私は、4年くらい前からレストランの調理場で働いています。
食材に触れているだけでもまず幸せ、という大の料理好きですが、レストランで働こうと思ったのは、ものづくりの経験をいかしたかったからでした。
私はこの職につく以前、デザイン事務所で働くグラフィックデザイナーでした。そのころ、デザインとは?という自分の中から生まれた問いに、真剣に向き合い、悩み、出した答えが、
「おもてなし」という言葉でした。
デザインは、とても抽象的ですが、とても大切な人を我が家に招待したとき、その人がまず最初に玄関をあけて感じる香り、飾られた花、聞こえてくる音楽、かけた椅子、そしてお料理。すべてにおいて、その人がその時求めていることを理解し、そしてそれ以上のサプライズと愛情をもってもてなすようなものだという結論にいたったのでした。
私は、ただのグラフィックデザイナーでしたが、根本はやはりこういうところにあるのではないかと考えたわけです。
そして思い切っての転職。
レストランでの仕事は忙しく、ピークタイムには、とにかく料理を出すことに集中してしまいます。
そんな時、昔考えていたことを思い出し、客席に、私がとても大切にしている人がすわっていることを頭に思い浮かべてリセットするようにしています。
いつまでも、デザインとおもてなしの心を持ち続けたいと願っています。
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