからだ。ステージ1と4とでは雲泥の差であり、1なら5年生存確率の高さを、4なら余命期間の短さを和田医師に聞くことになる。
結局、転移は認められずひと安心。
もしもステージ4だったら、遊漁船業は即刻廃業、がじゅまるを売却、現金化してまずは四国巡礼か世界一周の旅に出るとかして、死ぬまでにやりたい10だか100のことだかを書いて、それらをやりきって逝きたい、なんて考えただろうと思う。やりたい事が沢山あり過ぎて資金不足におちいって中途半端で終わるのは間違いない。
余命宣告されずに済んで、今後の治療の方針を聞いた。化学療法を1ヶ月に4日間程を1クールとして、これを3クール行って腫瘤の縮小化を図り最後に外科手術により切除、という予定だそうだ。
現在は化学療法1クール目を終了したところ。8月17日から2クール目の入院だ。
痛みがあるわけでもなく普段の生活にはなんら支障無いので公表の必要もないとも言えるけど、治療の数日間はがじゅまるの営業に支障が出るのは明らかで、いずれ知れ渡ることを都度説明するのがなによりやっかいなので、それならいっその事公表してしまおう、というのがカミングアウトの動機でした。
がじゅまるの予約サイトのカレンダーに予約をお受けできない空白があります。それが治療期間であるものとご理解いただければ有り難く。
考えてみるとこの癌発覚のタイミングはベストと言えるかも知れない。定年退職直後で仕事には支障出ず、がじゅまるは営業開始間もなくでまだ開店休業状態でご迷惑をおかけするお客様が少ない、治療に融通できる時間はたっぷり、といった状況からしても、『幸運だったかも』と思える。
まぁ、人生いろいろありますけど結局のところ
『なんくるないさ~』
です。なるようにしかならんのです。
決してあきらめるとか投げ出すという意味ではなくてですよ。
またひとつがじゅまるの名前の由来が増えました。
癌を授かっていろいろ考えさせられました、ということで
癌授丸
ちょっと自虐的ではありますが字面的にはピッタリですね~。