ノーベル文学賞にペルーの作家 バルガス・リョサ氏
ペルーの首都リマで、著書「都会と犬ども」を持つバルガス・リョサ氏=2月(ロイター=共同)
【ロンドン共同】スウェーデン・アカデミーは7日、2010年のノーベル文学賞を、ラテンアメリカ文学の代表的
存在でペルー出身の作家、マリオ・バルガス・リョサ氏(74)に授与すると発表した。同アカデミーは授賞理由で「権力の構造」を明確に描き、「個人の抵
抗、反抗や敗北を鋭く表現した」と称賛した。
南米大陸出身者の同賞受賞は1982年のガルシア・マルケス氏(コロンビア)以来。
バルガス・リョサ氏は政治にも興味を示し、90年のペルー大統領選に出馬したが、決選投票でアルベルト・フジモリ氏に敗れた。93年にはスペイン国籍を取得。以後、欧州を中心に活動し、AP通信によると最近は米プリンストン大でも教壇に立っている。
36年、ペルー南部のアレキパで生まれ、高校時代から地元紙にコラムを執筆。その後、放送局や通信社記者などを務めた。
士官学校を舞台に腐敗した社会を描いた1963年の「都会と犬ども」が代表作。その新しい文体と手法は、スペイ
ン語文学に新風を巻き起こした。66年には前衛的な手法を用いてアマゾンを舞台にしたさまざまな人間模様を描いた長編小説「緑の家」を発表、作家として確
たる地位を築いた。76~79年に国際ペンクラブ会長を務め、現在は名誉会長。
賞金は1千万クローナ(約1億2千万円)。授賞式は12月10日にストックホルムで行われる。
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100701000774.html
バルガス・リョサ氏にノーベル文学賞=ペルー出身、権力構造や個人の抵抗鋭く描く
【ロンドン時事】スウェーデン・アカデミーは7日、今年のノーベル文学賞を南米ペルー出身の小説家マリオ・バルガス・リョサ氏(74)に授与すると発表した。
同アカデミーは授賞理由を「権力の見取り図を示し、個々の人々の抵抗や反乱、敗北などのイメージを鮮やかに表現した」と説明した。賞金は1000万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。
バルガス・リョサ氏は1936年、ペルー南部の都市アレキパ生まれ。国立サンマルコス大学で法律と文学を学び、在学中から創作を始めた。ペルーの風土や社
会問題を描いた長編小説「緑の家」(66年)がスペイン批評家賞などを受賞し、一躍有名となった。19世紀のブラジルで起きたカルト集団の反乱を扱った歴
史長編「世界終末戦争」(81年)でリッツ・パリ・ヘミングウェー賞。最近の作品に長編「楽園への道」、ルポ「イラク日記」(ともに2003年)、戯曲
「戯曲、オデュッセウスとペネロペ」(07年)など。
社会運動や政治活動にも積極的に携わった。1967年にはパリで哲学者サルトルらと共にペ
ルー政治犯の擁護を表明。88年には2大保守政党を糾合して「民主戦線」を結成。その代表として90年の大統領選に立候補したが、アルベルト・フジモリ氏
に敗れた。76年には国際ペン会長に選出された。
コロンビアのガルシア・マルケス氏、メキシコのフエンテス氏と並び、現代ラテンアメリカ文学を代表する作家の一人。(2010/10/07-22:18)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int&k=2010100700901&j1
マリオ・バルガス・リョサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホルヘ・マリオ・ペドロ・バルガス・リョサ(Jorge Mario Pedro Vargas Llosa, 1936年
3月28日
- )は、ペルー
の小説家
。アレキパ
出身。ラテンアメリカ文学
の代表的な作家でありジャーナリスト、エッセイストでもある。
概要 [編集
]
略歴 [編集
]
バルガス・リョサはラテン・アメリカ文学で最も重要な作家の一人であり、また世代を代表する書き手でもある。ラテン・アメリカ文学が60年代から70年代にかけて世界的に流行したなかで、最も影響力をもち、また広範な読者を獲得したのは彼だと考えている批評家もいる[1]
。2010年にノーベル文学賞を受賞した。「権力構造の『地図学』と、個人の抵抗と反抗、そしてその敗北を鮮烈なイメージ」で描いたことをを称えたものだった[2]
。
バルガス・リョサがその文名を高めたのは1960年代の「都会と犬ども」「緑の家」をはじめとする長編小説群だった。またジャーナリズムや文芸批評
などのジャンルを含めた精力的な作家活動を行っている。彼の小説はコメディーでもあればミステリーでもある。あるいはそれは歴史小説でもあれば、ぞっとす
るような政情を描いていたりもするのである。「パンタレオン大尉と女たち」と「フリアとシナリオライター」は映画化がされている。
彼の仕事の多くには書き手として観るペルー社会が色濃くでている。自身の母国であるペルーでの実体験も同様である。しかし、彼の活動領域はますます
広がりをみせ、他国で問題となっているテーマへも取り組むようになった。作家としての方向転換は他にもある。近代文学を思わせるスタイルやアプローチだけ
でなく、ときとして非常にポストモダン的な作風をみせることがそれだ。
多くのラテン・アメリカ文学の作家と同様に、バルガス・リョサは作家活動を通じた政治行動にも積極的である。その政治思想は、次第に左翼的なものか
ら右翼的になっていく。はじめはキューバでのカストロ政権を支持していたのだが、後には彼への失望を語っている。1990年には中道右派のFREDEMO
連合からペルー大統領に立候補した。ネオリベラル的な改革を唱道してのものである。その後バルガス・リョサは穏健的保守政党の支持にまわっている。
作品 [編集
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フィクション [編集
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ノンフィクション [編集
]
脚注 [編集
]
- ^
Boland & Harvey 1988
, p. 7 and Cevallos 1991
, p. 272
- ^
“The Nobel Prize in Literature 2010
”. Nobelprize (7 October 2010). 7 October 2010閲覧。
外部リンク [編集
]