稲目鉱山とも呼ばれますね。
正式には、三信鉱工㈱という国内では稀な現役バリバリの
鉱山なのです。 なぜなのかというと・・・

元々は金鉱脈を目指して開発されたのです。 確かに
高品位の鉱石は出るのですが、やたらと阻まれる白い
岩塊・・・すっごく細かくてスベスベ。 これを捨てるより
何かに使えないかと試行錯誤された末、この鉱物(セリサイト)
をファンデーションの原料として使う事を見出され、各位に
アプローチ致しました。 ここのセリサイト(絹雲母)の質の
良さを大手の化粧品メーカーが認め、今では世界中のファンデーションの
50%以上がここのセリサイトを原料としているそうです。
(間違ってたらご指摘ください)

閑話休題、まず県道431号沿いにある本社事務所で採集の許可を
頂きます。 ここはキチンとお願いすれば快く許可して下さるので
必ず許可を貰うようにします。
休日に行く際には、事前に電話してお願いするのがいいと思います。

因みに、現場の方々には黄鉄鉱や硫砒鉄鉱、輝安鉱とか言うより
”硫化”と言ったほうが判ってもらいやすいです。
過去には、2cmクラスの硫砒鉄鉱の結晶や、直径5cmを超える
輝安鉱の放射状球顆を産することで知られていましたが、今では
採掘技術の進歩によって殆ど見られなくなりました。
それでも、5mm前後の分離晶や母岩つきのものなら沢山あります。

$The Key of Gaia出張所-硫砒鉄鉱の分離晶
硫砒鉄鉱の分離晶。最大6mm程。この他群晶や母岩つきも。


またまた余談になりますが・・・(汗
昭和10数年頃の資料によれば、その頃既に採掘が始まっておりまして
硫砒鉄鉱に銀が含まれていると勘違いして抽出しようと過熱し、
有毒ガスの発生で作業員が何人か亡くなったそうで、その資料には
「毒砂」と記されておりましたとさ・・・。

私が行ったのは平日だったので、現場の方の指示に従って採集させて
頂きました。 暫くすると1人の作業者の方に声をかけられ、少し
前に出たという硫化の塊と、紫石英(やや結晶面あり)を譲って
頂きました。

$The Key of Gaia出張所-石英・セリサイトにつく黄鉄鉱
これは頂いた物ではなく採集品。石英質の母岩にちっちゃい黄鉄鉱。
左右63mm

$The Key of Gaia出張所-紫石英
頂いた紫石英。脈状だが透明感もある”アメシスト”

タイミングがいいと、こうした恩恵も受けられる貴重な産地です。
休日に行かれる方も多いようですが、ゴミを捨てたり設備を弄ったり、
怪我や事故など起こしてしまうと採集禁止にされかねませんね。
マナー、節度を守っていれば、きっと良い事あるでしょう。