インクルージョン。つまり「内包物」です。

鉱物というのは、基本的に均一の化学組成から成るものですが
その中に「別のモノ」が入り込む事が多々あります。
これをインクルージョン、と呼んでおります。

Q「あ、この水晶ヒビがはいってる~。インクルージョン?」

A バカヤロゥ。 ヒビはモノぢゃねーよヽ(`Д´)ノ


Q「水入り水晶が採れた~」

A 水は物質です。ある意味、H2Oという組成の鉱物とも言えるので
 インクルージョンですね。(´-`)


Q「紫水晶や緑水晶って、インクルージョンで色が付いてる?」

A 緑の場合は、発色原因が内包する鉱物(角閃石・緑泥石・灰鉄輝石など)
 に由来するのでインクルージョンだと言えますか・・・。
 紫水晶は、SiO2という組成の中の珪素の部分を微量の鉄イオンが
 補って発色しているとされています。

ちょっとややこしい説明ですが、完全に別の物が入っているならともかく
微量元素が組成を崩すことなく主たる構成元素と置き換わっている場合は
インクルージョンという表現はされませんね。^^;

さて、インクルージョンが入るということは、その鉱物が成長する際に
別の鉱物(またはそれを構成できる元素)が閉じ込められた状態であって、
地下の高温・高圧環境で成されるので、普通に考えると有機物・生物由来の
ものが入るとは考えにくいですね。

Q「虫入り琥珀って、インクルージョンじゃないのん?」

A 言いたければ言っていいです。(笑)
 但し、琥珀は天然樹脂の化石、つまり有機物ですから厳密には琥珀自体が
 鉱物ではありません。 ここではあくまで「鉱物のインクルージョン」を
 前提にお話させてもらいますです。^^;


それではいろいろなインクルージョンをちょっとご紹介してみましょうか。

まずは水晶。
地球ではかなりありふれた鉱物で、生成される環境にも幅がある為いろんな
インクルージョンを見ることが出来ます。
「草入り」「ススキ入り」「マリモ入り」など良く聞きますが前述のとおり
当然草やマリモではありません。(笑) そのように見える鉱物が入っている
という事ですね。


水入り水晶も良く知られていますが、でもちょっと待ってください。
通常、水入り水晶は水の入っている部分に気泡があって、結晶を傾けたり
すると気泡が動くことで水が入ってる事が判ります。 もし透明な水晶に
透明な水があって、気泡がなかったら・・・判らないだけで、アナタの水晶も
水が入っているかも!?・・・(´-`)
さて、どう思いますか?(笑)

もう1つ、水入り水晶のお話を。
下の画像は、中国産の水入り水晶です。 
ご丁寧に両錘。w
The Key of Gaia出張所-水入り1

しかし気泡はなく、黒or濃緑色の
物体が移動することで水入りだと確認できるものです。

The Key of Gaia出張所-水入り2The Key of Gaia出張所-水入り3
カメラと水晶を固定して傾けて撮影しました。判りますか?
三角形の空間に水があり、そこを物体が移動します。

・・・ちょっと待った。
気泡ならば水の上を移動するのは判りますが、このサンプルは物体が
気泡と同じく上を移動します。 先にも書いたように有機物が入るとは
考えにくい。 ところが、水より軽い鉱物はありません。(多分w)
元素そのものや、産出形態によって水より軽くなる・水に浮くという事は
全くないわけでもないのでしょうが、前者はかなり考え方に無理があるでしょうし
後者も観察した限りでは今ひとつ納得がいきません。

さて、私は自分で3つの仮説を立てて、恐らくそのいずれかだろうと思っています。

1つは、本当に水より比重の軽い元素のみの鉱物が入っている、または産出形態の
比重が軽くて浮いている・・・つまり、上記で自分が「考えにくい」とした説が
当てはまっていた場合です。可能性としては0ではないですが、かなり低いでしょう。


さて問題です。(笑)
私はあと2つの仮説を考えていますが、判りますでしょうか?
これは正解・不正解ではなく、皆さんにもいろいろ考えて欲しいと思ったからなので
是非いろんなご意見を聞かせて欲しいです。
この産地のサンプルは他にも出回っているようですので、もし検証された正解を
ご存知の方も是非コメント頂ければ嬉しく思います。ヽ(´-`)ノ

長くなりましたので、続きはCMのあとで・・・(≧▽≦)ノ