「電車の運転士をしています」というと必ず聞かれる質問が
「人身事故の経験ありますか」
です。実は私自身は経験がありません。ただ私が担当する路線では残念ながら毎年人身事故が起きています。
当たるか当たらないかは本当に運次第ですが、比較的件数が多い区間、駅というのは実際にあって、そこを通るときは何年やっても毎回とても緊張します。
個人的には、ホームドアがついている、高架で踏切がない区間は人が侵入する可能性が低いためかなりリラックスして運転できます。(もちろんそれ以外でも気を遣うことは多いですが)
人身事故が起きると、必ずその日の社内の休憩所などでは担当の運転士が誰だったのか?という話題で持ちきりになります。「あいつは初めてだな~」とか「また~さんか!」といった感じです。
当日や翌日に担当運転士に会った時は、励ましたり当時の状況や体験を軽く話したりして、本人の緊張や興奮状態をできるだけ落ち着けられるようにお互いしています。気丈にふるまう人が大半ですが本人にはとてもつらい経験なのは間違いないと思います。
もちろん覚悟のうえでこの仕事を選んでいますが、私は毎日家を出て会社に行くとき、「明日も 何事なく 帰って来よう」(運転士は泊り勤務)と誓いドアを開けています。
