2014年 9 月 972 号 |
かけだし情報 |
ガバレ農場 鴻巣市前砂359 ℡548-1173 |
畑情報
8月下旬から曇りや雨の日が多く、ここ数年続いた猛烈な残暑とは違う涼しい9月を迎えました。体が涼しさに慣れてしまうと、30度を超える蒸し暑さは余計に体にこたえます。まだ夏は終わってはいませんが、
この夏は全国的に日照不足でした。特に西日本は豪雨被害が頻発するなど、例年よりも多くの雨が降り、日照不足とあわせて農作物への影響が大きくなっています。
この時期の畑は種まきや植え付けで多忙な時期です。雨が多く、畑の作業が進まない日が続いていましたが、乾いている畑から順にトラクターで耕して、大根、カブなどの種を播き、レタス、ブロッコリー、キャベツを植えています。
今年は、小さな育苗ハウスを使ってキャベツやブロッコリー、白菜の苗を育てています。ハウスの屋根はビニールを張っていますが、側面は防虫ネットで囲っています。入り口のドアの隙間ができてしまいますが、ここも防虫ネットを2重にすることで、虫の侵入を少なくしています。それでも隙間から入る虫もいるので、虫が好む黄色をした粘着シートを天井から吊り下げました。防虫対策をした結果、今年の育苗は順調です。
昨年までは露地にトンネルをし、防虫ネットを覆っただけの簡単な育苗施設だったため、芯に入り込む虫にあっという間に葉っぱや生長点を食べられてしまい、畑に植え付けることができた苗もダメージを受けたものが多かったのです。もっと早くハウスを使って育苗をしておけばよかったと、今年の苗をみて後悔しています。
9月、10月は関東では台風の季節です。8月に台風が発生しなかった反動があるのではと言われているため、台風の大雨を考えて畑の作付けもしています。
キャベツや白菜、大根なども冠水の被害を受けそうな畑と、やや乾きやすい畑に分けて栽培することにしました。白菜はまだ本葉が2枚程度なので、今月の半ば過ぎから植え付け予定ですが、ブロッコリーなどはマルチを張った畝に定植しています。植え付けた後は、トンネルをし、防虫ネットで虫の侵入を防ぎ、粘着シートも何枚か設置しました。苗がある程度まで成長するまでは防虫ネットと、見回りで虫の食害を防ぐ必要があります。
田んぼでは今週の終わりごろから稲刈りが始まります。品種によってはやっと穂が出そろったものもありますが、田んぼが広がっている所では、黄金色になった稲穂が垂れ下がっている田んぼと、まだ青々としている田んぼが混じっています。田植えから100日が過ぎましたが、ついこのあいだ田植えをした気がするのに、もう稲刈りです。
今年は籾が充実していく期間が比較的涼しかったので、猛暑の時のような乳白米などは少ないと思います。日照時間の少ない所や雨の多かった地域では、
いもち病が出ているところもありますが、作柄予想では、平年並みか、やや良というところが多いようです。
食べる側にしてみれば価格は安い方がよいのですが、農家にとっては米価の動きは経営に直結するため、少しでも高くなることを期待します。しかし、今年は例年以上に厳しい価格となりそうです。昨年度産のお米が余っていることなどから昨年よりも大幅な下落となる気配です。慣行栽培で農薬、肥料を使っての米つくりでは採算が取れないくらいです。近隣で2町ほどの米つくりをしている友人も、「これじゃあ、米は作る気がなくなる」とばやいていましたが、下がり続ける米価は回復することはなさそうです。
しかし、一方で、最近の異常気象を考えると、主食のお米も含めて、身近で育てていることの必要を感じます。世界の穀倉地帯で毎年のように起こっている干ばつ、洪水などは、輸入に頼っている食卓をすぐに直撃します。また、中山間地での米つくりは、規模を拡大することが難しい地理的な条件があります。米価がさがれば米つくりを止める農家が増え、中山間地の田んぼが持っていた多様な機能がマヒしてしまいます。生態系が持っていた浄化作用や保水機能などが壊れてしまえば、その地域周辺の環境も著しく変化してしまいます。米を単なる商品として見ていると、単純に安いものを他から持って来れば良いという発想になってしまいます。とても難しいことですが、農家もしっかりと情報を集め、長期的な視野を持つことが必要です。昔は百姓に学問はいらない、という時代もあったようですが、今は農家ほど多く知識を求められる仕事はないと感じています。