ムチ型では賃金が抑制されるから消費需要が伸びない。
これでは企業は困るのではないか、という疑問を抱くかもしれませんが、実は企業はたいして困らないのです。
なぜなら、国内の消費需要が伸びないならば、そんな国内市場は捨てて、海外市場に打って出て、海外の需要を取り込めばいいからです。
これこそがグローバリゼーションというものです。

しかし、ムチ型では企業は技術力がなくなり、いずれ国際競争力を失ってしまうのではないかと思われるかもしれません。
ところがそうはなりません。
たっぷり儲け、潤沢な資金を使って大学や企業の特許を買ったり、技術力のある企業を買収したりすればいいだけの話です。
なにも自前で技術開発するなどという手間のかかることをする必要はないのです。
技術は買ってくればいい。カネで解決すればいいというわけです。
企業や投資家にとっては、ムチ型成長戦略は嬉しい結果となります。

しかし、国民全体の利益のことを考えたら、どうでしょうか。
労働者の給料は上がらず、一部の企業や投資家だけ儲かるので、格差は拡大します。
また、消費需要が伸び悩み、経済はデフレ気味になるので、経済全体は成長せず停滞します。