2024年7月20日土曜日

 

いわき市内郷白水町の国宝、願成寺白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)を参拝。

 

 

気温35度近い猛暑の中での参拝です。

 

蝉の声が遠くに聞こえ、脳天直下の突き刺さるような日差しの中を進みます。

 

 

阿弥陀堂に向かう途中、浄土庭園の池には大きな鳥が涼んでいました。

 

 

 

拝観料500円を納め、御朱印をお願いし、いざ白水阿弥陀堂へ。

 

ちなみに、御朱印は4種類お願いできます。(国宝白水阿弥陀堂・本坊願成寺・つるし観音・山の坊不動堂)各500円

 

 

 

猛暑の中でしたが、ここに来るとスッとまわりの空気が引き締まったような感覚になりました。

 

 

阿弥陀堂の屋根と、手前のお線香を立てる香炉の屋根の重なりがとっても美しい。

 

日本の神社仏閣建築の真髄をビシビシ感じます。

 

無駄な装飾一切なしの曲線美こそ、ごまかしなしの本物の美しさです。

 

 

 

ちょうど古代ハスが見頃でした。

 

 

 

 

 

古代ハスからは、清涼感のある清々しい香りが漂います。

 

 

白水阿弥陀堂内は撮影禁止のため、中の様子はしおりの文章から。

 

本尊阿弥陀如来は、寄木造漆箔の御像で、静かに流れる浅い「のうえ(古い布をつなぎ合わせた布を1枚まとっただけの簡素な衣)」の衣文、透彫の飛天光背と九重の蓮華座の座るこの時代(永暦元年1160年)の典型的なものである。

こま目のよく整った螺髪、まことに円満具足な重厚温雅な慈眼、名工定朝様式の完成した優雅な像容が一つの類型に達したさまがよくわかる。

造巧はまことに丁寧で、仏、光、座のすべてが入念であり、台座の魚鱗式蓮台、華盤、反り花などに魚々子を刻んださまはこの時代の代表的な手法を示している。

脇侍として勢至菩薩、観世音菩薩も同様の手法である。

持国天王、多聞天王立像は寄木造り極彩色の跡が残っており、仏法護持のお姿である。

 

本尊である阿弥陀如来像を中央に、四体の菩薩像、天王像が配置されています。

 

そして圧巻なのが、本尊阿弥陀如来像の優しい慈愛に満ちたお顔と、台座の九重の蓮華座、そして背後にある飛天光背。

 

飛天光背の透かし編みのような繊細な彫刻は、それを彫った職人の凄まじい気迫が伝わってくるような感覚がありました。

 

堂内の天井や壁には極彩色の文様が描いてあったそうですが、長年の月日の中でほとんどが剥落してしまいました。

しかし、わずかながらもその面影を見ることができます。

864年前に思いを馳せながら、堂内を拝観するのも素晴らしいひとときになると思います。

 

また、堂内には解説してくださる方がおり、参拝者が本尊前に来たタイミングで阿弥陀堂内の解説をしていただけます。

また、こちらの質問などにも気さくに答えていただきました。

暑い中でのお勤めに頭が下がる思いでしたが、逆に深々と頭を下げてくださり、なんとも温かい気持ちで参拝を終えることができました。

 

こういった神社仏閣の解説の最後には、お札やお守りの購入を勧められるようなパターンが多い中、そのような文言は一切なく、来ていただき本当にありがとうございます…といったお言葉をいただけたこと、本当に来て良かったな…と感じました。

 

 

 

 

方三間単層宝形造りこけら葺。

 

屋根のアールが美しい。

 

 

参拝後、御朱印をいただきました。

 

白水阿弥陀堂の御朱印は、その場で手書きしてくださいます。

 

そして!

 

ページの角に折り鶴付きの手作りしおりを挟んでいただけます。

 

これは…嬉しいニヒヒ

 

 

 

上矢印

今回のお気に入りの1枚です。

 

 

 

清々しく、そして優しい空気感。

 

願成寺、国宝白水阿弥陀堂。

 

ありがとうございました。