民族。
マラウイへ行って初めて感じた
人種差別。民族意識。
悲しかった。
マラウイアンは、中国人をバカにして楽しんでいる。
中国人に見える私たち日本人も野次られることはよくあった。
けど、それは本当に中国人バカにしてるんじゃくて、彼らのもつ劣等感の現われ。そう思った。
よく聞かれた質問。
「お前は黒人と結婚できるか?」
「お前の両親はお前が黒人と結婚したら、どう思うか。」
マラウイアンではなく、黒人
BLACKという言葉を使う彼ら。
黒人であることに対して劣等感というべきか、正しい言葉は見あたらないけど悲しい気持ちをかかえた彼ら。
より白くなりたい、
と言っていた。
日本人としてのプライド。東洋人としての劣等感。
アメリカ人としてのプライド。フィリピン系という劣等感。
ドイツ人としてのプライド。他とは違うという優越感。
フランス人のプライド。
イギリス人のプライド。
・・・
どうして人は人に優劣をつけるんだろう。
ドイツから帰ってきて、ヨーロッパ近代史 民族 という本を読んだ。
何も知らないで差別だダメだ、と批判はしたくなかったから。なぜ、人は国境で線を引き、外と中で人を区別するのか知りたかったから。
18、19世紀ヨーロッパで繰り広げた領土争い、民族間の権力争い。言語による支配。
1900年始めのポーランド人、ウクライナ人、ユダヤ人の関係性、争い。
これが一番心に残った。
どの民族の立場も理解できた。
どの民族が悪かった、なんて判断できない。
どの民族も正しくて、どの民族も間違いだったと言ってしまえばいいかな。
けど、やっぱり悲しい歴史のひとつ。
今読んでいるNationality(国民、国家) という本。
人類は遥か昔から、Us と Them を区別してきた。
と書いてあった。
そして時折ThemはEnemy(敵)になる。
Us と Them・・・
みんながUsで考えられる世界ってどれだけ素敵だろう。
少し話しがズレるけど。
今日、ある人と口論になった。
西日本新聞に掲載された、ある記事について。
在日朝鮮人のある女の子の話。
幼稚園のころ、在日であること、そしてそれは秘密にしておかなければならないことを告げられた少女。
秘密にしておかなければならない。
このことで、自分が韓国人であることに後ろめたさを感じていた。
けど、ある出会いをきっかけに、自分探しに韓国へ行く。
タクシーのおじさんには、
「韓国語が話せないなら韓国人じゃない」
といわれた。
韓国でのバイト先で聞かれた。
「独島は韓国のものか、日本のものか。」
お前は日本人か韓国人か、と問われている気持ちになった。
日本で育って、日本人と同じ感覚を持つ。
けど、韓国の国民性に違和感を覚えない。そこに自分のルーツを感じることも出来る。
彼女は日本人なのか、韓国人なのか。
この記事を読んで、私は朝から涙が出た。
彼女の気持ちを想像するだけで、悲しくなった。
帰国子女も同じ悩みを抱えることがあると、ある本で読んだことがある。
日本人だけど、海外で育った子。
海外では日本人として見られ、
自己主張の仕方の違い、育った文化の違いから日本では日本人として受け入れてもらえない。
自分のNationalityはどこにあるのか。
そもそもNationalityって??
議論になった人は、この記事を読んでこう主張した。
「韓国人としての自分を大切にしたいなら、さっさと韓国国籍にしろ。日本籍を捨てるべきだ。」
「別に日本にいてくれなくていい。」
「国籍も日本に移さずに権利ばかり主張するな」
これは、彼女というより、在日に対する批判だと思うけど。
なんて悲しい言葉だろう。
彼女の苦しみを全く考えてあげようとしない。
そんな考えの人がいるから、在日だと告白できずに苦しんでいる人がいるんだよ。
私の周りには、近隣諸国に対し過激な発言をする人が少なからずいる。
そのたびに私は耳を塞ぎたくなる。
ちゃんと、真実を知らなきゃ、現実を見なきゃ、
と私に言わんとするような言い方もされるけど、それが本当なら、
そんな悲しい現実なら見たくない。
そんな悲しい世界なら生きていたくない。
そう思ってしまう。
日本に帰ってきてから、多くの情報が勝手に自分の中に入ってきて。それに対する受け止め方も変わって。
たまに本当に悲しくなる。
こんな世界に生きていたくない。
全てのことから、耳を塞いでしまいたくなる。
私の中でも、民族意識が無いわけではない。
ついつい、
いや~アメリカ人はこうだよ。
なんて発言をしてしまうこともある。
だけど、少なくとも私は国籍やルーツで人を評価するような人間にはならない。
個人対個人で向き合える人間でいたい。